Al Gore
An inconvenient truth: the crisis of global warming
Adaptation for young readers
2007 New York: Viking (Penguin Young Reader Group)
あの、『不都合な真実』の子供向け。いつもの移動図書館で発見、読んでみました。表紙の裏に「11歳以上向け」とありますが、たしかに内容も、英語も、それくらいの年齢じゃないと読めなそう。183ページと短く、写真や図表が主なので、大人は一気に読めます。
まず、個人的に知らないこともあれこれあって面白かった。たとえば、アメリカなどの先進国が圧倒的に二酸化炭素排出量が大きいのに、その結果である環境異変の影響をより多くこうむっているのは他の国だと。気候変動のせいで降水量が減ってるのが赤道直下のアフリカだというんだから、この問題について会議をやったらアフリカ諸国の言い分が通るのは当然ということになるのでしょう。でも、もっともひどい目にあってるのはどうやら人間じゃないようで。北極や南極の温度上昇は最も大きく、シロクマやらペンギンが溺れ死んでるとか。彼らがもし会議に出るようなことがあったら、「お前らみんな何やってくれんねん」とニンゲンは袋叩きでしょう。
13~14章で「地球温暖化の最大の原因は、わが米国です。でもわが国は京都議定書も批准してないし、産業界も温暖化が真実かどうか疑わせることを狙いとしたキャンペーンを打ちまくっています」と核心に迫る。ここに収載された、個別に京都議定書を批准したUSAの都市リストが興味深い。残念ながらBloomingtonは入っていません。予想できるとおり西海岸・東海岸の州が参画に積極的で、これに対して保守的で、生活スタイルを変える考えが希薄な内陸の州は批准している都市が少ない、という傾向が明瞭。
Amazon.comのこの本へのReviewを見ると強い反感を示す人が少なくない。もちろん、この本にもミスや誤謬はあるでしょうが、完璧な仕事などないものだし、温暖化自体、そしてその原因が人の活動であることに疑いはないと思っています。陰謀論に弱いアメリカ人が温暖化否定キャンペーンに乗せられたか、あるいは、ネガティブなReviewの一部が、温暖化否定キャンペーンそのものだったりして。だからこそ、この本を作ったチームは、子供に読んでほしいのでしょう。現世の利益に心を奪われがちな大人に訴えても効果は少ないということでしょうか。最終章に「読んだ内容を、お父さんお母さんにも伝えてください」とあります。
(↓ つづく)
An inconvenient truth: the crisis of global warming
Adaptation for young readers
2007 New York: Viking (Penguin Young Reader Group)
あの、『不都合な真実』の子供向け。いつもの移動図書館で発見、読んでみました。表紙の裏に「11歳以上向け」とありますが、たしかに内容も、英語も、それくらいの年齢じゃないと読めなそう。183ページと短く、写真や図表が主なので、大人は一気に読めます。
まず、個人的に知らないこともあれこれあって面白かった。たとえば、アメリカなどの先進国が圧倒的に二酸化炭素排出量が大きいのに、その結果である環境異変の影響をより多くこうむっているのは他の国だと。気候変動のせいで降水量が減ってるのが赤道直下のアフリカだというんだから、この問題について会議をやったらアフリカ諸国の言い分が通るのは当然ということになるのでしょう。でも、もっともひどい目にあってるのはどうやら人間じゃないようで。北極や南極の温度上昇は最も大きく、シロクマやらペンギンが溺れ死んでるとか。彼らがもし会議に出るようなことがあったら、「お前らみんな何やってくれんねん」とニンゲンは袋叩きでしょう。
13~14章で「地球温暖化の最大の原因は、わが米国です。でもわが国は京都議定書も批准してないし、産業界も温暖化が真実かどうか疑わせることを狙いとしたキャンペーンを打ちまくっています」と核心に迫る。ここに収載された、個別に京都議定書を批准したUSAの都市リストが興味深い。残念ながらBloomingtonは入っていません。予想できるとおり西海岸・東海岸の州が参画に積極的で、これに対して保守的で、生活スタイルを変える考えが希薄な内陸の州は批准している都市が少ない、という傾向が明瞭。
Amazon.comのこの本へのReviewを見ると強い反感を示す人が少なくない。もちろん、この本にもミスや誤謬はあるでしょうが、完璧な仕事などないものだし、温暖化自体、そしてその原因が人の活動であることに疑いはないと思っています。陰謀論に弱いアメリカ人が温暖化否定キャンペーンに乗せられたか、あるいは、ネガティブなReviewの一部が、温暖化否定キャンペーンそのものだったりして。だからこそ、この本を作ったチームは、子供に読んでほしいのでしょう。現世の利益に心を奪われがちな大人に訴えても効果は少ないということでしょうか。最終章に「読んだ内容を、お父さんお母さんにも伝えてください」とあります。
(↓ つづく)