完全な荷造りができないまま、そんなことはよくあることのようで、引っ越し屋さんはテキパキと私の荷物を運び出して行った。
荷物の搬出の最終段階になって、ベッドの奥にしまい込んだ箱から昔買ったインザルームのボックスシーツが出てきた。
良いもの持っていたんだなあと感心する。
ガランとした部屋を見れば何か思うだろうと思っていたのだけれど、前日に3時間しか寝ていなかったためその時点で既に言い知れない疲労感しか感じることができなかった。
ある程度綺麗にしようと雑巾なども準備してあったが、全くそんな体力がなくクイックルワイパーをざっとかけることしかできなかった。
ふらふらと新居に自転車を走らせ、新居への搬入が始まった。
「これはどこに置きますか」という引っ越し屋さんの問いかけに場所など決めていないものがほとんどだったので、適当にその辺に積んでくださいとお願いする。
新しくしたベッドを組み立ててもらっておいて本当によかった。
寝られないかもしれないという恐怖は抱かずに済んだ。
あの狭い部屋にこれだけの荷物が入っていたのかと、段ボールに囲まれて呆然とする。
明日は10時に旧居の引き払いの立会いがある、そのあと伊豆に行かねばならない。
バラバラに積み上がった物たちを見て泣きそうになりながら、ひとつずつ、ひとつずつ、と自分をなだめながら片付ける。
遅くに、天井のライトの取り付けをお願いした方が来てくれる。
もう本当にありがたい。
そのまま片付けを進めながら、ご飯を食べていなかったので一緒に外に出る。
ロックンロールに触れた人間がその大部分を捨てて生きていけるのだろうか。
それを最上位に置くのは確かにとても難しく骨の折れることで、というか、最上位に置き続ける方法がわからないからそれに比重を置いて生きて行こうとするのだ。
というような話を私が若干噛み付く形で言い、「それはその通りだ。もっと突き抜けてほしい。でももっとバカでいい」とひたすらに返される。
新居に帰り、多少酔ってはいたけれど一番ネックだった食器類を少しでも片付けておこうと、お皿やらグラスやらを3倍くらいになったシンクに並べもくもくと洗っていく。
さすがに力尽きたのでシャワーを浴びて寝ることにする。
街灯が煌々と明るく、真っ暗にはならない。
翌日、明るい部屋で自然に目が覚める。
前の部屋は陽が当たらなかったからこういうことはなかった。
朝日というのはいつどんなときも、どんなときでも、明るいものである。
疲労感を引きずったまま、電車で伊豆高原へ向かう。
車中、読みさしになっていた「アーユーハッピー」を読む。
けいこの還暦祝いで半日を過ごして、帰路、また一人になって即座にイヤホンを耳に突っ込む。
あぁ、一人になりたかった、よかった、と本当にほっとする。
家に着いたらまた片付けをしよう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/5f/2af1b96edd1fd1afcccff2b7ba1bc4f8.jpg)
荷物の搬出の最終段階になって、ベッドの奥にしまい込んだ箱から昔買ったインザルームのボックスシーツが出てきた。
良いもの持っていたんだなあと感心する。
ガランとした部屋を見れば何か思うだろうと思っていたのだけれど、前日に3時間しか寝ていなかったためその時点で既に言い知れない疲労感しか感じることができなかった。
ある程度綺麗にしようと雑巾なども準備してあったが、全くそんな体力がなくクイックルワイパーをざっとかけることしかできなかった。
ふらふらと新居に自転車を走らせ、新居への搬入が始まった。
「これはどこに置きますか」という引っ越し屋さんの問いかけに場所など決めていないものがほとんどだったので、適当にその辺に積んでくださいとお願いする。
新しくしたベッドを組み立ててもらっておいて本当によかった。
寝られないかもしれないという恐怖は抱かずに済んだ。
あの狭い部屋にこれだけの荷物が入っていたのかと、段ボールに囲まれて呆然とする。
明日は10時に旧居の引き払いの立会いがある、そのあと伊豆に行かねばならない。
バラバラに積み上がった物たちを見て泣きそうになりながら、ひとつずつ、ひとつずつ、と自分をなだめながら片付ける。
遅くに、天井のライトの取り付けをお願いした方が来てくれる。
もう本当にありがたい。
そのまま片付けを進めながら、ご飯を食べていなかったので一緒に外に出る。
ロックンロールに触れた人間がその大部分を捨てて生きていけるのだろうか。
それを最上位に置くのは確かにとても難しく骨の折れることで、というか、最上位に置き続ける方法がわからないからそれに比重を置いて生きて行こうとするのだ。
というような話を私が若干噛み付く形で言い、「それはその通りだ。もっと突き抜けてほしい。でももっとバカでいい」とひたすらに返される。
新居に帰り、多少酔ってはいたけれど一番ネックだった食器類を少しでも片付けておこうと、お皿やらグラスやらを3倍くらいになったシンクに並べもくもくと洗っていく。
さすがに力尽きたのでシャワーを浴びて寝ることにする。
街灯が煌々と明るく、真っ暗にはならない。
翌日、明るい部屋で自然に目が覚める。
前の部屋は陽が当たらなかったからこういうことはなかった。
朝日というのはいつどんなときも、どんなときでも、明るいものである。
疲労感を引きずったまま、電車で伊豆高原へ向かう。
車中、読みさしになっていた「アーユーハッピー」を読む。
けいこの還暦祝いで半日を過ごして、帰路、また一人になって即座にイヤホンを耳に突っ込む。
あぁ、一人になりたかった、よかった、と本当にほっとする。
家に着いたらまた片付けをしよう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/5f/2af1b96edd1fd1afcccff2b7ba1bc4f8.jpg)