本日は、「最後の幻想曲 = 連弾へ短調幻想曲D940」を。
この曲の特徴をまず初めに記載する。
である。「さすらい人幻想曲」が循環ソナタ形式に乗っ取って作曲され、「わが挨拶を送らん幻想曲」が『全曲の統一』はされているモノの循環ソナタ形式では作曲されなかった。この辺の「シューベルト内部の矛盾」が『最後の幻想曲』であるこの曲の創作意欲を掻き立てた可能性は高い。
この曲も、構成が「さすらい人幻想曲」と似ているが
が特徴。 超絶技巧は要求されない曲であり、演奏機会が極めて多いのも特徴。
大切なポイントとして
の2点。「さすらい人幻想曲」直系の「幻想曲」であるが、「色彩感」が相当に違う。
ヘンレ版で「単独曲出版されている 唯一のシューベルト連弾曲」であるためか、信じられない多い頻度で演奏される(!)が、曲の内容に踏み込んだ演奏はなかなか聴けない曲の1つ。
岡原慎也 か 佐伯周子 の演奏で聴きたいモノである。2人の共演だったならば、まさに「夢の共演」である。
連弾幻想曲 ヘ短調 D940 アナリーゼ
この曲の特徴をまず初めに記載する。
- 循環ソナタである。
- しかし、ソナタ形式の「展開」の概念が通常の展開と異なっている
である。「さすらい人幻想曲」が循環ソナタ形式に乗っ取って作曲され、「わが挨拶を送らん幻想曲」が『全曲の統一』はされているモノの循環ソナタ形式では作曲されなかった。この辺の「シューベルト内部の矛盾」が『最後の幻想曲』であるこの曲の創作意欲を掻き立てた可能性は高い。
- 第1楽章 Allegro molto moderato ヘ短調 4/4 120小節 ソナタ形式の呈示部(繰り返しあり)
- 第2楽章 Largo 嬰ヘ短調 4/4 43小節 展開部前半
- 第3楽章 Allgro vivace 嬰ヘ短調 3/4 275小節 展開部後半であると同時に「スケルツォとトリオ」
- 第4楽章 Tempo I(Allegro molto moderato) ヘ短調 4/4 133小節 全集の再現であり、第1楽章の再現であると同時に「第1楽章第2主題の変奏曲(主題と14の変奏曲)」
この曲も、構成が「さすらい人幻想曲」と似ているが
- 楽章内が「ソナタ形式」で閉じている楽章が存在しない
- テンポ設定は同じ感触
- 第2楽章 → 第3楽章 で転調しない!
が特徴。 超絶技巧は要求されない曲であり、演奏機会が極めて多いのも特徴。
大切なポイントとして
- 第2楽章 → 第3楽章 と 第3楽章 → 第4楽章 が、フェルマータ で結ばれている
- 第1楽章と第4楽章 = ヘ短調、第2楽章と第3楽章 = 嬰ヘ短調 と『暗い色彩』に包まれている
の2点。「さすらい人幻想曲」直系の「幻想曲」であるが、「色彩感」が相当に違う。
ヘンレ版で「単独曲出版されている 唯一のシューベルト連弾曲」であるためか、信じられない多い頻度で演奏される(!)が、曲の内容に踏み込んだ演奏はなかなか聴けない曲の1つ。
岡原慎也 か 佐伯周子 の演奏で聴きたいモノである。2人の共演だったならば、まさに「夢の共演」である。