Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

新国立劇場オペラ「バラの騎士」批評 続編(No.1851)

2011-05-06 19:15:36 | 批評
 本日は、第1836号 の続編である。

 新国立劇場「バラの騎士」は、東電と日本政府の無能さが原因で日本が放射能垂れ流し状態になったため、来日中止がソロ歌手と指揮者に相次いだことから「キャスト大巾変更」を余儀なくされた。来なかった方に罪は無い。東電と日本政府を恨む。
 このような事態が起きた時のために、「カヴァー歌手」「副指揮者」と呼ばれるメンバーが新国立劇場オペラ クラスになると必ず控えている。「バラの騎士」公演だけに控えているのでは無く、「全公演に控えている」のである。お間違いないように。
 舞台上での不測の事故に起因する怪我、急病、過労 などが「主な想定対象」であるが、今回のような「大量発生」もあり得る。1週間くらい台風が猛威をふるって、日本の主な飛行場が離着陸できなくなっても似たような状況は起こり得る。また放射能を東電が垂れ流す危険性の方が高いかも知れない(爆


カヴァー歌手は「本番キャストが降板する」のを虎視眈々と狙っている


 当たり前過ぎることだが、ここに改めて書いておこう。「カヴァー歌手手当」がいくらだかは私高本は全く知らないが、「本番手当」とは雲泥の差(天地の差?)であることは間違いないし、そんな金銭のことよりも

世界の超一流ソリスト陣と新国立劇場オペラの大舞台で共演できる「芸術的な高み」と「栄誉」


の方が大切だ。
 その時に脳内で設定していたのは、おそらく「自分のカヴァー役以外は全員当初の豪華キャスティング」だった、と推察される。私高本が声楽的才能があって、かつ運が良くて「新国立劇場オペラカヴァー歌手」になっていたら、まず間違いなく考える方向だ。
 ・・・で、東電と日本政府の放射能垂れ流しの結果は、「指揮者変更」に留まらず「ソリスト歌手4名が来日中止」となった。内、元帥夫人だけは(事情通に拠ると新日フィルからの交渉で)大物ソプラノが来てくれることになった。しかし、「オクタヴィアン」「ゾフィー」「ファーニナル」が全員「カヴァー歌手」になってしまった。「カヴァー歌手」にとって「想定外」だったことは間違いないだろう。つまり、「自分以外は世界級歌手で自分だけが代役」の設定がこの3役に関しては違う状況での本番を迎えてしまったのである。しかも、本番指揮者の来日もぎりぎりまで遅れて、「当初の初日 = 4/7 が飛んだ」ほどであった。私高本の座席チケットも飛んだ(泣
 そこまでの犠牲を払って、指揮者=沼尻竜介 の多大な協力も得て、「バラの騎士」公演は開幕に漕ぎ着けられた。

  1. オクタヴィアン = 井坂恵


  2. ゾフィー = 安井陽子


  3. ファーニナル = 小林由樹



 この3名のおかげで聴けたのである! 演技は堅かったが声は通っていた ゾフィー の安井陽子。 声も演技もスマートだった小林由樹のファーニナル。この2人は「バラの騎士」全体像がはっきり掴めていた。だが オクタヴィアン = 井坂恵 は全体像が全く掴めていなかった。 この差は埋めがたいほど大きい。公演プログラムに書いていた「池田香織」で次回は(カヴァーを)実行してほしい。井坂では全く「全体像を掴めていなかったから」である。池田で聴いたら、もっと怒っているかもしれない。しかし、聴いて見なければわからない。「井坂恵」はこの大役にはふさわしくなかった、ことだけが残る。


 「誰がカヴァー歌手だったら、より良い公演になったのか?」 それは全くわからない。聴いていないからだ。公演時に「カヴァー」と書かれていた池田が最有力だろうが、他にも有力なメゾ(アルト)は多い。「カヴァー歌手は、カヴァーできて当たり前」が原則なので、この辺りは「新国立劇場オペラ制作部」が真剣に考えてほしい。


 ここからは、私高本の独り言である。「大隅智佳子がオクタヴィアン歌っていたら」と思う。普通想定しないわな > 大隅はソプラノだし。

 しかし、「低音の魅力」が大隅以上の歌手って言われても、若手&日本定住 の女声では思い起こすことが出来ない。基本的に「カヴァー歌手」にはなり得ない! と言うこと。それから、大隅の名前を出したので思い出したところでは、「ゾフィー = 大隅」だったら、もっと良かったかも知れない。(良くなかったかも知れない。)この辺りは聴いてみないとわからないのが、実際のところである。それから、「ゾフィー = 老田裕子」だったら、どんな舞台になったのだろうか? これも聴いて見なければわからない。関西在住の若手は、こんなところにまで「マイナスの十字架」を背負っているのだ。
 私高本は「希望のソプラノ = 大隅智佳子 & 老田裕子」なので、是非是非「活躍の場」を広げて欲しい! と切望する。大隅と老田が主役だったオペラ公演の素晴らしさは、これまでに無かったほど感銘深かったからである。「マリア・カラスの伝記」などを読むと、時間はそれほど多くは残されていないように感じるから。


 ちなみに「2ちゃんねる」に、新国立劇場オペラ「コジファントッッテ」が発表された。壮絶な変更だが、これが決定しているならば、チケット飛ばないよな(爆

http://toki.2ch.net/test/read.cgi/classical/1303695664/77

コジ降板→代役
指  揮     :パオロ・カリニャーニ →ミゲル・A.ゴメス=マルティネス
フィオルディリージ:アンナ・サムイル →マリア・ルイジア・ボルシ 
デスピーナ     : エレナ・ツァラゴワ →タリア・オール
フェルランド    :ディミトリー・コルチャック→グレゴリー・ウォーレン

 この配役ならば、制作部は相当に努力してくれたことに感謝する! 何で「2ちゃんねる発表」なの?(爆
コメント
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