1人の歌手による「決定的名盤」が存在しない「幻の名曲 = 子供の不思議な角笛から」の謎を解く(2)
不人気原因その2
「子供の不思議な角笛から」は使用音域が「G」から「2点B」までの17度(2オクターブ + 3度)もあり、音域が広過ぎる
楽器によっては「ピアノ」のように88鍵(7オクターブ+3度)も簡単に音出しできる楽器も稀にあるが、普通は(きれいに使える音域は)2~3オクターブの楽器が多い。「声楽」はさらにデリケートなので、普通は「2オクターブ以内」である。マリア・カラス は「3点Es」がきれいに出せるソプラノだったが、「1点C」(← ピアノの真ん中のド)がたっぷりした音量では響かせる自信が無かったからか、「ヴェルディ:レクイエム」の演奏記録が全く残っていない!(← 本当)
マリア・カラス でさえ「17度」は自由には駆使していない。(低い音のある曲はもちろん演奏しているが、「ヴェルディ:レクイエム」の「リベラメ」冒頭で響かせる自信が無かっただけだろう。
マーラー「子供の不思議な角笛から」に戻ろう。「2点B」は「張る」必要は無い。だが高音は必要だ。バリトン歌手ではきつい感じ。「2点Gis」張るのが2曲目から終曲に出てくるからなあ(泣
下もきつい。オーケストラ伴奏が無くなるところで、「A」がある。(第7曲「高度な知性を讃えて」) これは(8分音符だが)落とすと音楽が成り立たない。さすがに響かせるのは「1点D」くらいのようだが。第12曲の終曲が「1点C 2分音符」か、、、
- 「2点Gis」まで朗々と響かせるバリトン
- 「1点C」まで朗々と響かせるソプラノ
常人じゃ無理だよな(泣
「子供の不思議な角笛から」は使用音域の音程が広過ぎるのが原因で全曲演奏されない
これはどうやら事実である(爆