ふたたびの
カク首の冬に目覚めては
砂吐く蜆の口に見とれる
君に降る
落ち葉の行く末追うぼくに
「どうしてたの?」と問える君かな
さよならが
言いたかっただけ吹きつのる
君のマフラ-に降り積む雪に
ニュ-ギニアから
飢え逃げのびし兵のまま
伯父は植林す海見る丘まで
血みどろの
こぶしサイズの壁の穴
我が青春の喫水線上
ひと夏の
怒りを画布の真ん中に
ヒトデ五本は君の手のなか
行くものは
樹の香ばかりの駅裏で
君を想えば新緑渦巻き
漆黒の
サイロに登らば鬼となり
おそるおそると吐息捕らえる
牧草を
積み疲れては君の夢
信号みたいな桜桃見上げて
岩ツバメ
出で入る崖のふるさとの
一本路の君を追いかけ
盲腸の
君を見舞いの桜桃忌
「毛は剃ったの?」と太宰真似つつ
劣等生と
なりたる僕が吹雪くたび
外へ駆けだし叫んだ君の名
カク首の冬に目覚めては
砂吐く蜆の口に見とれる
君に降る
落ち葉の行く末追うぼくに
「どうしてたの?」と問える君かな
さよならが
言いたかっただけ吹きつのる
君のマフラ-に降り積む雪に
ニュ-ギニアから
飢え逃げのびし兵のまま
伯父は植林す海見る丘まで
血みどろの
こぶしサイズの壁の穴
我が青春の喫水線上
ひと夏の
怒りを画布の真ん中に
ヒトデ五本は君の手のなか
行くものは
樹の香ばかりの駅裏で
君を想えば新緑渦巻き
漆黒の
サイロに登らば鬼となり
おそるおそると吐息捕らえる
牧草を
積み疲れては君の夢
信号みたいな桜桃見上げて
岩ツバメ
出で入る崖のふるさとの
一本路の君を追いかけ
盲腸の
君を見舞いの桜桃忌
「毛は剃ったの?」と太宰真似つつ
劣等生と
なりたる僕が吹雪くたび
外へ駆けだし叫んだ君の名