詩人PIKKIのひとこと日記&詩

すっかりブログを放任中だった。
詩と辛らつ日記を・・

大昔の自作短歌手帳からー

2007年02月03日 | Weblog
ふたたびの
カク首の冬に目覚めては
砂吐く蜆の口に見とれる

君に降る
落ち葉の行く末追うぼくに
「どうしてたの?」と問える君かな

さよならが
言いたかっただけ吹きつのる
君のマフラ-に降り積む雪に

ニュ-ギニアから
飢え逃げのびし兵のまま
伯父は植林す海見る丘まで

血みどろの
こぶしサイズの壁の穴
我が青春の喫水線上

ひと夏の
怒りを画布の真ん中に
ヒトデ五本は君の手のなか

行くものは
樹の香ばかりの駅裏で
君を想えば新緑渦巻き

漆黒の
サイロに登らば鬼となり
おそるおそると吐息捕らえる

牧草を
積み疲れては君の夢
信号みたいな桜桃見上げて

岩ツバメ
出で入る崖のふるさとの
一本路の君を追いかけ

盲腸の
君を見舞いの桜桃忌
「毛は剃ったの?」と太宰真似つつ

劣等生と
なりたる僕が吹雪くたび
外へ駆けだし叫んだ君の名