地球へ ようこそ!

化石ブログ継続中。ハンドルネーム いろいろ。
あやかし(姫)@~。ほにゃらら・・・おばちゃん( 秘かに生息 )。  

降り注ぐ 光と愛は・・・

2009-02-08 07:52:37 | IN THE HOSPITAL
5日 Sちゃんの施設に出かけた。
I ちゃんと行く約束だったけれど、土壇場で駄目になった。ドタキャンになったのはこれで2回目。
I ちゃんは、先日心臓の検査をした。その結果待ちなので、Sちゃんの施設にいくことはやっぱりよした方がいい。という看護婦さんの判断だった。

「 あのね、やっぱり 行けなくなりました。・・・。」
そのことだけを伝えるために、病院から I ちゃんはバスを使わずに徒歩で待ち合わせの駅の改札口に来てくれた。

二人でマックに入る。。。

迷ったけれど、S ちゃんの施設に一人で出かけることにした。電車を乗り継ぐ。

今回は、S ちゃんに会う前に、施設の方にいろいろとお尋ねすることにした。そのとき、一番困るのがワタシが何者であるか?ということを説明しなくてはいけないということ。嘘はつかないのが信条。
友達 と言いたいところだけれど、その言葉はあまりプラス方向には働かない。
姫「そうですね、ボランティアみたいな感じですかね?」なんとなくファジーな感じで伝える。

Sちゃんは一体どこが悪くて手術をしたのかさえもワタシは知らないんだ。
看護婦さんははじめは訝しむような所もあったけれど、S ちゃんのこれまでの様々な経過を丁寧に教えてくれた。しかしながら、看護婦さん達自身もSちゃんの詳しい様子は、実はよくわかっていない。
Sちゃんはどうやら前の施設で手に負えなくて、こちらに回されたらしい。

ここにきてSちゃんが一番不満に感じていることは、お買いものに出かけ、好きなものを買えないことのようだ。以前も彼女の楽しみの一つはお買いものであったわけで、いつも両手にかかえきれないほどのお買いものをしていたのだ。

何を買うことができて何はいけないのか?何を食べることができて何は食べてはいけないのか?お小遣いはいくらになったのか?何もわからないまま、三人の別々の係の人に少しづつお尋ねする。こちらでは、係によって、各々の守備範囲が異なる。トータル的ではない。担当の人がいるわけでもない。皆が様子を知っているというわけではない。何より ここの施設自体まだ日が浅いのだ。

この日、お買いものに出かけて、洗剤とティッシュを買いたいと外出を楽しみにしていたSちゃんだったけれど、こちらではお洗濯はみな係の方がやってくれる。だから洗剤も必要ない。当然お金も不必要になるわけで、そのことを告げられるとSちゃんは怒ってお部屋に入ってしまった。
S「 ●●さん 帰って!」

怒ってしまうと手がつけられなくなる。これで二回目。前回は遠いあの日、あろうことか、面会にでかけた折、病院内で二人は大げんかをしたんだ。あとで婦長さんに謝ったら、「 自分だって、これが仕事でなければ、とっくに見捨てています。」という言葉に驚いたけれど・・・。

あの時、S ちゃんはワタシが先に、婦長さんに会ったことで、何か告げ口をされたと思って怒りだしたんだ。
今回も施設での決まり事をしっかり聞いておかなくては、御世話をしてくださるみなさんにご迷惑がかかる。そう思って先に密かにお聞きすることにしたんだ。

ここは施設だから、鉄格子も鍵もない、エレベーターも完備している。エレベーターのボタンが押せれば自由に施設内を移動もできる。お部屋は南に面しているからとっても明るい。空をながめることが出来るし、風も感じることができる。Sちゃんはやっと自由を手にしたんだ。

しかしながら、

それと同時に、不自由になったことがある。

年をとったものが、生活の拠点を点てんと変えるということは大変なことだと思う。相当にストレスもかかることだろう。新たな病気だって加わったわけだし・・・。
今まで与えられていた自由、例えば、自分のお洗濯ものを自分で洗う。おやつを自分の裁量で買って食べることができる。( 病院にいたときは、これが禍いして、頭にきたときは食事を食べないで、おかしを食べる。といったこともあったらしい。)

S「 お買いものできないんだったら、楽しくないから行かない。 帰って!。」・・・。
< お金では 買えないもの >
折角、こんな遠いところまでやってきた訳だし、このまま帰っては、次に面会にきたときまで、この「気」を引きずってしまう。あれこれ考えた。

姫「 そうだ、お花を植えようよ。こ~~んな小さな種を植えても、どんどん大きくなって、葉っぱが出て、お花さんが、『 おはよう!元気? 』って声をかけてくれるんだよ。落ち込んでるときだって、『 どうしたの?元気無いね。』って声かけてくれるんだよ。」

Sちゃんを励ます っていうこともあったけれど、自分が自分を励ましているような気持ちになった。( お花さんは、いつだって 応えてくれるよね。)
Sちゃん目を輝かして、『 ほんとう 』 
 『 ほんとうよ。』
何とか気持ちを切り替えて、外出することになった。近くの神社。Sちゃんはキリスト教者だけれどおかまいなくお賽銭なしで、柏手を打って祈る。元気になりますように・・・。
( いいんだ、元々は日本人なんだし、日本の神様拝んだくらいでキリストは怒らない。キリストはそんなこころの狭い人じゃあない。)
Sちゃんの歩行は以前のようではなくなった。困難というほどではないが、足が弱っているのがわかる。
この神社にくるのだって、聞けば車いすだったらしい。( けがをさせないように・・・。)慎重に歩を進める。
写真をとる。ピースをしてにっこりする。(よかった~。)
< 帰路 >
よかった、やっぱりこころは弾む。
今度は家族のために気持ちを切り替える。
いつもは出かけないお店にでかける。300円ちょっとのすずき発見。解体作業は自分でやってみよう。( よし!そのちゃん(=木馬のそのさん)するんだ!)

お店を梯子して、お買いもの。安かろう悪かろうに引っかからないようにね。
露地裏に、農家のおばちゃんたちが出しているお店がある。100円の小さなふさの束のブロッコリー。ちょっと高いけれど、新鮮でおいしいそうなトマト こちらは5個で500円。

すずきは、スライスにんにくを使ってバター風味でソテーした。とてもおいしいとの評判をとった。(だろ?)とうちゃんは、嫌いな魚だっただけれど二切れも食べた。にんにくを食べすぎ! と言ってマンマミーヤに怒られていた。

この日、体は大層疲れたし、神経も使って疲れたが、なんだか弾んだ自分がいた。

>写真はセザンヌの「 布の上のりんご 」
 光を表わすのに 赤と黄色を使う。そこに 空の青い色を使わなければ 自然のものは描けない。というような言葉がかいてあった。

絵のことはわからないけれど、花だって、動物だって、人間だって 空の青、山の緑、そしてそこに降り注ぐ光をみること、感じることがができなくなったら、こころは荒んでいくのだろうな、と思った。





コメント (4)
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