英ウォーリック大学が公開した、巨大惑星「NGTS-1b」(左)と主星の想像図(2017年10月31日公開)。【翻訳編集】 AFPBB News
見つかった惑星は、太陽の半分くらいの小さい恒星の周りを回っており、惑星の大きさは恒星の半径の4分の一で、恒星と惑星の大きさが近く、これほど小型の恒星の周囲では、木星のような巨大惑星が形成されることはないというのが長年の定説だったが、今回のガス状巨大惑星の存在はこの説を揺るがすものだ。
惑星は、銀河で発生する大規模な爆発の名残のガスと塵(ちり)が集まって新しい星ができ、その星の周りを残りの物質が円盤状に回転・凝集して塊となると考えられている。
今回の発見は12台の望遠鏡を連動させる干渉計を用いて走査観測を行い、恒星が発する光の減光を見つける。この減光は地球から見て、恒星の前を惑星が横切っていることを示している。
英国王立天文学会月報(Monthly Notices of the Royal Astronomical Society)への掲載が予定されている論文の主執筆者で、英ウォーリック大学(University of Warwick)のダニエル・ベイリス(Daniel Bayliss)氏は、AFPの取材に「NGTS-1bは半径が主星の4分の1ほどあり、主星との比較で見ると非常に大きい。それに比べて木星の半径は太陽の10分の1ほどしかない」と語った。
研究チームは、NGTS-1bの大きさや位置、質量などを調べるために、この巨大惑星の重力の影響で主星がどの程度「揺らぎ」を起こしているかを測定した。
その結果、NGTS-1bが主星に非常に近い軌道を公転していることが分かった。軌道距離は地球と太陽の間の距離のわずか3%で、公転周期は2.6日。これは「NGTS-1bの1年の長さが地球の2日半に相当する」とされた。
NGTS-1は、宇宙に最も多く存在する恒星のM型矮星(わいせい)に分類される。このことは、予想外の巨大ガス状惑星がさらに多く見つかる可能性があることを意味していると、研究チームは指摘した。【AFPBB News】
12台の望遠鏡による干渉計を用いての観測結果であることは、近年の天文学上の発見は、艦測位技術の進展によるものと断定できる。