先端技術とその周辺

ITなどの先端技術サーベイとそれを支える諸問題について思う事をつづっています。

マイクロプラスチックは海、土壌、生物を予想以上に汚染している

2020年09月20日 11時46分19秒 | 日記
 
 
 
1192の島々からなるモルディブ諸島の一部を空からとらえた。この小さな島国の砂浜や沿岸の海域には、世界で最多水準のマイクロプラスチックがある。(PHOTOGRAPH COURTESY EUROPEAN SPACE AGENCY)
 

 インド洋のモルディブ諸島には、1192の島がある。1992年、政府は、もうひとつの島を追加した。毎日500トンのごみを処分する埋め立て地として建造された人工島だ。

 どこであれ、島の生活には避けられない2つの特性がある。消費財の大半が島の外から運びこまれること、そしてごみの大半が観光客によって生み出されることだ。モルディブでは、この2点が特に際立っている。

 開発途上国であるモルディブに、国内の製造業はほとんど存在しない。政府の統計によれば、観光客1人が1日に出すごみの量は、首都マレの市民1人1日当たりのごみ排出量の2倍、他の200の島の住民の5倍に相当する。その結果、2019年、この小さな島国は、適正に処分されていないごみの1人当たりの量が世界4位になった。

 そして今回、オーストラリア、フリンダース大学の海洋科学者たちによる調査研究で、モルディブのごみの恐ろしい現実を裏付ける統計が加わった。生物多様性に富む海域として有名なこの島々の砂浜や海岸近くの水域に、世界最高レベルのマイクロプラスチックが含まれているというのだ。

 人口が多いナイファル島の22の地点で、フリンダース大学のチームは、海岸の砂やサンゴ礁がある浅い水域から多くのマイクロプラスチックを発見した。その量もさることながら、さらに心配な発見もあった。粒子の大半が、一帯にすむ海洋生物たちが食べる餌と同じ大きさだったのだ。

 これは好ましいニュースではない。この海洋生態系には、1100種以上の魚に加え、端脚類からクジラまで900種以上の生物が暮らしている。170種もの鳥たちもやってくる。調査チームは71匹のモンガラカワハギを採集、そのすべての胃から、1匹あたり平均8本の繊維状プラスチックを発見した。

ハワイ沖で採集したサンプルに含まれるプラスチック粒子。(PHOTOGRAPH BY DAVID LIITTSCHWAGER, NAT GEO IMAGE COLLECTION)
 

 調査結果は、8月2日付けで学術誌「Science of the Total Environment」に発表された。

「マイクロプラスチックのサイズは非常に重要です。とても小さな魚や無脊椎動物がマイクロプラスチックを体内に取りこみ、次に、より大きな魚がそれを食べるからです」と、フリンダース大学の保全生物学者で論文の著者の一人であるカレン・バーク・ダ・シルバ氏は説明する。

マイクロプラスチックの流れを追う

「どうすればプラスチック汚染を減らせるのか、それを理解するためには、その流れを知る必要があります」と、カナダのトロント大学の海洋生態学者、チェルシー・ロッシュマン氏は言う。

「プラスチック汚染の存在を知るだけでなく、これからは、プラスチックが集まりやすいホットスポットに移動する速さや、生態系を移動する間にプラスチックがどう変化するかを、把握しなければなりません」


GMのEVシフト鮮明、テスラ1強に変化も

2020年09月20日 11時31分23秒 | 日記

日経によると、『GMのEVシフト鮮明 新興に出資、テスラ1強に変化も』とのこと。ホンダとの連携もEV戦略の一環という。地球温暖化の原因の一つにガソリン。ディーゼル車の排気ガスがあるのに、自動車メーカーは、、我関せずと石化エンジン車のみをうってきた。やっとそのことが変わるだろう。日本のメーカーはどういう対応をするのだろうか?

【ニューヨーク=中山修志】米ゼネラル・モーターズ(GM)が8日、電気自動車(EV)の新興メーカー、米ニコラとの資本提携を発表した。ニコラの株式の11%を取得し、同社が開発中のEVの生産やバッテリーの供給を受託する。GMはホンダとの提携拡大を機にガソリン車の開発に見切りをつける。EVシフトを鮮明にすることで、この分野でのテスラ1強の構図が崩れる可能性がある。

GMのバーラCEOはホンダやニコラとの提携でEVの量産体制を敷く

GMのバーラCEOはホンダやニコラとの提携でEVの量産体制を敷く

 

ニコラは2015年創業の新興企業で、22年にも独自開発のEVと燃料電池車(FCV)のピックアップトラックを発売する計画だ。GMは試作車の設計や車両の生産、バッテリーの供給を請け負う。一方で同社株の11%を取得し、取締役も派遣する。

■「電動車両の生産規模拡大」

GMのメアリー・バーラ最高経営責任者(CEO)は声明で「電動車両の生産規模を拡大してバッテリーや燃料電池の収益性を高める」と述べ、提携による量産効果を強調した。同社は3日にホンダとの提携をガソリン車にも広げると発表したばかりだ。当座必要なガソリンエンジンはホンダから調達し、電動車両の開発に集中する。

GMは独オペルを17年に売却して欧州事業から撤退し、16年に達成した「1000万台クラブ」の座を自ら手放した。メーカー各社がしのぎを削るインドやタイからも撤退し、19年の世界販売は771万台と最盛期の16年の8割に満たない。

GMは規模こそトヨタ自動車や独フォルクスワーゲン(VW)に肩を並べていたが、部品の共通化やコスト低減の取り組みが甘く、利益面では水をあけられてきた。バーラCEOは現在の主戦場であるガソリン車の競争をあきらめ、「GMが優位な立場にある」と自任するEVに目線を切り替えた。

■切り札は「アルティウム」

思い切ったEVシフトは、開発中の新型EVバッテリー「アルティウム」の実用化にめどが立ったことが要因だ。バッテリーの主要部品である大容量セルを韓国LG化学と共同開発し、50~200キロワット時まで容量を柔軟に組み替えられる新設計を採用した。生産コストを現在の7割以下に低減できるという。

4月に発表したホンダとのEVの共同開発や、今回のニコラとの提携もアルティウムの存在が決め手になった。GMは21年秋にアルティウムを初搭載した「ハマー」の多目的スポーツ車(SUV)を発売し、23年までに20種類のEVを投入する計画だ。

■ホンダが後ろ盾、テスラ追う

自動車業界ではEV専業の米テスラが7月に時価総額でトヨタを抜いて首位になった。テスラの世界販売台数は19年に37万台弱とGMの5%に満たないが、EV市場で圧倒的な競争力を誇る。

GMとニコラが提携を発表した8日、テスラの株価は21%安と過去最大の下げ幅となった。ニコラが41%高、GMが8%高と急伸したのとは対照的だ。GMは25年ごろまでに北米と中国で年間100万台のEVを販売する目標を掲げる。ホンダの後ろ盾を得たGMのEVシフトにより、テスラ1強の構図が崩れる可能性がある。