マスコミが一斉に、小型衛星群で、極超音速兵器(HGV)で撃退するために、小型人工衛星3基の打ち上げ費用約600億円を、捻出する方向という。元の予算は、11月19日に決定した経済対策で、経済安全保障の強化に向け、宇宙など先端科学技術の研究開発に5000億円規模の基金創設。問題は、多数の小型衛星を使っていろいろな機能を担わせるという、衛星コンステレーション(衛星星座)の計画は10年も前からNASAとかSpaceXやOneWeb などで練られていて、2018年には実験衛星複数が打ち上げられている。
また、防衛についても、2019年3月に設立された米軍のた宇宙開発庁(SDA:Space Development Agency)が、作成した「国家防衛宇宙体系(National Defense Space Architecture)」の最大1200基もの人工衛星で構成するシステムは、複数の層の衛星コンステレーションを作り、中国やロシアの極超音速兵器(音速の5倍での飛行が可能)を使った攻撃を防御するもの。予算案は110億ドルという。日本の衛星コンステレーションは、夢の中の夢。
日本のHGV対策は、まずは3基の小型人工衛星システムである。日経、産経、毎日などの記事をまとめると以下のようなもの。
小型衛星による観測網は、「衛星コンステレーション(星座)」と呼ばれる。小型衛星は1基の重さが100~500キロ・グラム程度で、高度400キロ・メートル前後の低高度周回軌道に打ち上げる。センサーやカメラなどを搭載し、地上や海上などの情報を収集する。
多数を連動させることで、従来よりも情報収集力が向上し、30基以上打ち上げれば、数時間以内に世界のどの場所でも撮影したり、観測したりできる。情報収集衛星など、従来の衛星より1基当たりのコストが安く、民間企業も開発を活発化させている。
実証試験では、衛星間の通信や情報処理が機能するかどうかを確認する。試験の状況なども踏まえ、さらに基数を増やす計画だ。政府は、観測網の構築で植生分布や火山や地震など自然災害の状況把握のほか、海上の不審船の監視に役立てる考えだ。
安全保障面では、HGV監視への活用が見込まれている。HGVは音速の5倍以上で低空を変則的な軌道で飛行する。放物線を描いて軌道が予想しやすい通常の弾道ミサイルと異なり、大気圏内をはうように動くため、地上のレーダーでは探知や追尾が難しく、迎撃がより困難だ。衛星の観測網であれば、宇宙からHGVの動きを捉えることができるとされる。