11月24日午前1時、NASAが、カルフォルニアのバンデンバーグ宇宙基地より、小惑星軌道修正実験に成功したとNASAが発表している。DARTなるプロジェクトでとりあえず、連星系の2つの小惑星の好転している方の小惑星を狙ったという。それゆえ、DARTの名称が「Double Asteroid Redirection Test(二重小惑星方向転換試験)」からきているとのこと。
二重小惑星を構成する2つの小惑星の片方である「ディモルフォス(Dimorphos)」に衝突させる目的で開発されている。DARTがぶつかる衝撃により、ディモルフォスの速度は毎秒約1ミリメートル、つまり時速3.6メートル変化する予定だ。ディモルフォスは地球と衝突する軌道にある小惑星ではないが、将来、地球に衝突する可能性のある小惑星が発見されたときに、その小惑星の軌道を変更できる能力を実証することがDARTの目的だ。
DART宇宙船を搭載したスペースXのロケット「ファルコン9」は、テスラを率いるイーロン マスク社長の会社で、宇宙開発でも大成功を収めつつあることを示すものですごい! ロケットのブースターは帰還して地上に垂直着陸し、再利用できる。巨額の費用が掛かると思われた宇宙旅行が、ロケットのブースターの再利用ができて、安易に宇宙開発が出来るようにした一歩であるのも素晴らしい。
小惑星の軌道を変えさせる技術が試されるのは、同宇宙船が目的の場所に到達する2022年9月。地球近傍天体「ディディモス」を周回する衛星「ディモーフォス」をターゲットとして、小惑星軌道変更の実証実験を実施する。NASAが地球防衛の目的で本格的な実証実験を行うのは初めて。
衝突前のイメージ/Steve Gribben/Johns Hopkins APL/NASA
ディディモスとディモーフォスは22年9月、地球から約1100万キロの距離まで接近する。このタイミングをとらえて、宇宙船を時速2万4140キロの速度でディモーフォスに衝突させる計画。
ディモーフォスの探知と衝突には、宇宙船に搭載したDRACOと呼ばれるカメラと、自律式ナビゲーションソフトウェアを利用する。
実験の目的は、宇宙船を意図的にディモーフォスに衝突させて、宇宙空間での動きを変えさせることにある。衝突の様子はイタリア宇宙局が提供する超小型人工衛星キューブサットで記録する。