先端技術とその周辺

ITなどの先端技術サーベイとそれを支える諸問題について思う事をつづっています。

地球温暖化は+4.8℃へまっしぐら!?

2020年08月05日 11時47分58秒 | 日記

ニューズウィークが、アメリカの科学者も、国連のIPCC(気候変動に関する政府間パネル)が提示した21世紀を通じて温室効果ガスの排出量が増え続けるとする「RCP8.5シナリオ」が妥当とする記事を載せている。日本のマスコミは近年の異常気象は、数十年に一回起きるか起きないくらいの異常気象というが、この数年来続く、梅雨時の線状降水帯なんてのは、勝ってない現象でそれが毎年、強くなっていて、数十年間にない現象というのは間違っている。政治家が地球温暖化を無視し続けた結果で、これから、異常気象は規模が大きくなるのは明らか。どうやって災害から身を守る? その手立てはない!と思う。

 

地球温暖化は+4.8℃の最悪シナリオへまっしぐら?

温室効果ガスの排出量はRCP8.5とほぼ一致 Ekaterina_Simonova-iStock

<科学界でも否定的な見方があるIPCCの「最悪の想定」が短期的には最も正確な予想だと米科学者らが主張>

米科学者らは8月3日、米国科学アカデミー紀要に新たな研究報告を発表。気候変動が地球にもたらすリスクについて、国連のIPCC(気候変動に関する政府間パネル)が提示した「最悪のシナリオ」が、今後30年のリスクを最も正確に評価しているとの見解を示した。21世紀を通じて温室効果ガスの排出量が増え続けると想定するIPCCの「RCP8.5シナリオ」のことだ。

ウッズホール研究所(マサチューセッツ州)のクリストファー・シュワルム率いる研究チームが発表した報告は、温室効果ガスの排出量を(特に短期間にわたって)追跡する上で、「RCP8.5シナリオ」が重要な意味を持つ理由を説明している。

IPCCは、温室効果ガスの排出量とそれを削減するための対策について、複数のパターンに基づく気候変動の予測シナリオを提示。それが代表的濃度経路(RCP)と呼ばれるシナリオだ。このうち最も楽観的な「RCP1.9シナリオ」は、2100年までの地球の平均気温の上昇を、産業革命の前と比べて1.5℃未満に抑えることを目指す内容だった。RCP8.5シナリオは最悪のケースを想定した内容で、2100年までに地球の平均気温が2.6℃~4.8℃上昇すると見込んでいる。

否定するのは「偏った考え方」

研究チームはRCP8.5シナリオについて、最近では否定的な見方もあり、科学者の中にも「人騒がせ」で「人々を誤った方向に導く」シナリオだと指摘する声があると説明している。1月に科学誌ネイチャーに掲載された解説記事は、同シナリオについて「起こる可能性が低い最悪の想定」と捉えるべきだと主張した。ブレークスルー研究所(カリフォルニア州)の気候およびエネルギー問題担当ディレクターであるゼキ・ハウスファーザーは、当時BBCに対して、同シナリオが作成された2005年以降、状況は大きく変わっていると語っていた。「当時、現実になる可能性が10%に満たないとされた最悪の想定は、今ではきわめて可能性が低い想定だ」

だがシュワルムと同僚の科学者たちは、RCP8.5シナリオを否定することは「残念なだけでなく、偏った考え方だ」と主張する。報告書の中で彼らは、現在の二酸化炭素の累積排出量の実態とRCP8.5シナリオの誤差は1%未満だと指摘。また2050年までに気候変動によってもたらされるリスクを評価する上でも、実態やこれまでに表明されている政策と「最も合致した」正確なシナリオがRCP8.5だと説明した。

研究チームは、RCP8.5は短期的な気候を評価する上で重要なシナリオであり、「起こりそうもない事象」として否定すべきではないと主張。シュワルムは、ネイチャーの解説記事はシナリオの組み立て方法に焦点を当てた内容だが、「私たちは今ここにある現実の気候リスクを懸念している」と述べた。

気候変動に関する多くの予測モデルは、2100年の気候がどうなっているかに焦点を当てたものだ。シュワルムと同僚の科学者たちは、そこまで先に焦点を当てる考え方は必ずしも有益ではないと主張。さまざまな社会的決定を下していくためには、より短期的なアプローチの方が有益だと指摘した。

<iframe id="R9J17EP" width="0" height="0" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no" allowfullscreen=""></iframe>「2100年は今から80年後だ」と彼は述べた。「1940年当時の若者に、2020年のことが予想できただろうか。30年後の予想の方が、まだ現実味がある」

シュワルムは、2100年までにRCP8.5シナリオの想定が現実になっていることはないだろうと「用心しつつも楽観的な見方」をしていると語った。それでも、RCP8.5シナリオを否定することは間違いだと研究チームは主張する。「2005年から2020年までの合意やRCP8.5シナリオの二酸化炭素累積排出量、現在の各国の政策と同シナリオが想定する2050年までの二酸化炭素排出量予測は一致する。それを考えると、気候変動の影響やリスクを考える上で、RCP8.5シナリオが最も役に立つ。もしもRCP8.5シナリオがなかったら、私たちが同様のものを作成していただろう」


レバノンの大爆発!

2020年08月05日 10時49分51秒 | 日記
 

 

マスコミが一斉にレバノンの首都ベイルートで数千人が負傷するという大爆発が起きたと報じていて、すわ、第3次中東戦争かと思ったが、港湾の化学製品を管理する倉庫での大爆発とのこと。ただ、その化学製品は、爆弾材料だったかも。幸いにして大事故で、テロとか攻撃ではなさそうであるが、マスコミが掲載している写真や地図、人工衛星によるものだが、驚くほど緻密になっていて、ミサイル攻撃などはピンポイントで狙えるようになっていると思うと、空恐ろしくなる。下図は、ベイルート港周辺の航空写真。

合わせて中東の地図を見ると、小さな領域にレバノン、シリア、イスラエル、イラクが密接しているのは改めて驚く。

以下、ロイターの記事:::::::::::::::::::::::::::::::::

[ベイルート 4日 ロイター] - レバノンの首都ベイルート中心部に近い港湾地区の倉庫で4日、大規模な爆発が発生し、当局によると78人が死亡したほか、4000人近い負傷者が出た。衝撃波で窓ガラスが砕け散り、建物は倒壊、首都全体に振動が伝わった。

死者はさらに増える見通しで、爆発現場ではがれきの中から生存者を救出したり、死者を捜索する作業が続いている。

アウン大統領は、2750トンの硝酸アンモニウムが安全対策を取らずに6年間、同港湾地区に保管されていたとし、「容認できない」と述た。また、5日に緊急閣議を招集、2週間の非常事態を宣言すべきだと表明した。

 

ソーシャルメディア上に掲載された映像には、現場付近から巨大な煙が立ち上る様子が映っている。

爆発から数時間後も、港湾地区では炎が上がっている。

当局者らは爆発につながった最初の火災の原因に言及しなかった。治安当局者や現地メディアによると、倉庫に空いた穴の溶接作業が原因とみられる。

ハサン保健相は「多くの人が行方不明となっている。停電が起き、夜の捜索が難しい状況だ」と述べた。

同相は「われわれは大惨事に直面しており、被害の全容を把握するには時間が必要だ」とした。

ディアブ首相はテレビ演説で「関与した者に代償を払わせる」とし、爆発した倉庫の保管品についても詳細を明らかにすると述べた。

 
 
 
レバノンの首都ベイルート中心部に近い港湾地区の倉庫で4日、大規模な爆発が発生し、治安当局によると50人以上が死亡したほか、負傷者も2750人を超えた(2020年 ロイター/MOHAMED AZAKIR)

レバノンと対立関係にあるイスラエルは爆発への関与を否定。人道支援や医療支援を提供する用意があると表明した。

レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラを支援するイランや、サウジアラビアも支援を申し出た。

米国、英国、フランスなど西側諸国も支援の用意があると表明している。

レバノン首都で大規模爆発、78人死亡 4000人近く負傷


中国軍,尖閣領海侵入時にミサイル艇展開!

2020年08月02日 11時25分13秒 | 日記

 

Yahoo が、産経新聞の『尖閣領海侵入時にミサイル艇展開 中国軍が海警局と連動』という記事を掲載していた。中国は東シナ海、南シナ海の領土拡大を狙っているのは明らか。 この2つの海は海底資源が豊富といわれており、1947年に中国が勝手に設定した九段線もアジア諸国の国際裁判上告で国際法違法と去れているにも拘らず、自国領土と主張し、近年は、駆逐艦、戦艦やステルス戦闘機までをくりだし、侵犯活動を強めている。菅・安倍ラインは遺憾とだけ遠吠えのみ。せめて退陣前に最後で唯一の良い仕事をしてくれ!
 

尖閣諸島を含む東シナ海上空。手前から南小島、北小島、魚釣島が見えた=沖縄・尖閣諸島、2011年10月13日(鈴木健児撮影)

  

 中国海警局の巡視船が尖閣諸島(沖縄県石垣市)の領海に侵入する際、中国海軍のミサイル艇が巡視船に連動して台湾付近に展開していることが1日、分かった。4月14日から今月1日まで110日連続で巡視船が尖閣周辺を航行した期間にも同様の動きがあり、中国本土ではミサイル部隊が展開していることも判明。不測の事態に備え、周辺海域を警戒する海上自衛隊の護衛艦を牽制(けんせい)する狙いがあるとみられる。複数の政府関係者が明らかにした。 【図】尖閣諸島領海侵入時の中国軍の動き  政府関係者によると、ミサイル艇は中国海軍の東海艦隊(司令部・浙江省寧波市)所属とみられ、海警局の巡視船が領海侵入するのに合わせて航行。通常の軍艦に記されている艦番号がなく、小型で海洋迷彩の塗装が施されている。  これと同時に中国本土では移動式発射台に搭載された地対艦ミサイルが展開している。政府関係者は「領海侵入時になると、普段はいないところに地対艦ミサイルがいる」と説明する。  一連の動きは2018年ごろから顕著になったという。中国政府は同年7月、海警局を軍の指導機関に当たる中央軍事委員会傘下の人民武装警察部隊に編入した。ミサイル艇や地対艦ミサイルの展開は、複数の軍種と海警局が一体的な指揮のもとで統合運用されている可能性を示すものだ。  海警局は巡視船の大型化を進めており、軍艦並みの機関砲を搭載した1万2千トン級も配備。防衛省は中国海軍の艦艇を改修した巡視船も配備されていると分析している。  ミサイル艇が展開するようになる以前から中国軍艦艇の動きはあった。海警局の巡視船が尖閣諸島周辺を航行する際は海軍のフリゲート艦や駆逐艦が周辺海域に展開している。  ただ、フリゲート艦などは尖閣諸島から約90キロ北東の北緯27度線以北を航行しており、27度線を越えて南下するのは例外的な動きにとどまっている。海自護衛艦は27度線以南の海域に展開しており、日本側の動きを観察するためとみられている。これに対し、ミサイル艇は基本的に27度線以南の海域を航行している。  尖閣諸島をめぐっては昨年7月23日、中国、ロシア両軍の爆撃機が編隊飛行で27度線の上空まで尖閣諸島に迫る動きを見せている。同日も海上では中国公船4隻が尖閣諸島周辺の接続水域を航行していた。


ソフトバンク、ARM売却交渉している?

2020年08月01日 13時16分44秒 | 日記
幾つかの経済サイトが『ソフトバンクG、英アーム売却で米エヌビディアと交渉』と報じている。NVIDIAは画像処理プロセッサーで独壇場であるが、その複雑な処理でAIプロセッサーで期待され株価時価総額がインテルを抜いたのも話題になっている。加えて、IoTや、スマホCPUで勢いのあるARMを吸収すれば、CPU 世界の勢力図が一挙に変わるのではとおもったが、事はそう短兵急には進まない。というのもインテルの売上は8兆円、NVIDIAは2兆円、ARMはライセンス商売なので、2千億円。然もRISCアーキテクチャーも、RISC-VなるInstructionSetArchitecture をオープンで開発しているものが人気を集めており、ARMの存在価値が薄れ始めているのではなかろうか? ソフトバンクはARMを3兆3千億で買収しており、今回は4兆5千億で売りたいというが、複雑な画像やAIプロセッサーを開発しているNVIDIAにとって、ARMに兆円という投資をすることはないのではと思える。
 
 

 

以下、日経の記事から::::::::::::::::::::::::::::::

(SBG)が傘下の英半導体設計大手アーム売却を巡り、米半導体大手エヌビディアと交渉入りしたことが31日分かった。投資先の企業価値低迷で財務改善に取り組むSBGは資産売却を進めている。半導体設計で高いシェアを持つアームを手放せば、人工知能(AI)時代を見据えたSBGの戦略は転換を迫られる。

 

 

エヌビディアとの交渉は初期段階とみられ、最終的にまとまるかは不透明だ。SBGはアーム株について新規株式公開(IPO)を通じた売却の可能性も探っており、同時並行で複数の選択肢を検討しているようだ。

SBGは自社株買いと負債圧縮のための4.5兆円の資産売却計画を進めている。これまでに国内通信子会社ソフトバンクや米通信大手TモバイルUSの株式一部売却などを発表し、孫正義会長兼社長は6月下旬に「(資産売却の)8割を3カ月でやり遂げた」と話していた。既に3兆円を超える資産を現金化しており、最終的な売却規模は4.5兆円を超える可能性が高い。

エヌビディアはAI向け半導体が堅調で、足元の時価総額は2610億ドル(約27兆円)と老舗の同業米インテルを上回る。エヌビディアにとってアームの技術は魅力的で、半導体大手としての競争力を高める狙いがあるとみられる。

SBGは2016年、当時上場企業だったアームを3兆円超で買収して100%子会社にした。モバイル機器向けプロセッサーの中核を担う「コア」の設計情報で世界シェアの9割超を握るアームの買収は、孫氏の念願だった。ファンドによる投資先と同様、企業価値を高めた上での上場を視野に入れていた。


南シナ海でやりたい放題の中国、ベトナムいじめが止まらない

2020年08月01日 12時25分38秒 | 日記

 

ニューズウィークが、中国の暴挙を載せていた。『南シナ海でやりたい放題の中国、ベトナムいじめが止まらない』なる記事で。九段線なるものを勝手に海図に書き込んでその舌上の海洋域(南沙諸島、西沙諸島)、は中国領土と宣言するものは無法者としか言いようがい。この海域にはいろいろな海底資源が豊富で、ベトナムだけでなくフィリッピン、インドネシアなどが諸外国と協力して開発をやっている場所で、中国が色々難癖をつけ妨害していると。

 
以下、ニューズウィークの記事::::::::::::::::::::::::::::::
 

中国海警局の船から放水を浴びるベトナムの船舶(2014年5月、ベトナム沖) VIETNAM COAST GUARD-AP/アフロ

<中国が本格化させる海洋資源開発つぶしでベトナムが莫大な補償金を負担させられている>

中国は、南シナ海に人工島を造成したり、軍事施設を建設するなどして、広大な海域の実効支配を進めてきた。沿岸国が進める海洋資源開発プロジェクトも、あの手この手で中止に追い込んできた。そのせいでベトナムは、莫大な補償金を支払う羽目にまで陥っている。

業界関係筋によると、国営石油最大手ペトロベトナムは中断していた資源開発プロジェクトの終了に伴い、事業パートナーであるスペインのエネルギー大手レプソルとアラブ首長国連邦(UAE)のムバダラ・デベロップメントに計10億ドルもの補償金を支払うことになったという。<iframe id="RM0IVXP" width="0" height="0" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no" allowfullscreen=""></iframe>

中国による嫌がらせは現在も続いている。7月にも中国海警局の船が、ベトナム沖合の資源開発エリアで威嚇的な航行を繰り返していることが報告された。さらに米海軍と中国海軍がほぼ同時期に軍事演習を行うなど、南シナ海の緊張は高まる一方だ。

レプソルはかつて、ベトナム沖合のエネルギー開発で最大のプレーヤーで、13もの鉱区の開発権を持っていた。中国にほとんど権益を持たない同社は、中国政府の圧力を恐れることなくベトナム事業を進められるかに見えた。

しかし、その中でも最大のプロジェクト2件は、ベトナムの排他的経済水域(EEZ)の東端に位置し、1947年に中国が引いた「領海線」である九段線に食い込んでいた。それを中国が黙って見ているはずはなかった。海南島沖に40隻もの海軍艇を集め、ベトナムに開発断念を迫ったのだ。

ペトロベトナムは2017年と18年、2件の開発プロジェクトの堀削を相次ぎ中止するようレプソルに要請した。中国からの強力な圧力を受け、ベトナムの最高指導部が下した政治的な決断だと、レプソル幹部は説明を受けたという。

その政治的決断は、ベトナムに大きな代償をもたらしたようだ。業界関係筋によると、ベトナムはレプソルとムバダラに、2つの鉱区の開発権8億ドルと、両社がプロジェクトに投資した2億ドルを補償することに合意したらしい。

レプソルの2019年の決算書には、ベトナムとアルジェリア、パプアニューギニアにおける開発プロジェクトの損失引当金として計7億8600万ユーロが積まれている。ベトナム事業のみの損失は記載されていないが、関係子会社3社の簿価は計5億8600万ユーロとされている。

ロシアも脅しの標的に

今年6月、レプソルは2つの鉱区から正式に撤退する声明を発表した。「業績に大きな影響はない」との一文は、ベトナム政府から納得のいく補償が得られることになったと読み替えてよさそうだ。

だが、ベトナム政府の負担はそれでは終わらないかもしれない。商都ホーチミンに近いブンタウ港近くには、石油掘削装置(リグ)が2カ月間放置されている。所有者の英ノーブルは、開発契約には「契約打ち切り料が定められている」というから、この事案でもベトナムは数百万ドルの補償を強いられそうだ。

このリグは、ロシア最大の石油会社ロスネフチの鉱区で使われるはずだった。レプソルの鉱区のすぐ北側で、やはり九段線に食い込んでいる。

 
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この辺りはエネルギー資源が豊富なナムコンソン海盆と呼ばれ、ロスネフチは18年前から生産活動を続けてきた。さすがの中国も、ロスネフチの邪魔をしてロシア政府を敵に回したくないのだろうと、多くの専門家は考えてきた。

ところが今回、新たにもっと深い油井を掘って、生産活動を開始しようとしたところ、中国の示威行為が始まった。7月初旬にも中国海警局の船が近くを「挑発的に」航行していることが確認されている。今や中国は、ロシアを脅すことにさえ抵抗を感じなくなったようだ。

この海域には、日本企業が関わる開発計画もある。出光興産と国際石油開発帝石がペトロベトナムと組んで開発を進めるサオバン・ダイグエットガス田は、九段線をまたぐように位置する。

両社は既に探鉱・開発作業を終えているが、ガスの抽出施設はまだ設置されていない。出光は「2020年後半の生産開始を目指して、開発作業を進めて」いると言うだけで、プロジェクトの進捗状況について基本的に口を閉ざしている。これは帝石が抱えているトラブルも関係しているのかもしれない。

アメリカは頼りになるか

同社は同ガス田に持つ権益をめぐり、シンガポールに拠点を置くジェイドストーン・エナジーから商事仲裁を申し立てられている。ジェイドストーン側は、4年前に帝石からこの鉱区の開発権を購入する契約を結んだのに、帝石側が一方的に取りやめを通告してきたと主張している。

帝石が突然翻意した背景には、日本政府の意向が働いているのではとの見方がある。ガス田の位置ゆえに、中国から何らかの脅しを受けたとき、関係企業を日本勢で固めておいたほうが対応しやすいとの考えがあるというのだ。

米政府が7月13日に南シナ海について声明を発表したのは、こうした事件が大きな理由となっている。この中でマイク・ポンペオ米国務長官は、中国が南シナ海のほぼ全域で海洋資源を支配しようと沿岸国を「いじめる」活動は「完全に違法」だと明言した。

この声明は、アメリカが、ベトナムをはじめとする南シナ海の海洋資源開発プロジェクトを中国の介入から守るという意思表示でもある。これに対して在ワシントン中国大使館は、「完全に不当」だと反発を強めている。

どうやらこの夏、南シナ海の資源開発をめぐる争いは、ますます熱くなりそうだ。