先端技術とその周辺

ITなどの先端技術サーベイとそれを支える諸問題について思う事をつづっています。

米国連邦政府職員、200万人!

2020年11月27日 09時10分04秒 | 日記

 

ロイターによると、『トランプ氏の大統領令が波紋、政権交代前に公務員の大量解雇も』という。そもそも、米国連邦政府職員200万人もいるというから、合理化とか適材適所配置とか必要と推測される。これは代々の大統領の施策の結果で、そこをトランプ全大統領が手を入れようとしていたのだろうが、常識なら、次期政権にバトンタッチすべきを急に解雇しようとしているとは、次期政権に対する嫌がらせでは?

[ワシントン 25日 ロイター] - トランプ米大統領が10月に署名した大統領令によって米政府機関の職員が政権交代前に大量解雇される可能性が浮上しており、民主党議員や政府職員の労働組合などが解雇阻止への動きを活発化している。
 
11月25日、トランプ米大統領(写真)が10月に署名した大統領令によって米政府機関の職員が政権交代前に大量解雇される可能性が浮上しており、民主党議員や政府職員の労働組合などが解雇阻止への動きを活発化している。写真はワシントンで24日撮影(2020年 ロイター/Hannah McKay)

民主党が多数派を占める下院の23の委員会・小委員会の委員長は61の政府機関のトップに対し、大統領令に基づき、解雇を容易にする形で連邦政府職員の分類を変更する計画がある場合は全て説明するよう求めた。

また、トランプ氏の政治任用者を専門職に既に充てた、あるいは充てる可能性を検討している場合に詳細の開示を要請した。下院監督改革委員会のキャロリン・マロニー委員長が筆頭執筆者の25日付の書簡によると、当初の回答期限は12月9日に設定されており、その後は2週間ごとの最新情報の報告を求めている。

これに先立ち、下院行政監視小委員会のジェリー・コノリー委員長とステニー・ホイヤー下院院内総務を含む民主党下院議員13人は24日、上下院の歳出委に書簡を送り、今後の歳出法案に同大統領令を無効にする文言を盛り込むよう求めた。

大統領令は政策策定に携わる職員を新設の「スケジュールF」という区分に分類することを認める内容。同分類の職員には従来のような雇用保証が与えられなくなる。政府機関は民主党バイデン前副大統領の大統領就任式の1日前に当たる来年1月19日までに職員区分の見直しを完了する必要がある。

大統領令は、トランプ氏が連邦政府の官僚制度を合理化し、職員により大きな説明責任を負わせ、「仕事ぶりが悪い人材」を排除する取り組みを進めていると記している。連邦政府の職員は全部で約200万人に上る。

民主党議員らは24日の書簡で、大統領令はメリット・デメリットを踏まえずに「政治任用を加速させ、エコノミストや科学者、データ分析者といった専門職員が適任のポストへの配置につながる」と批判。

上下院の民主党議員はこれとは別に、超党派の政府監査院に対し、大統領令が今後数週間の連邦政府職員の大量退職につながる可能性があるとして、実施を監視するよう求めた。

政治サイトのリアル・クリア・ポリティクスは今週、行政管理予算局(OMB)が局内の職員425人の88%を新たな区分に分類する計画の承認を求めたと報じた。OMBは取材に応じていない。大統領令に対しては、連邦政府および首都ワシントンの機関で勤務する70万人が加盟する全米行政府職員連合などが強く反発している。

職員の再分類を承認する権限がある人事管理局(OPM)の広報担当は、見直し期間はまだ続いていると述べた。

バイデン氏は就任後に連邦政府職員を標的にした他の大統領令を撤回すると約束している。


中国データ圏、米の倍に! 着々と進む、中国の覇権政策

2020年11月24日 13時25分14秒 | 日記

 

日経が、『中国データ圏、米の倍に 攻守逆転で深まる分断』と報じているが、着々と進む、中国の覇権政策。バイデン大統領は、習主席と渡り合えるのだろうか?なお、データ圏とは、国境を越えてやり取りされるデータ量の多さで区分けした領域図の事で、中国圏が米国圏の倍になっている。

 

インターネットの分断を意味する「スプリンターネット」が現実になりつつある。世界を1つにつなぐネットは国家のエゴに縛られ、国際社会を揺らす。米国1強のサイバー空間の秩序も崩れ、データエコノミーの勢力図が一変する。豊かさとイノベーションを育む土壌を守れるか。データの世紀は試練に向き合う。

 

9億人が使う世界最大のネット市場を国内に抱えるだけではない。中国は海外とのやり取りでも、既に米国の2倍の情報量を手中にする「データ超大国」になっていた。日本経済新聞が国境を越えて流通する「越境データ」量の推移を分析したところ、そんな事実が明らかになった。

国際電気通信連合(ITU)と米テレジオグラフィーの統計をもとに、ネット通信が盛んな主要11カ国・地域を抽出。1秒あたりに送受信するデータ容量を比べた。世界中から越境データを多く集めるほど人工知能(AI)やIT(情報技術)の開発で優位に立て、経済競争力が高まる。

 

 

 

2019年を見ると、中国(香港含む)には世界を巡るデータの23%が集中し、シェアが最大だった。2位の米国は12%どまりだ。米国はネット勃興期の01年から1強を守っていたが、中国が猛追して14年に逆転した。以降は中国の影響力が各地に広がる。

米カリフォルニア州に住む中国人技術者、シャオ・ジャンさんらは8月、米政府に訴訟を起こした。「米国でも1900万人が使い、日常に欠かせない」。中国の対話アプリ「微信(ウィーチャット)」を禁止する大統領令に猛反発した。

トランプ政権は中国への不正なデータ送信を疑い、情報流通を断つ「兵糧攻め」に動いた。しかし既に力関係は一変。中国は米国に頼らずとも、世界の情報覇権を握る存在になっていたのだ。

中国の力の源泉はアジアとの結びつきだ。01年には中国に出入りする越境データの45%が米国とのやり取りだったが、直近は25%にまで低下。代わりに対ベトナムが17%、シンガポールが15%と急上昇した。日本を含めると、全体の約半分はアジアが相手だ。

中国は広域経済圏構想「一帯一路」を進め、アリババ集団やテンセント(騰訊控股)といった民間の海外進出を後押ししてきた。アリババ傘下のアント・グループはスマホ決済「支付宝(アリペイ)」を55カ国以上で提供し、13億人が使う。

11月にはそのアントの上場に待ったをかけ、これまで深く干渉してこなかったIT産業への統制をにわかに強める。国家主導であらゆるデータをかき集める異形の情報勢力圏が膨張する。

 

 

 

一方の米国。中国のITインフラやアプリの排除に次々と手を打つが、肝心の自由主義陣営をまとめきれない。

「米国の個人データ保護ルールは不十分だ」。欧州司法裁判所は7月、米欧間の個人データ流通の枠組みを無効とする判決を出した。テロ対策で外国人を通信傍受する米当局などの姿勢を問題視したためだ。中国の個人情報吸い上げを警戒する米国が、皮肉にも同じ理由で非難された。

米国は「深く失望した」(ロス商務長官)と態度を硬化。間に立つ日本の落胆は大きい。19年に安倍晋三前首相が世界に提唱した「DFFT(信頼ある自由なデータ流通)」構想が崩れかける。インドなどの新興国も離れ、経済産業省幹部は「T(信頼)が壊れた」と嘆く。

世界を行き交うデータの流れが急激に滞る。異変はネットが生んだ「知のゆりかご」にも及ぶ。

世界で5千万人以上のITエンジニアらが使うプログラム共有サイト「GitHub(ギットハブ)」。国籍を問わないソフトの共同開発の場として数々のイノベーションを生んだ。米調査会社フォレスター・リサーチのチャーリー・ダイ氏は「中国系技術者に中国独自サービスを使う機運が出ている」と話し、変化の兆しを指摘する。

ギットハブは米マイクロソフトの傘下だ。米中摩擦で利用が制限されることを恐れ、一部の利用者が中国の類似サイト「Gitee(ギッティ)」に流れているという。ある中国人エンジニア(28)は「中国企業が今後参入し、規模も大きくなる」と期待する。

ネットが割れれば、自前でデータを調達できる国ほどAIやアルゴリズムを進化させやすくなる。技術開発や経済成長が人口頼みのゆがんだ力勝負となりかねない。既にその兆候は出ている。

米アレンAI研究所によると、世界のAI研究に欠かせない引用回数上位1割の「トップ論文」中、中国のシェアは18年に26.5%に達した。5%未満だった20年前から躍進し、首位の米国(29%)に肉薄する。調査担当のカリッサ・シェーネック氏は「あと数年で米国を抜く」とみる。

割れるネットの弊害は一部の人口大国を利することだけではない。コロナ禍、環境問題、差別や格差。ネットは本来、世界の英知を結集して共通の問題を解決する現代の利器のはずだ。その機能不全は世界から可能性を奪っていく。

「より良いウェブ作りを諦めれば、ウェブが我々を見捨てる」。ネットの父と言われるティム・バーナーズ=リー氏は警鐘を鳴らす。ネットに亀裂があり続ける限り、それだけ人類の進化の足取りも重くなる。

 

■劣勢の日本 国またぐ情報伸び悩み


 この20年間で日本に出入りするデータ量が伸び悩み、ネット通信が活発な主要11カ国・地域で最下位となったことが日本経済新聞の調査でわかった。データ経済の下では、良質で多様な情報をどれだけ集めるかが競争力を左右する。劣勢を挽回しなければ、人工知能(AI)など最新技術の開発でも世界に取り残されかねない。
ITUの統計をもとに2001年から19年までのデータ量の推移をみると、11カ国・地域の中で日本は01年には欧米諸国に続く5位だったが、18年から単独最下位に転落した。
 データ量は増えたが、諸外国の伸びに追いつかず順位を下げた。01年に中国(香港含む)の1.5倍あったデータ量は、今や逆に中国のたった5%だ。
 特にアジアの新興国の躍進が著しい。01年時点と比べると、シンガポールのデータ量は約3000倍、ベトナムは約230000倍になった。日本の伸びは約225倍にとどまり、対照的だ。16年までに両国ともにデータ量で追い抜かれ、それ以降差が広がっている。
 日本が出遅れた理由について、世界のデータ流通に詳しい経済協力開発機構(OECD)経済産業諮問委員会の横沢誠氏は「日本型のデータビジネスはグローバルに開発されていない」と指摘する。
 日本にはヤフーや楽天、LINEなど有力なネット企業があるものの、LINEなど一部が東南アジアに進出しているのを除き、大半は国内での展開にとどまっている。グーグルやフェイスブックなど世界的にサービスを提供するネット企業をほとんど持たないことが、日本の越境データの伸びにつながらなかった可能性がある。
 東南アジアではシンガポールなどが国際ビジネス拠点として急成長している。中国系の動画サービスが急速に普及していることも、東南アジア諸国と中国のデータ量の押し上げにつながった一因とみられる。
 日本を取り巻く、世界の状況も激変している。データを巡る各国の力関係を探るため、次に米データ会社テレジオグラフィーの統計を入手。11カ国・地域それぞれの、通信相手国の内訳を分析した。ITUの越境データ総量の調査と合わせると、米欧中の3つの情報経済圏が越境データの獲得でしのぎを削る様子が浮かんだ。

 

 中国(香港含む)は01年から直近までに越境データ量が7500倍に膨れ上がり、世界最大となった。データ経済の成長が目立つ東南アジアでの影響拡大が目立つ。アジア諸国はかつて米国とのデータのやり取りが主だったが、中国に針路が変わった。
 シンガポールとベトナムの越境データを合計して通信相手のシェアをみると、対中国の割合が01年の11%から直近は21%に上昇していた。一方で対米国は37%から6%に低下。対日本も15%から5%に下がった。東南アジアには中国のネット企業の進出が活発だ。サービスを通じて多くの顧客からデータが集まる。
 米国はデータ量が世界一だった01年には、英仏独の3国とのやり取りの合計が全体の43%あった。2位に転落した後はつながりが薄れ、直近では対欧州3国の割合が15.3%まで低下。代わってブラジルが15.4%と最大の相手になった。ネット黎明(れいめい)期と比べて世界全体への米国の影響力が薄れているのは否めない。
 欧州はインドやロシアなど"データ新興国"との関係を深めている。インドは01年以降にデータ量を2万倍以上にし、欧州3国との割合が11%から44%に増えた。ロシアも15%から33%へと対欧州の割合が高まっている。
 日本の越境データ全体に占める割合では対米国が81%から41%に縮小した一方で、対中国が11%から28%に急上昇した。シンガポール・ベトナムとのやり取りは2%から12%に増えた。
 データ量が増えた国では、いずれも巨大IT(情報技術)企業が育っている。中国は「BAT」と呼ばれる百度(バイドゥ)、アリババ集団、テンセントなどが世界に進出。シンガポールも政府主導の外資導入策で国際ビジネスの一大拠点となった。一方で、日本のスタートアップは日本国内での成長にとどまり、世界規模になった例はほとんど見当たらない。
 各国の激しいつばぜり合いの間に挟まれる日本。まずはデジタル庁の新設など、社会全体のデジタル化を急ピッチで進めようと構える。各国に引き離されたデータ力の差を、どこまで縮められるのか。日本の真価が問われる。

小売業におけるスマホ決済の加速!?

2020年11月23日 12時32分24秒 | 日記
 
イオンが、店舗が用意したスマホで、購入した商品の読み取りを行い、レジでは、スマホの合計金額を見て現金払いとかカード払いで生産する仕組みで、レジ待ちや、消費9ン購入の手間が減り、買い物が楽に出来るというレジゴーを、いくつかの店舗で実施したというニュースが、話題になっている。そして、システムとしても富士通などが、小売業におけるスマホ決済として製品発表をしている。悪くはない話だが、レジゴーというネーミングから、4年ほど前に実施されているアマゾンゴーと比較してしまい、その彼我のレベル差にがっくりしてしまう。アマゾンゴーは顔パスで商品をかごに入れるだけで計算され、レジとかを経なくても出店時に自動的に決済されるという気按針自動精算が行われるのに対し、レジゴーは、日本国内でも聊か、時代遅れ。というのも、福岡のトライアルという4,5千億円スーパーが、カートにタブレットをとりつけ、かつ支払いはぷりぺーどカードで行い、買い物が楽に出来るシステムをやはり4,5年前から実施している。日本の小売業を代表するイオン、日本のIT企業を代表する富士通が今頃、AmazonGo!に遠く及ばない購買システムを売るダストは悲しくなる。
 

コンボイオンのレジゴーのITメディア野記事を引用する::::::::::::::::::::::::::::::::::::

 買い物客が貸し出し用のスマートフォンを使い、かごに入れる前に商品をスキャン、専用レジで会計する「レジゴー」だ。スキャンにかかる時間は約1秒。手に持って使えるだけでなく、専用カートに設置した状態でも使える。レジでは決済のみを行うため、レジ待ちの渋滞も起きづらい。

photoレジゴーを利用する様子。バーコードに貸し出しスマホを近づけると、簡単にスキャンできる

 買い物客は利用中、かごに入れた商品の一覧と合計金額を画面で確認できる。スキャンした商品を取りやめる操作も簡単なので、ネットでは「節約できる」「買いすぎ防止になる」と評判がいいが、その分「店舗の売り上げが減るのではないか」という指摘も上がっている。

 しかし、イオンリテールの山本実さん(執行役員兼システム企画本部長)によると、むしろ「レジゴーを導入した全ての店舗で客単価が上がっている」という。買い物客にとっても、店舗にとっても、Win-Winの仕組みなのだ。なぜ、客単価が上がるのか。導入の経緯も含めて、話を聞いた。

photo商品の一覧と合計金額が確認できるレジゴーの画面。専用カートに設置するとハンズフリーで操作できる

客単価が向上 思いもよらない導入効果

 イオンが初めてセルフレジを導入したのは2004年。それ以来、レジの切り替え時に導入を進めてきた。しかし混雑する時間は、セルフレジでもレジ待ちの列ができていた。18年から「待ち時間をさらに短く、買い物をより楽しく」するためにレジゴーの構想を練り、19年から順次導入。現在は14店舗に導入している。

 

 レジゴーを使用することでレジでのスキャン作業がなくなり、導入店舗では待機の列が激減した。従業員は、商品をスキャンするだけの時間が減り、商品場所の案内や、レシピの提案、システム利用方法の説明など、買い物客と会話をする機会が増えたという。新型コロナウイルスの影響で、非接触のシステムに興味を持つ利用者も多く、利用率は上がっている。

 「高速道路のインターチェンジは、ETCのレーンが増えて渋滞が少なくなりました。同じようにレジゴーがレジ待ちの渋滞を防いでいます」(山本さん)

photoイオンリテール執行役員兼システム企画本部長の山本実さん

 レジゴーの導入は、売り上げアップにもつながった。導入した全店舗で、売り上げた商品数が増え、客単価が約15~20%向上したという。

山本さんによると、購入が増えているのは調味料など、買い物客がよく買い忘れてしまう商品。買い物客はレジゴーの画面から購入商品の一覧を見ることで、買い忘れに気が付くことが多いという。

 「全部メモをして買ったつもりなのに忘れている、ということは結構あると思います。スーパーで買い物を終えた後、自宅の近くのコンビニエンスストアやドラッグストアで買い足しをしている方が多いことは分かっていましたが、買い忘れを防ぐことで非常に大きい(売り上げへの)インパクトがあることがレジゴーの導入で分かりました」(山本さん)

photoレジゴー専用レジで決済をする様子。QRコードを読み込むとスキャンした商品情報がレジに転送される

万引き・スマホの盗難は?

 新しいシステムにはトラブルが付き物だ。特に大量に設置したスマホや、利用者自身が商品をスキャンする様を見ると「スマホを盗られないのだろうか」「スキャンする商品の数をごまかす利用者がいるのではないか」といった疑問が浮かぶが、大きな問題は起きていないという。

 

 「最初のうちはスマホがなくなることもありました。転売目的で盗んだ方もいたかもしれませんが、店舗の外では全く使えない仕組みにしているので、そういったことは減りました。また、返却を忘れてそのまま持ち帰った場合は、次の日には戻ってくることが多いです」(山本さん)

photoレジゴー専用のスマホ。記者が取材した「イオンスタイル有明ガーデン」には、120台設置している。

 万引きを含む商品ロスの割合は、レジゴーを導入している店舗の方が、導入していない店舗よりも低いという。山本さんは「日本人は真面目で、わざわざ自分で機器を使ってスキャンや決済をセルフで行う中で、(意図的に)決済をしない方はほとんどいない」と話す。

 「2000年代半ばにセルフレジの導入を進めた際も同じようにリスクを問われましたが、現実はほとんどロスの変化はありませんでした。むしろこの10年余りでロスの量はずっと改善しています」(山本さん)

 一方で、スマホの盗難や商品の万引きとは別の問題が出てきた。

「全てスキャンが完了できたか自信がない」「決済が完了しているか分からない」という声が店舗スタッフに多く寄せられた。そこで、購入点数や決済したかどうかを確認できるゲートを「イオンスタイル有明ガーデン」に試験導入し、検証している。決済ができていなかったり、購入品と金額に大きな差異があったりすると警告音が鳴り、ランプが付く仕組みになっている。

photoイオンスタイル有明ガーデンに導入しているチェックアウト用のゲート
photoQRコードをゲートにかざした後、レジゴーの端末を返却する

 導入時には、端末の選定に苦労したという。19年5月に開始した実証実験の際、レジゴーの利用端末はスマホとタブレット端末の2種類を用意していた。タブレット端末は充電が切れやすく、利用者が使っている途中に充電が切れてしまったこともあった。充電する時間を考慮すると、本格導入した際に必要になる台数も多くなり、コストが見合わないと判断。タブレット端末は断念し、現在はスマホのみを採用している。

 「スマホは若い方はもちろん、高齢者の方も普通に使っている方が多いです。1度慣れてしまえば戸惑うことも少なく、お客さまの習熟度がかなり高かったです」(山本さん)

アプリ版リリース後は、個人のスマホでスキャン可能に

 イオンリテールは20年内中をめどに、貸し出し用のスマホだけでなく、利用者のスマホでもスキャンができるように、レジゴーのアプリをリリース予定だ。21年以降には決済まで利用者のスマホで完了できるように開発を進めている。

 

 この構想自体は、新型コロナの感染が広がる前からあったが、コロナの影響もあり利用者から要望が上がっているという。イオンが実施したアンケートでは、買い物客の6割以上が「自分のスマホでスキャンできるアプリがあれば使いたい」と回答した。

 利用者のスマホ向けにアプリをリリースした後は、アプリに残る購入情報を活用し、商品をレコメンドする機能などの導入も検討しているという。

「全てスキャンが完了できたか自信がない」「決済が完了しているか分からない」という声が店舗スタッフに多く寄せられた。そこで、購入点数や決済したかどうかを確認できるゲートを「イオンスタイル有明ガーデン」に試験導入し、検証している。決済ができていなかったり、購入品と金額に大きな差異があったりすると警告音が鳴り、ランプが付く仕組みになっている。

photoイオンスタイル有明ガーデンに導入しているチェックアウト用のゲート
photoQRコードをゲートにかざした後、レジゴーの端末を返却する

 導入時には、端末の選定に苦労したという。19年5月に開始した実証実験の際、レジゴーの利用端末はスマホとタブレット端末の2種類を用意していた。タブレット端末は充電が切れやすく、利用者が使っている途中に充電が切れてしまったこともあった。充電する時間を考慮すると、本格導入した際に必要になる台数も多くなり、コストが見合わないと判断。タブレット端末は断念し、現在はスマホのみを採用している。

 「スマホは若い方はもちろん、高齢者の方も普通に使っている方が多いです。1度慣れてしまえば戸惑うことも少なく、お客さまの習熟度がかなり高かったです」(山本さん)

アプリ版リリース後は、個人のスマホでスキャン可能に

 イオンリテールは20年内中をめどに、貸し出し用のスマホだけでなく、利用者のスマホでもスキャンができるように、レジゴーのアプリをリリース予定だ。21年以降には決済まで利用者のスマホで完了できるように開発を進めている。

 

 この構想自体は、新型コロナの感染が広がる前からあったが、コロナの影響もあり利用者から要望が上がっているという。イオンが実施したアンケートでは、買い物客の6割以上が「自分のスマホでスキャンできるアプリがあれば使いたい」と回答した。

 利用者のスマホ向けにアプリをリリースした後は、アプリに残る購入情報を活用し、商品をレコメンドする機能などの導入も検討しているという。

特に新型コロナの影響では、ネットスーパーとリアル店舗の融合を意識した「ピックアップ」を拡大した。ロッカーやカウンターでの受け取りなどがある中、特に人気なのは、ネットスーパーで注文したものを自動車に乗ったまま受け取れる「ドライブピックアップ」。非接触・非回遊というネットスーパーの良さを生かしつつ、送料や宅配を待つ時間の負担を減らすというオンラインとオフラインの利点を融合した施策だ。

 店内にAIカメラを搭載したサイネージを置き、レシピの紹介やイベントの生配信をする取り組みもイオンスタイル有明ガーデンで実験中だ。新型コロナの感染拡大以降、実施できていなかったマグロの解体ショーを作業場で行い、サイネージで中継した。マグロの販売には引き換え券を配布し、3密にならない形でマグロの解体ショーを実施することができた。

 

 このような取り組みでイオンリテールが目指すのは100%のデジタル化ではなく、顧客がより良い体験をするためのデジタル化だと、山本さんは話す。

 「店舗はお客さまにとってサービスを楽しむ場です。デジタル技術も、お客さまの体験を高めるものの一環として考えています。例えば今は(新型コロナの影響で)洋服の採寸や試食が難しいけれど、技術を使えばある程度克服できると思います。採寸のシステムはアパレル企業で導入事例がありますし、味自体の再現は難しいけれど、香りはデジタル技術で作れますから、香りを出す技術を採用するのはどうかと考えたり……。これからもリアルに近いものやリアルに代わるものを、デジタル技術で提供できるか探っていきたいです」(山本さん)

photoイオンスタイル有明ガーデン

脳と宇宙の構造は似ている!

2020年11月23日 00時32分25秒 | 日記

ニューズウィークが、『やはり、脳と宇宙の構造は似ている......最新研究』という解説記事を載せていたが、いいえて妙。

 

マウスの脳内の神経細胞(ニューロン)の画像と宇宙をシミュレーションした画像 YouTube

<宇宙網と脳の自己組織化は、同様のネットワーク力学の原理によって形成されている可能性がある、との研究が発表された......>

ヒトの脳は宇宙と類似性があるのかもしれない......。マウスの脳内の神経細胞(ニューロン)の画像と宇宙をシミュレーションした画像を並べた2006年8月14日付の米紙ニューヨーク・タイムズの記事は、世界中で話題となった。そしてこのほど、その類似性が定量分析によって裏付けられた。

小脳の約690億個の神経細胞と1000億個の銀河

伊ボローニャ大学の天体物理学者フランコ・バッツァ准教授と伊ヴェローナ大学の脳神経外科医アルベルト・フェレッティ准教授の研究チームは、宇宙学と神経外科学の観点から定量分析を行い、銀河がつながる水素ガスの大規模構造の宇宙網とヒトの脳の神経回路網(ニューラルネットワーク)を比較した。

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2020年11月16日にオープンアクセスジャーナル「フロンティア・イン・フィジックス」で公開された研究論文によると、両者にはその規模に27桁以上もの違いがあり、その構造がもたらされた物理的プロセスも本質的に異なっているものの、両者の構造には、同様の複雑性と自己組織化が認められたという。

ヒトの小脳には約690億個の神経細胞(ニューロン)があり、観測可能な宇宙には少なくとも1000億個の銀河があるが、神経細胞や銀河が脳や宇宙全体の質量に占める割合は3割にも満たない。脳の77%は水、宇宙の73%は暗黒物質(ダークマター)でできている。また、神経細胞も銀河もフィラメント(細かい糸状の構造)を介して互いに接続し、自己組織化されている点も類似している。

研究チームは、ヒトの大脳皮質および小脳と宇宙網のシミュレーションを画像で定量的に比較した。

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シミュレートされた宇宙網の物質分布(左)と小脳で観測された神経体の分布(右)

 

「同様のネットワーク力学の原理によって形成されている可能性がある」

宇宙学で銀河の空間分布を分析する際に用いる「スペクトル密度」を計算すると、小脳の揺らぎ分布は1〜100ミクロンであった一方、宇宙網の揺らぎ分布は500万〜5億光年であった。両者の規模には大きな違いがあるものの、相対的な揺らぎ分布は類似している。

matuoka119c.jpg

銀河(左)と小脳の神経網(右)の比較

 

また、1個の神経細胞や銀河に接続するフィラメントの本数も近似している。3800〜4700のサンプルをもとに宇宙網を分析したところ、各銀河には平均3.8〜4.1本のフィラメントが接続していた。一方、1800〜2000のサンプルをもとに大脳皮質を分析すると、各神経細胞に接続するフィラメントは平均4.6〜5.4本であった。

研究論文では、一連の研究結果をふまえ、「宇宙網と脳の自己組織化は、同様のネットワーク力学の原理によって形成されている可能性がある」と結論づけている。

ここから→解説動画

The Universe Appears To Be a Lot Like the Human Brain

「千人計画」による中国への頭脳流出は締め付けを強化しても止められない!

2020年11月22日 16時57分29秒 | 日記
 
『中国への頭脳流出は締め付けを強化しても止められない......「千人計画」の知られざる真実』とニューズウィークも危惧の記事を載せていた。著者はミンシン・ペイ(本誌コラムニスト、クレアモント・マッケンナ大学教授)。
 
千人計画の背景には、14億の人口を抱えるこの国は教育・研究に莫大な予算を投じてきたが、最先端の技術開発では今も大半の先進国に後れを取っていることがある。

その証拠に中国本土で研究を行い、ノーベル賞を受賞した科学者はマラリアの治療に道を開いた屠呦呦(トウー・ヨウヨウ)だけだ。中国には世界のトップレベルの大学や研究機関は片手で数えられるほどしかない。航空、半導体、バイオテクノロジーといった重要分野では中国は今もアメリカや日本など先発組の後塵を拝している。

 

 

以下、ニューズうウィークの記事:::::::::::::::::::::::::::::::::

 

米中はアメリカを拠点とする優秀な中国系研究者の争奪戦を展開 XINHUA/AFLO

<中国がカネに飽かせて進める人材招致を必要以上に敵視すると、アメリカは優秀な人材を失うことに──。本誌「アメリカ大統領選 中国工作秘録」特集より>

先端技術開発で各国が激しい競争を繰り広げる今、イノベーションの才能がある科学者、技術者、研究者の育成と確保に一国の命運が懸かっていると言っても過言ではない。

中国はそれを痛感している。14億の人口を抱えるこの国は教育・研究に莫大な予算を投じてきたが、最先端の技術開発では今も大半の先進国に後れを取っている。

その証拠に中国本土で研究を行い、ノーベル賞を受賞した科学者はマラリアの治療に道を開いた屠呦呦(トウー・ヨウヨウ)だけだ。中国には世界のトップレベルの大学や研究機関は片手で数えられるほどしかない。航空、半導体、バイオテクノロジーといった重要分野では中国は今もアメリカや日本など先発組の後塵を拝している。

<iframe id="RBTYTVP" width="0" height="0" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no" allowfullscreen=""></iframe>

人材不足を補う手っ取り早い方策として中国政府が打ち出したのは国外にいる中国系の人材を呼び戻す計画だ。中国教育省によると、1979年から2018年までに600万人近い中国人が外国の大学・大学院に留学した。行く先は主に欧米諸国で、9割は自費留学だが、中国に戻ってきた人は370万人にすぎない。

外国に留学した人の4割近くが帰ってこないとなると、深刻な「頭脳流出」だ。まずはこれに対処しようと、中国政府は2008年に共産党中央組織部の部長だった李源潮(リー・ユアンチヤオ)をトップに据え、人材確保計画をスタートさせた。これが今や悪名をとどろかせている「千人計画」だ。当初の趣旨は留学先で博士号を取得した後も外国にとどまり、研究職に就いている中国人を呼び戻すことだった。

公式には共産党の中央組織部と政府の人事社会保障省の管轄下にあったこの計画は、2013年に李が国家副主席になり、現場を退いた後も拡大を続けた。人事社会保障省によれば、2017年時点で7000人超の研究者がこの計画に参加。その大半が中国系だ。これ以外に約5万4000人の優秀な人材がさまざまな別のプログラムを通じて中国に招致された(これらのプログラムは権威でも資金力でも「千人計画」に劣る)。

中国政府が資金を提供している「千人計画」は短期・長期のプロジェクトのために科学技術分野の中堅と若手の人材を招致するプログラムで、前述のように当初のターゲットは中国系だったが、計画の拡大に伴い外国人も招致されるようになった。招致枠は4つある。長期と短期のプロジェクトの参加者、外国人の専門家、それに若手の有望株だ。

計画の具体的な成果は不明

応募資格は、55歳未満で外国のトップレベルの大学か研究機関の常勤および上級職、またはそれに準じるポストに就いていること。長期プロジェクトの参加者は3年以上中国で常勤職に就くことになり、短期プロジェクトの参加者は年間に2カ月以上中国に滞在しなければならない。外国人の場合も条件はほぼ同じだが、長期の場合、最低3年間は1年のうち9カ月以上中国で常勤職に就くことが義務付けられる。

 

そのため、「千人計画」に参加する研究者はたいてい、欧米でのキャリアを捨てずに済む短期プロジェクトを選ぶ。中国としては誰も来ないよりはましだが、長期プロジェクトに世界トップクラスの研究者が参加するメリットには遠く及ばない。最先端の科学プロジェクトはほとんどが本質的に長期に及び、常に上級研究者の監督・指導を必要とする。しかも、短期プロジェクト参加者は研究者として業績を認められる可能性よりも経済的見返りが目当てだろう。

国外の研究者が短期プロジェクトの経済的見返りを目当てに参加するという「千人計画」の重大な弱点が、計画の破綻を招いている。少なくとも在米の中国系研究者ではそうだ。

産業スパイは立証困難だが

米政府によれば、2018年に「千人計画」に参加した在米の研究者・科学者は2629人。そのアメリカでの勤務先の内訳は3分の2が大学、600人が米企業、300人が米政府および政府の研究機関だった(例えば米国立衛生研究所〔NIH〕は倫理違反や外国の影響が疑われる140人を調査中と報じられた)。

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NIHなどの政府機関にも「千人計画」参加者が LYDIA POLIMENI-NATIONAL INSTITUTES OF HEALTH

米中関係がまずまずだった頃は、米当局は知的財産流出を懸念しながらも「千人計画」に参加する中国人研究者を取り締まってはいなかった。だが両国が新たな冷戦に向かうなか状況は一変。2018年、米司法省は中国による産業スパイ活動を摘発する「中国イニシアチブ」を立ち上げ、矛先が「千人計画」にも向けられた。

ニューヨーク・タイムズなど主要紙の報道からは、産業スパイや知的財産盗用の立証は難しかったことがうかがえる。学術交流はオープンかつ合法的で、不正の証拠を集めるのは至難の業だ。米司法省が「千人計画」との関連を調査したケースで産業スパイ容疑で訴追されたのは1件のみだった(コカ・コーラに勤務していた中国系研究者)。

だが、同計画の短期プロジェクトで補助金を受給している旨を米政府に開示しなかったなどの理由で摘発するのは比較的容易だ(アメリカの法律は政府資金の受給者に全ての資金提供の開示を義務付けている)。「千人計画」が出資する研究機関との短期雇用契約を開示しなかったとして大学や研究機関から解雇されたケースもある。ハーバード大学の化学部門の責任者チャールズ・リーバー教授は、中国との関係について米当局に虚偽の説明をしたとして逮捕された。同計画で得た報酬を申告せず、脱税容疑で訴追された例もある。

 

虚偽申告で訴追されたハーバード大学のリーバー KATHERINE TAYLOR-REUTERS
 

こうした取り締まりでアメリカの科学技術研究の貴重な財産を中国に盗用されることを防止できるかどうかはまだ分からないが、懸念すべき問題が2つある。1つは人種的要素を加味した取り締まりがアメリカの中国系研究者に及ぼす悪影響。もう1つは差別され疑われた中国系研究者が中国に戻る可能性で、そうなればアメリカはトップクラスの人材を失い、中国政府は思惑どおり非常に優秀な人材を呼び戻せるわけだ。

締め付けの強化は逆効果に

アメリカが締め付けを強化すれば、優秀な人材が中国など外国に大量に流出しかねない。大学院で人工知能(AI)、量子コンピューティング、半導体、航空学といった科学技術の要となる分野を専攻する中国系学生へのビザ発給を制限するにせよ、在米の中国系研究者の間に不信感や差別や不安を生むにせよだ。

2015~17年にアメリカの科学技術分野で博士号を取得した3万1052人の16%が中国人だった(工学では22%、数学では25%)。科学技術系の中国人学生の約90%が博士課程修了後も最低10年はアメリカにとどまる。アメリカでの研究環境が良くなければ、多くの人材が中国に帰国しかねない。

今をときめくAIの分野では、中国系の優秀な人材に対する過度の強硬措置はかえって進歩を鈍らせる可能性がある。この分野をリードする中国系研究者・科学者のほとんどは生活と研究の拠点をアメリカに置いているからだ。

中国の人材招致計画に対する米当局の対抗措置は、刑事訴追による抑止を軸にしたアプローチの限界も示している。現行法では、中国系の研究者も他のアメリカ人研究者同様、世界中の研究機関との学術交流に自由に参加できる。報道によれば、米当局による訴追や捜査や統制の対象者は、在米で「千人計画」に参加したことが分かっている研究者の10%未満。理由はほぼ全員が開示義務違反で、一部は所得申告漏れもあった。

このように、知識の流出を法的に食い止めるのは無理がある。今後、「千人計画」参加者が開示義務や所得申告義務を遵守すれば、米当局が彼らを訴追するのは至難の業になる。

これまでに分かっている限りでは、中国はこうした人材招致計画に相当なリソースを注ぎ込んでいるが、その割に見返りは少ないようだ。しかし今後、欧米各国の対抗策が優秀な人材の中国への帰国を促すなら、もっと功を奏するかもしれない。

欧米各国は研究者を通じた軍事技術の移転防止策とともに研究費と研究ポスト不足に対応すべきだ。中国との闘いに勝ち抜きたいのなら。