『あざみの歌』は まだ歌えますか

泣いて、笑って、歌って介護!!そんな日常の過去の記録と
新たに今一度自らを見つめてぼちぼちと戯言なりを綴ります。

“ぎゃ”は「ぎゃぁてぇぎゃあてぇ」の“ぎゃ”

2015年06月06日 17時05分01秒 | 日々の出来事
中学生の頃だったか、般若心経を必死で覚えた事がある。
レインボーマンが変身する時にその一節を唱えるからに決まってる!!

育った家もお仏壇があったので、ひいばぁちゃんは毎日心経を唱えていたっけな。
田舎では葬儀を終えてから、心経の前に御詠歌を最初から最後まで唱えるのが常である。
四十九日までは毎日。一週間毎に親族一同で大合唱となる。
けっこう長時間である。ちいさい頃はそれ以外にもいくつかのお経をおばちゃんの膝の上で聞きながら
その中の「人間わずか50年」という文句が怖くて怖くてたまらなかったのを覚えている。

で、御詠歌が終わって般若心経に移って最後の
「羯諦羯諦、波羅羯諦、波羅僧羯諦、菩提薩婆訶」になるとその音のリズミカルな響きと、これで終わりだぁ♪と言う開放感でワクワクしたっけ。
実は今でも、ワクワクとまではいかなくてもホッとする・・・きゃぁ、罰当たりでごめんなさ~い。

ぺこちゃんの今の施設での最後のお泊りを利用して田舎の法要に行って来た。
じぃちゃんの50年
ばぁちゃんの33年
おばちゃんの13年
従姉貴の3年
おじちゃんの1年、まとめて………まったく……

法要が主なのか前の掃除が主なのか、それらはいつもワンセットなのだが
昔は家でお膳をするのが当たり前だったのに、最近は外で食事を囲むのが普通になっているらしく随分楽チン。

何十年も前にはな~んにも無かった小さな田舎町にも、少し車を走らせれば、洒落たお店が幾つも出来ている。


今回はこちら



広い敷地にふんだんに遊び心を散りばめて

料理は趣深いものが次々と、



内装も広さ高さを贅沢に使って、
至る所にパッチワークのタペストリーが掛けてある。



デザートはいたどりのシャーベット。

いたどりって、うちの田舎じゃ、だんじって言うのだけど
すかんぽ?ぎしぎし?
山路を歩きながら、引っこ抜いて皮を剥いて
すっぱーい!!って言いながら囓った幼き日の思い出に
行ってしまった人達の笑顔が重なる。


「なあ、おばちゃん、
私にここの十分の一でええから、好きに出来る場所、おくれぇなぁ。」

「そら、しゃーれんわ。うちげにおったらあるけど、あんたけーへまいが。なぁ、おとーさん。」
おばちゃんが笑って言う。
おじちゃんがその後ろで、にっと笑う。
従姉貴がいつものように「えへへへっ」っておでこをポリポリしながら笑う。

ほんとに、いなくなってからこんなに何度も行く事になるなら
いる時にもっともっと行っとけば良かった。

いつも後悔ばかりが残る。
それでも時は前進し続けている。
踏みとどまる事が出来ないようになっているのだな。

・・・従姉さん、兄ちゃんなぁ、じいちゃんになったんで








コメント (2)
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