「下松市」にできた小さな画材屋さんがあります。「画材屋R]という名前の画材屋さんですが、2階にある小さなスペースで毎回素敵な個展を開いています。
とてもこじんまりとして、他の個展会場とは違うあたたかみのある空間になっており、誰もが気軽に利用できるスペースになっています。
そこで、今開催中の個展が「松本さん」の「日本画」による個展で、とても力の入った作品が見られます。
日本画といえば、「京都」で毎年おこなわれる「日本画展」を見ていますが、こうした小さなところで見るのもまた違った趣があります。
会場に入ってすぐ目についたのがこの作品で、私も「人物」を描くということで、とても共感するものがありました。
外国の人を日本の画材で描いているところがとてもユニークで、どこかアンバランスなところがあるのですが、かえってそれが大きな魅力の一つになっています。
「動的」な外国人の風貌に、繊細な線で描かれたこの作品からは、絵画の真髄のようなものが見れ、とても気に入った作品になっています。
こうした華やかな作品は「日本画」のもつ独特の世界ですが、その色彩はとても品格のあるものになっています。
屏風絵に通じるものがあり、高貴なものを狙ったこの作品からは、伝統的な日本の美が見えてくるようです。
とても落ち着いた静かな作品になっているこの絵からは、「命の輝き」を感じてしまいます。
「命」というものは、声を大にして説明するものではなく、そこに「存在」すること自体が「命」の源泉になっています。
「花」の存在を通して、静かに息づく「生命」の営みが静かに見える場面がこの作品になっているように思えます。
「目立つ」ことなく、生きる喜びのようなものが感じられる作品として、なんの違和感もなく見ることができるものになっているのではないでしょうか。
先ほどの作品と打って変わって、この画像の中からは「華やかな存在」の息ぶきが見られます。
「生命」を謳歌しているかのようなこの作品からは、違う意味での「生きる喜び」が感じられます。
咲き誇った花と画面いっぱいに描かれたこの作品は、「絢爛豪華」という言葉が合うような世界でもあります。
しかし、私にはそれだけでなく、「嬉々」とした「喜びの世界」が見えてくるようで、とても活力のあるものに見えます。
先ほどの作品に似ていますが、さらに強調刷るかのように「青」の存在を生かして、そこに自分で再確認しているような作品になっています。
私はこの展覧会で、「女性」の持つ2面性に気づきました。
それは、「静かな空間」にあこがれる存在であり、もう一つは「喜びの空間」に対してとても積極的であるということです。
こうした作品を通して、「人」のもつ「存在」や「喜び」を声高らかに表現しているように思えるのですが、皆さんはそう感じたでしょうか。
この展覧会は、5月31日(火)まで行われています。他の「ギャラリー」には見られないものが見えてくるようで、とても楽しい「空間」が味わえるのではないでしょうか。