「美」を愛する人へのメッセージ

岩国市を中心に「いろ・色・パステル画」展を開催しています。また、「美」という大きなテーマに向かって発信していきます。

「日本画の魅力」

2011-05-26 07:24:18 | 個展情報

 

「下松市」にできた小さな画材屋さんがあります。「画材屋R]という名前の画材屋さんですが、2階にある小さなスペースで毎回素敵な個展を開いています。

 

とてもこじんまりとして、他の個展会場とは違うあたたかみのある空間になっており、誰もが気軽に利用できるスペースになっています。

そこで、今開催中の個展が「松本さん」の「日本画」による個展で、とても力の入った作品が見られます。

 

日本画といえば、「京都」で毎年おこなわれる「日本画展」を見ていますが、こうした小さなところで見るのもまた違った趣があります。

 

会場に入ってすぐ目についたのがこの作品で、私も「人物」を描くということで、とても共感するものがありました。

 

外国の人を日本の画材で描いているところがとてもユニークで、どこかアンバランスなところがあるのですが、かえってそれが大きな魅力の一つになっています。

 

「動的」な外国人の風貌に、繊細な線で描かれたこの作品からは、絵画の真髄のようなものが見れ、とても気に入った作品になっています。

こうした華やかな作品は「日本画」のもつ独特の世界ですが、その色彩はとても品格のあるものになっています。

 

屏風絵に通じるものがあり、高貴なものを狙ったこの作品からは、伝統的な日本の美が見えてくるようです。

とても落ち着いた静かな作品になっているこの絵からは、「命の輝き」を感じてしまいます。

 

「命」というものは、声を大にして説明するものではなく、そこに「存在」すること自体が「命」の源泉になっています。

 

「花」の存在を通して、静かに息づく「生命」の営みが静かに見える場面がこの作品になっているように思えます。

 

「目立つ」ことなく、生きる喜びのようなものが感じられる作品として、なんの違和感もなく見ることができるものになっているのではないでしょうか。

先ほどの作品と打って変わって、この画像の中からは「華やかな存在」の息ぶきが見られます。

 

「生命」を謳歌しているかのようなこの作品からは、違う意味での「生きる喜び」が感じられます。

 

咲き誇った花と画面いっぱいに描かれたこの作品は、「絢爛豪華」という言葉が合うような世界でもあります。

 

しかし、私にはそれだけでなく、「嬉々」とした「喜びの世界」が見えてくるようで、とても活力のあるものに見えます。

先ほどの作品に似ていますが、さらに強調刷るかのように「青」の存在を生かして、そこに自分で再確認しているような作品になっています。

 

私はこの展覧会で、「女性」の持つ2面性に気づきました。

 

それは、「静かな空間」にあこがれる存在であり、もう一つは「喜びの空間」に対してとても積極的であるということです。

 

こうした作品を通して、「人」のもつ「存在」や「喜び」を声高らかに表現しているように思えるのですが、皆さんはそう感じたでしょうか。

 

この展覧会は、5月31日(火)まで行われています。他の「ギャラリー」には見られないものが見えてくるようで、とても楽しい「空間」が味わえるのではないでしょうか。

 

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「小中学生のスケッチ大会作品展」・・子供の作品から

2011-05-25 07:59:54 | 「美術展」

今、岩国市中央図書館で「錦帯橋周辺」を描いた「スケッチ大会作品展」が行われています。

 

何年か前、私もこの審査に立ち会っていた経験があり、懐かしく見ていましたが、審査から離れてみるとまた違う視点で見る自分に気づくものがあります。

 

教師という立場で主観的に見ていたのですが、今は「1個人」としてみることができます。

 

少し画面が見にくいのですが、小学3年生の作品だと思いますが、したから見上げる「岩国城」を元気一杯に描いています。

 

画用紙からはみ出ているこの描き方の裏には、対象物の形を追っている作者の目が見えてきます。

 

屋根の下に見える支えの木がとても「リズムカル」に描かれており、作者のそうしたところへの好奇な目がとてもよく出ていると思います。

 

同じものを描いても、6年生になると「部分的」なものから全体の形のおもしろさへと目がうつっているようです。

 

特に日頃気づかない「黒と白」の対比のおもしろさに、目が行きそれらを強調しているように見えます。

 

また、「城」のもつ構造上のおもしろさにも目が行っているように思え、それが「ゆがんだ」形として出来上がっています。

この作品は、同じ6年生のものですが、とても魅力的な作品になっており、この作者の旺盛な「好奇心」にとても感心してしまいます。

 

 とても「素直な目」をしており、自分の感じたままをそのまま描いていくうちに、こうした構図の作品が出来上がったものと思われます。

 

この作品を見て、思わず画家の「ルソー」という人を思い出しましたが、そんな素朴な見方が作品をとてもおもしろいものにしています。

 

「中学生」ぐらいになると、「上手」「下手」という技術ばかりに目が行き、時として「技術的な」所ばかりに関心が行くのですが、それがだんだんと絵を描かなくなる理由の一つではないでしょうか。

 

日本では、大人になればなるほど「絵を描く人口」が減っていますが、それは「技術」が先行するあまり、他の要素を見なくなることに大きな原因があるようです。

 

外国の人から見ると、日本の「小中学生」の絵はとても上手で、本当にこれが子供が描いた絵なのか疑わしいほどのできばえだそうです。

 

同じ下から見上げたものでも、そこに正確性が備わってきます。

中学3年生ぐらいになると、ものの遠近や奥行きに目が行き、そこ空間を表現しようとします。

 

そうした発達段階における違いを描き分けることも大事ですが、絵画はそのなかに「感動」に値する見方が欲しいものです。

 

いつもまわりの人と比較しながらの制作は、やがて「個性」のないものに変わってしまう危険性があります。

 

いくつになっても、「自分の見方」ができるようにしたいものだと思っています。

 

 

この作品展は6月7日まで開催しています。

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「遊びの感覚から」・・若者の作品から

2011-05-24 07:52:19 | 個展情報

「クリエイティブな作品」は時として「遊びの感覚」から生まれることが多いように思われます。

 

ここにあげている作品は先日個展を開いた「伊賀井さん」の作品ですが、今までの作品とは打って変わって、とても親しみやすいものになっています。

 

「色」と「形」の遊びのような世界で、この作品にはそうした「遊びの空間」が充満しています。

 

実は作者は「ケーキ屋さん」に頼まれてこうした作品を作っているわけで、そこには普遍的な「美意識」をさがしている姿が見られます。

 

誰もが楽しめて、思わず飾ってみたくなるそうした作品になっていますが、よく見るとそこには「ファッションの世界」や「癒しの世界」があるのが良くわかります。

 

 とてもかわいらしい「キャラクター」を創りあげ、そこに「ファッション」と「色」の組み合わせをしているのがわかると思います。

 

また、この「キャラクター」の中に、自分の存在を取り替えてみる姿が見えるのではないでしょうか。

また、「クリスマス」や「ドラクロア」という題材を使ってのおもしろい挑戦もしています。

 

「楽しむ絵画」としての機能を持つこれらの作品は、これからの「絵画の世界」で誰もが受け入れる作品の一つになるのではないでしょうか。

 

「個人」だけが納得する作品から、誰もが共通して感じることのできる絵画に方向を変えているように思えます。

 

あらゆる世界が激変している今日、「芸術」という世界も変わっていくことは改めて言う必要もありません。

 

誰もが、心の奥深く抱いているものを表現する時代が、来ているようにも思えます。

これは同じ作者が描いたものですが、こうしたものは本来特定の人しか受けいられないものですが、そこに描かれているものが「食」ということで話は変わってきます。

「食」という文化の持つ強さは、こうした絵画の世界でも共通する普遍的な題材になっているように思えます。

 

「豊かな空間」とは、そうした「楽しみが持てる空間」であり、それは誰もが望んでいる空間だと思います。

 

「色」と「形」の持つパワーを、人の心に染み入るようにするにはどのようなスタイルが求められているか、問われる時代にもなっています。

 

そうしたことを頭に入れて、創作活動をしているのが若者ではないでしょうか。

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「透きとおる世界」・・若い人の作品から

2011-05-23 17:04:57 | 個展情報

先日徳山に行き、若い人の「個展」を見てきました。

 

「仁賀井さん」という方で、東京芸大の「デザイン科」を卒業して、光市に帰って制作をしているようです。

会場に入ると、「赤」を中心にした作品が多く、本人に聞くと「赤」という色にとても関心があるようなことを言っていました。

 

この「りんご」の作品もそれぞれが違う種類の「りんご」で、その違いを描き分けていました。

 

とても繊細な作品で、一つ一つに手を抜かない描写がとても魅力的で、その水彩のもつ透明感と一体になり、どこか「ピュアな世界」を創りあげているのがわかります。

絵ハガキからの画像ですが、「イチゴ」が持っているみずみずしさを、とてもよく表現しているように思えます。

 

また、この方は大きな作品は描いてなく、一つ一つの単一の絵を描いていたのがとても印象的でした。

 

その中にあって、こうした「風景画」の中には、彼女の「澄んだ目」を感じることができます。

 

これは「絵ハガキ」を抜粋したものですが、輪郭線を残し下地にある紙の色を使うことにより「木漏れ日」の感じがとてもよく出ています。

 

こうした作品を見ると、彼女の目の中には「透明感」に対するとてつもない「こだわり」がよく表れているように思えます。

 

こうした風景画を見ていても、独特の世界を感じてしまいます。

 

こうした絵を見ると、すぐに「アンドリュー・ワイエス」の絵を思い出しますが、「ワイエス」とは違い、空気の中が光を含んでいてとてつもなく澄んでいるのがわかります。

 

会場に少し異質な作品があり、作者に聞きましたが、これからは「こうした画法に向かって行きたい」という言葉がかえってきて、自分の型を破りたい心境にあるのがよくわかりました。

 

この絵は「水彩」ではなく、「アクリル」のようなもので描かれていますが、その目はどこか共通したものが感じられます。

 

それは「光」というものを常にとらえて、それを前面に出していこうとしているところだと思います。

 

人にはそれぞれ、描く根底になる部分があり、それを常に追求している姿がよく理解できます。

 

若い人は、このように簡単に自分のスタイルを変えていけますが、だんだんとそれがおっくうになるのが本音ではないでしょうか。

 

常に違う側面を見て、いろいろと試してみるそうした「柔軟性」を持ちたいとつくづく思うこの頃です。

 

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「平和のメッセンジャー」・・若い人の感性から

2011-05-22 08:51:33 | トッピックス

教え子の中に、「似顔絵」を描いている人がいます。

今、「広島」を中心に活躍中の「イラストレーター」で「似顔絵」を描いたり、「イラスト」を描いたり、「イラスト」を教えたりしています。

 

小林さんと言う人で、岩国出身で「漫画家」を目指して奮闘中ですが、その「似顔絵」の中にはとても明るいものを感じます。

 

独特のタッチで描かれたこの「似顔絵」の中に、私は「生きる喜び」や「明るい未来」のようなものを感じてしまいます。

 

今の世の中、いやなことばかりをマスコミは報道しますが、こうした絵を見ると人の心の中の楽観的な部分が見れ、「みんな頑張って生きよう!」と言うようなメッセージさえ見えてきます。

 

絵を描くことは、自分の描きたいものを描くだけの世界ではなく、こうした他の人々への「共感」を呼ぶ大きな力を持っているのもあります。

 

決して「芸術作品」ではありませんが、とても庶民的でだれもが「微笑んでしまう」そんな作品になっています。

 

肩のこらない作品で、思わず「今日の1日が楽しくなる」ようなものになっています。

 

小林さんは動物が好きで、こうした「ネコ」や「犬」もよく描きます。

 

「人とペット」というとても「家族的」なテーマを選んでいて、見る人に「幸せ」を売る人のようにも見えます。

 

今、世界中で」「漫画ブーム」がおきており、特に日本の漫画はよく読まれています。

 

日本の漫画がよく読まれる理由の一つに「ストーリー」が理解しやすいここと、「自分」をその漫画のキャラクターへ同化でき、感情移入ができることで、若い人を中心にすごい勢いで読まれています。

 

そういう意味では小林さんの作品も、そのなかに自分が入っていけるような要素があり、とても理解しやすいのではないでしょうか。

もし興味がある方は、7月9日に本人が「岩国市中央図書館」へ来て、その描き方を教えてくれます。

 

小林さんの人柄や、その制作過程を知る上でとても参考になるのではないかと思っています。

 

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