国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

仮説:中国政府は上海を独立させる為にわざとチベット問題を煽っている?

2008年03月31日 | 中国
チベット問題の真相は分かりにくい。中国がチベット人の反抗を一気に叩き潰そうとした様にも見えるが、AFP通信の3月28日の記事「チベット僧侶が抗議活動、外国人記者団に直接訴え」の様にチベット人の生の声を西側メディアに流すという大失態はあまりに杜撰である。やはり、中国はわざとチベット問題を国際問題化させることを狙っているとしか思えないのだ。 チベット問題が国際問題化すれば、北京オリンピックに参加する選手が抗議活動に参加する、あるいはオリンピックをボイコットするなどの動きに出る可能性は十分考えられる。国威発揚を目的としたオリンピックは恥辱にまみれ、中国は面子を失うことになる。中国政府自らがその様な行動に出る目的は何だろうか? 私の考える答えは、「中国を支配する上海閥は上海を中国から分離独立させることを狙っているがきっかけがない。そこで、チベットの分離独立を煽り、チベットの独立と同時に上海も独立させるシナリオを立てている」というものだ。チベットは国際的圧力に敗北して渋々独立を承認するという形にする。恐らく、一定期間香港のような一国二制度を適用し、その後独立の可否をチベット人の住民投票で決定する、という様な形になるのではないか。そして、近日中に上海でも独立を求める官製デモが起こり、最終的に上海はチベットと同時に一国二制度の適用や独立を獲得するのではないだろうか。 このシナリオでは、独立を獲得するチベットと上海が勝者となる。上海は貧しい地方を支援する為に中国政府によって多額の税金を徴収されており不満が高まっている。上海が中国本土を不良資産としてリストラし、これまで収奪されていた税金を自らの為に使えば香港に並ぶ地位を獲得できる。上海閥にとっては願ってもない話だ。上海閥は北京閥に破れて失脚したと言う説もあるが、羽田と上海虹橋空港を結ぶ路線が依然として運行されていることからも、現在の中国政府は上海閥に支配されていることが想像される。 日本・台湾・オーストラリアでは政権交代によって相次いで親中国派が政権を握っている。米国政府やロシア政府もチベット問題での批判は控えている。これは、中国の分裂をきっかけに人民解放軍が対外戦争を起こす可能性をつみ取ることが目的だろう。そして、平和の祭典オリンピックもまた、対外戦争を起こしづらくする要因である。 . . . 本文を読む
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