国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

1929年以降の世界大恐慌が繰り返されようとしている

2011年10月02日 | 経済
9月1ヶ月で銅価格は23%下落しているという。世界の銅の消費の40%を占める中国で、今年の銅の輸入量が26%減少していることが背景であるという。住宅や工場、鉄道などのインフラ建設が進む中国では銅や鉄の消費が激増しており、既に世界の資源消費の中心は欧米から中国に移転している。その中国で銅の輸入が26%減少しているという事実は、中国経済が大不況に突入していることを示している。 その一方で、欧州ではギリシャ危機が解決に至らず、スペインなどの南欧の大国に伝染する趨勢を崩していない。もはやユーロの維持は不可能であり、近未来に欧州は経済水準に合わせた幾つかの通貨圏に分裂していくことだろう。その過程で劇的な経済収縮が送ることは避けられない。 もう一つの極である米国でも、不動産バブル崩壊による大不況の中で歳出削減努力が始まっている。これは軍備の縮小を意味するが、それによって事実上米国の軍事占領下にあって米国の圧力で米国製品を購入してきたアジア諸国が米国製品購入を縮小する可能性が高い。同時に米国はドル切り下げなどの保護主義政策を採り、アジアからの対米輸出は激減すると思われる。 1929年以降の世界大恐慌が繰り返されようとしている。全ての日本人はこの現実を認識した上で対策を練る必要がある。この大恐慌は前回と同様に、世界覇権の移動(米国一極から多極化へ)と工業製品の過剰生産という二つの構造的問題を抱えている。それを解決するのは戦争しかないと考えている。日本にとってベストの解決策は、韓国の滅亡と中国内陸部の内戦化で東アジアの工場設備が破壊される一方で日本は戦争に巻き込まれないシナリオである。最悪の解決策は、日中戦争で日本が滅亡するシナリオである。戦争後の世界は、日本とドイツとカリフォルニアの三極によるブロック経済になると予想する。 . . . 本文を読む
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