国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

日本とASEANの上海協力機構加盟でアメリカの世界覇権は完全に崩壊

2011年10月25日 | 米国
米軍はイラクから年内に全面撤退する。中近東では米軍の主要基地はイラクに集中しており、従来サウジアラビアにあった大規模基地の多くは閉鎖されている。従って、米国のイラク撤退は米軍の中近東からの撤退を意味する。これによって、サウジアラビアをはじめとする中東産油国は米軍の占領下から自立することになる。これにより、中東産油国がドル建てで石油を売る石油ドル体制も崩壊する。 現在、米軍は西太平洋では従来の軍事力を維持すると主張している。しかし、石油ドル体制が崩壊すればもはや米国は軍事費を維持できなくなる。その結果は明らかで、日本や韓国から軍隊を引き揚げることになる。場合によっては日本が傭兵としてアメリカ海軍空軍に金を出して維持するという可能性があるのが唯一の例外である。 では、米軍がアジア大陸から撤退した後はどうなるのか?私は、上海協力機構がアジアのEU的システムに移行すると考えている。そして、恐らく上海協力機構の影の盟主は日本であり、日本やアセアン諸国が米国の支配下から脱して上海協力機構に加盟することで世界システム転換は終了すると考えている。米国が友好国と考えているインドやトルコ、アセアン諸国が既に上海協力機構にオブザーバー参加や客員参加、加盟申請などの形で参加し始めている。現在の日本は米軍の占領下にあり、亡命政権は北朝鮮政府を乗っ取った帝国陸軍残党である。北朝鮮と中国・ロシアの親密な関係を考えるならば、現在の日露・日中の対立は米軍と中露の対立に他ならず、米軍の撤退後は基本的に東アジアは安定した政治システムに移行すると私は予想している。それは、日本・中国・インド・ロシアの4大国の協調から成るウィーン体制に似た国際システムである。唯一戦争が起きるのが、米軍の撤退で滅亡する韓国であろう。 . . . 本文を読む
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