国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

イスラムの不寛容こそがイスラム諸国の経済発展を阻害している

2007年08月08日 | 中近東地域
●ドイツ:ケルン、投げられた石…大モスク計画の波紋 「イスラム教は全体主義だ」- 毎日新聞 2007年8月4日 

 ◇トルコ移民巡り、「ナチ扱い」批判も

 世界一巨大な大聖堂で知られるドイツ西部のケルンで同国最大のモスク(イスラム礼拝所)建設計画をめぐり、ナチスの迫害を受けたユダヤ人作家として名高いラルフ・ジョルダノ氏(84)が、イスラム教を西洋的価値に反する全体主義だと批判し、建設反対を主張したことが議論を巻き起こしている。同氏の発言は西欧とイスラムとの間の根深い溝を改めて想起させ、ドイツで独自のイスラム社会を築くトルコ移民と現地住民の融和に疑問を投げかけている。【ケルンで小谷守彦】

 大聖堂の西約4キロの場所で計画中のモスクは、収容人数約2000人の威容で、ミナレット(尖塔(せんとう))の高さは55メートルに及ぶ。ドイツ最大のイスラム団体「トルコ・イスラム宗教施設連合」(本部ケルン)が建設費最大約34億円を投じる予定だ。

 ジョルダノ氏はトルコ系宗教家との対談などで、「巨大モスクの建設を認めれば、イスラム社会とドイツの融和が進んだという誤ったシグナルを与えることになる」との持論を展開した。

 同氏の指摘通り、多くのトルコ系移民は地元社会となじめず、さまざまな摩擦が存在する。地元紙の世論調査によると、モスク建設に「賛成」と答えたのは全体の約36%で、「反対」の約31%に「計画縮小を望む」の27%を加えると、過半数は現状の計画を歓迎していないことが分かる。

 同氏はナチス秘密警察に虐待された体験などをもとに、87年に著作「第二の罪 ドイツ人であることの重荷」を発行。過去を正当化する戦後ドイツ人の心情を辛らつに批判し、左派層を中心に評価を得た。

 だが、今回の論争で同氏が少数派トルコ系移民のイスラム教的な慣習・伝統を「ナチスの全体主義」と同列に扱ったことに、メディアの論調は批判的だ。宗教施設連合の広報担当のキリチュさんは「我々はドイツ社会との融和に努力してきた。モスクも(伝統的な)オスマン様式でなく、現代ドイツにふさわしいデザインだ」と反論している。

 ■「反対」表明したジョルダノ氏語る

 --反対の経緯は。

 ◆我々は過去約30年間、融和を目指して話し合ってきたが、何も変わらなかった。トルコ人イスラム教徒(移民)に融和の意思も能力もないからだ。(自分の)発言には何百通もの手紙が届くなど反響があった。女性の地位を認めないトルコ人の慣習や伝統は、ドイツの基本法(憲法)の原則である多元主義や民主主義と相いれない。

 --「西洋的価値」とは。

 ◆どんな内容でも恐れず対話できることだ。(イスラム教の預言者ムハンマドを侮辱したとして殺害を命じる宗教令が出されている英作家)ラシュディ氏は、イスラムが「公道でのキスや議論、三流芝居、映画、思想の自由、美、愛」などを認めないと批判している。

 --融和策は。

 ◆政府は(ドイツ人向け)教育プログラムを実施しているが、トルコ人イスラム教徒にもなすべきことは多い。口先だけでなく基本法に従うことだ。英国はイスラム教徒の要求に屈し自らの文化的伝統を否定した。私はドイツにイスラム化してほしくない。

 ◇独国内の外国人730万人、トルコ人は最多270万人

 ドイツ政府の統計によると、全人口8200万人のうち外国人は730万人。最多のトルコ人は270万人に上る。戦後、外国人労働者を政策的に受け入れたドイツは、現在では英国やフランスをしのぐ移民大国となっている。

 ドイツは1961年、トルコと労働力募集協定を締結。73年の石油危機でいったん移民の停止を求めたが、80年代のトルコ政局の混乱で政治難民が発生し、流入が続いた。外国人排斥の対象にもなり、90年代前半にはトルコ人狙いの放火殺人事件が相次いだ。

 ルール工業地帯近郊のケルンでは、人口100万人の1割近くをトルコ系が占める。トルコ人はかつて工場敷地や地下倉庫をイスラム教の礼拝に使ったが、近年は各都市でモスクを建設。ウェルト紙によると、国内のモスクは現在159カ所で、他に184カ所が建設中か計画中という。
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/europe/news/20070804ddm007030011000c.html





●中東TODAY: No.658 イスラム教徒の改宗は死罪 佐々木良昭 2007年07月25日

イスラム教ではイスラム教を離れ他の宗教に改宗すること(リッダ)は死罪となっている。しかし、今回エジプトの宗教的最高権威であるムフテイがこれまでの解釈とは全く異なる判断(ファトワ)を下した。

エジプトのイスラム教法学の最高権威であるムフテイのアリー・ゴモア氏が「イスラム教徒は他の宗教に改宗することが出来る」と発言し、話題を呼んでいる。

 宗教的にはさほど厳しくない日本においては、個人がある宗教から他の宗教に改宗することは、当然の権利であろうと思われているが、イスラム教徒がキリスト教や他の宗教に改宗することは、イスラム社会では生命の危険を伴う至難の業なのだ。

 イスラム教を離脱し、他宗教に入信した者は、死罪ということになる。それはイスラム初期に例があるからだ。預言者ムハンマドが死去した後、アラブ人のムスリムのなかには、イスラム教から離脱する者が続出したが、そのときはイスラム教徒側が力で抑え込んでいる。

 エジプトのイスラム教の最高権威であるムフテイであるアリー・ゴモア氏が、今回他宗教への改宗を認めたことは、ワシントン・ポストに掲載されたものだが、大きなショックとして、この話題はイスラム世界で広がっていくものと思われる。

 イスラム世界では、預言者ムハンマドや彼の追従者たち(アスハーブ)が行ったことが、最も確実な法的根拠となっているため、今回のムフテイの判断は、これと異なるものと考えられる可能性があり、反論を呼びおこす可能性があるからだ。

 だが、このニュースをよく読んでみると、どうやら今回のファトワは、例外的な措置であり、しかも政治的な配慮がなされた結果である可能性が多分にある。それは、ここで対象になっているイスラム教徒とは、エジプトのコプト・キリスト教徒がイスラム教に入信した後、不都合を感じコプト・キリスト教徒に戻りたい、というケースが発生したことから出されたものだからだ。

 したがって、エジプトのムフテイは、コプト・キリスト教徒からイスラム教徒に改宗した者が、再びコプト・キリスト教に戻ることを認めたのであり、いわば、臨時的救済措置であり、政治的判断が伴ったものであったということであろう。

元来、イスラム教徒であった者が、たとえば仏教徒やキリスト教徒に、改宗することを認めたものではないということである。

 これがイスラム教徒からの他宗教への改宗を、全面的に認めるものであるとすれば、世界中のイスラム法学者(フカハ―)から、激しい非難を浴びることになったであろうと思われるし、世界のイスラム法学者が一堂に会し、大激論が交わされ、最終的には否定されるであろうことが予想される。

 天啓宗教の最終的かつ最高の形に完成されたイスラム教を信奉する者が、他宗教に改宗するということは、イスラム教とその神アッラーに対する最大の侮辱とみなされるからだ。

 イスラム教に限らず、キリスト教でもユダヤ教でも天啓宗教には共通した神と個人とのルールがあるということだ。
http://www.tkfd.or.jp/blog/sasaki/2007/07/no_54.html





●株式日記と経済展望 あらゆる宗教の共生が可能となる世界は現代でも実現されていません。
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/e/85f081ab49fca6a0e3d30275c6cdf370






【私のコメント】
他宗教への改宗が死罪となるイスラム教は、信者の中でばらつきはあるだろうが、世界の主要宗教の中で最も原理主義的だろう。そして、その原理主義的な人々が高い生活水準を求めて欧州に大量に移住している。

しかし、欧州の生活水準の高さは宗教的寛容性を含めた欧米文化と切り離せない。欧米人の中には少数だがキリスト教から仏教(創価学会を含む)やイスラム教に改宗するものが存在するが、彼らが処罰を受けることはない。唯一の多神教先進国である日本は欧米より宗教的寛容性が更に高いことは、日本人がクリスマスや初詣、葬式などで複数の宗教を使い分けていることからも明らかだ。つまり、「他宗教への改宗を認めない」という現在のイスラム教の教義こそが、イスラム世界の大部分を低開発国の地位に留める原動力になっていると思われる。

欧州ではイスラム移民の出生率は全体に高い上、移民も停止していない。改宗が死罪であり続ける限り欧州のイスラム人口は増加の一途を辿るだろう。その結果、近い将来には欧州人口の過半数がイスラム教徒になり、欧州諸国は現在の中東と同様の低開発国に転落して欧州文明は死滅することになる。

その様な事態を避けるためにはどうすればいいのか?答えは二つしかないだろう。

一つはイスラム教が自己改革を行って、文明と両立できる世俗的宗教に進化することである。現在のトルコ西部などの状況が参考になるだろう。それは広大なイスラム世界が先進国化することで巨大な市場を生み出すことに繋がり、日本や欧米にとっても有益である。ただし、その過程では預言者ムハンマドや彼の追従者たちといった従来の権威の一部を否定するという難関が待ち受けている。果たして実行可能かどうかは疑問である。長沼真一郎氏の主張する「テクノ・ウラマー構想」は、日本の協力によってイスラム世界の世俗化を実現するという試みであると思われる。また、イラン・イスラム革命に代表されるイスラム原理主義の動きとは、原理主義にうんざりした自国民を世俗化させるための陰謀なのかもしれない。

もう一つは、イスラムの世俗化が不十分に終わる、あるいは失敗する場合である。この場合、欧州やロシアは自国の文明を維持する為に、江戸時代のキリシタン弾圧政策と同様に域内のイスラム教徒を弾圧することが必要になるだろう。その方法としては、他宗教への改宗の強制、イスラム圏への追放といった強硬なものが選択枝に上がってくるはずだ。生温い手段では原理主義的な一神教を根絶できないだろう。

先代及び現在のローマ教皇は他宗教・他の宗派との対話を推進している。これは、原理主義的なキリスト教徒が凄惨な宗教戦争を引き起こした歴史を反省したものであると思われる。その結果、欧州世界は複数のキリスト教宗派が平和的に混在するという、日本の仏教に似た状況に移行しつつあるとも言えるだろう。そして、欧州世界が真に一神教の弊害克服を目指すならば、キリスト教の普及によって撲滅されたギリシャ神話・ケルト神話・ペルシャの拝火教(ミトラ教)などの過去の多神教を復活させることも必要になってくるのではないかと想像する。

欧州人にとって最もなじみの深い多神教がギリシャ神話であろうことは言うまでもないだろう。ケルト神話と異なり、ギリシャ神話は欧州文明の源流であるギリシャ文明の一部である。そして、そのギリシャ文明の遺跡の多くが現在トルコ領になっているイスタンブール近郊やイズミル近郊に存在している。ロシアも含めた欧州世界が何らかの形でイスタンブールやイズミルを奪還したいと考えるのは無理もない。現在のようにイスタンブールやイズミルがトルコに支配された状態で欧州世界とイスラム世界の境界線が形成されるならば、それは「侵略者トルコ人から領土を奪還せよ」という十字軍的な衝動を全欧州に引き起こすことになるのではないだろうか。一方のトルコでは反EU的感情が高まっており、自らが侵略者であることを反省し欧州に謝罪するという姿勢は見られない。やはり、近い将来に欧州とトルコの間で何らかの形で戦争が起きることは避けられないと予想する。

世俗主義と選民主義的原理主義の対立はイスラエル国内のユダヤ人にも存在する。東欧出身で支配階層のアシュケナジーがより世俗的、中近東などを出身地とするスファラディがより原理主義的という話もある。将来的にはアシュケナジーは欧州への移住を許可されることで既に合意が成立しているのではないかと想像する。
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22 コメント

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お前が言うな(笑) (三十郎)
2007-08-09 09:28:04
日本で在日●○人と在日△凸人が喧嘩をはじめた様なものですね‥。

元々、トルコ人とクルド人が喧嘩してる所に、

ユダヤ人まで名乗りをあげた‥みたいな‥。





ドイツ人はウンザリ?





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Unknown (とおる)
2007-08-09 11:01:38
イスラムの不寛容がイスラムの経済発展を、本当に阻害しているのでしょうか?
イスラム教の国UAE(アラブ首長国連邦)は経済発展をしていると思いますが、この国は、どのように分析されますか?
西欧が、中東のイスラム世界に比べて科学・技術が遅れていた時代には、イスラムは寛容だったのでしょうか?
イスラムの不寛容か、あるいは、イスラム教の宗派の不寛容なのでしょうか、あるいは、キリスト教の国々に植民地として支配された経験から不寛容になっているのでしょうか?
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Unknown (Unknown)
2007-08-09 12:37:51
イスラムだけが不寛容なのでしょうか?『「公道でのキスや議論、三流芝居、映画、思想の自由、美、愛」などを認めないと批判している。』という思想自体がそれらを不道徳と感じるイスラムに対しての不寛容ではないでしょうか?他の宗教や価値観を認めないのは「福音の騎士」を山ほど擁するキリスト教も同様であって、現在のアフガンの人質事件の原因はそこでしょう。宗教もイデオロギーも相対的であって、絶対はありません。イスラム教徒の方が正しい事例は枚挙に暇がありません。
それはともかく、日本はエルトゥールル号の一件もあり、そのあとの湾岸戦争時の恩返しもあり、トルコとはもっと親密でよいと思いますがいかがでしょうか?
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トルコは欧州より中央アジアに目を向けるべきと指摘してやればどうか (蔵信芳樹)
2007-08-09 13:52:31
トルコ系ヨーロッパ人のうまい使い方を考えてみた。中央アジアのトルコ系民族の国々へ殖民させるのだ。トルクメニスタンとかカザフスタンとかさ。あの辺は本来はトルコ系民族の縄張りだけど随分とスラブ人が侵食している。最近じゃ中国人まで進入している。殖民に伴うカネはEUに出させればいい。EUにしてみればトルコ系を追い出せるうえにロシアを牽制できる。一石二鳥だ。トルコは他のトルコ系民族の国々と国境を接していないためにこのような発想が浮かばないんだな。
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Unknown (旅のもの)
2007-08-09 16:52:45
小アジアに居住していたギリシャ人の追放、アルメニア人虐殺が起こったのは、「世俗派」と呼ばれるアタチュルクの軍事勢力がオスマンを倒して、トルコを支配していからですね。

オスマン帝国の時代は、あくまで格下の被征服民族としてですが、彼らとトルコ人は一応は共存していた筈ですが。

欧州世界が対決するのは、旧来の「事大主義」に囚われているトルコの現「世俗派」勢力ということになりますかね・・・
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ダルビッシュ (Unknown)
2007-08-09 18:43:46
http://ytaka2011.blog105.fc2.com/blog-category-3.html
何かが起こりそうな8月

本来なら議会の承認を必要とする大きな計画を実行してしまうには、
このような空白期間は絶好の機会になる。一方、一時はイラク戦争
の失敗や相次ぐスキャンダルなどで衰退したかに見えたネオコンは
再度盛り返し、ブッシュ政権内部で強行にイラン攻撃を主張し始め
ている。「Guardian」の記事、「Cheney pushes Bush to act on
Iran」を要約する。「残り18ヶ月で政権を離れるに伴い、ブッシュ
政権内ではイラン攻撃を積極的に推進すべきだとの強硬な意見が
チェイニー副大統領からあがり、大統領もこれに同意している模
様だ。大統領は、"私の政権ではイランの問題は中途半端にしては
おかない"と語っている。」
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Unknown (Unknown)
2007-08-09 18:48:34
いつまでもイスラムが遅れていると考えているのは日本人だけ。UAEの平均所得は9万ドル、日本円で1000万円以上の年収があり。


「ユニクロ」を運営するファーストリテイリングは9日、米国の高級百貨店チェーン「バーニーズ・ニューヨーク」の買収を断念したと発表した。アラブ首長国連邦(UAE)の国営投資会社の示した条件以上の買収額を示せなかった。

(2007/08/09 15:51)
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Unknown (河東)
2007-08-09 21:15:06
 もともとイスラムは開放的な宗教だったはず、どこで踏み外したのでしょうか。
 改宗不可のあたり?

 イスラム原理主義が経済の発展を阻害しているとはおもいますが、原理主義者はどんな宗教思想集団どこにでも発生します。
 本来少数派であるべき(あるいは目に付かないようにしている)原理主義が大手を振って政治経済に介入しているのが原因の一つと感じます。

 あと、トルコは第一次欧州戦争の時どさくさ紛れにカフカスから中央アジアを伺い失敗しています。
 ロシアどん底時代ならともかく、現状では同じ手は使えないのでは。
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UAEには未来はない (princeofwales1941)
2007-08-09 21:56:16
>いつまでもイスラムが遅れていると考えているのは日本人だけ。UAEの平均所得は9万ドル、日本円で1000万円以上の年収があり。


UAEの繁栄は石油収入に依存しきっています。石油が枯渇すればUAEが貧困国家に逆戻りするのは目に見えています。

同じ産油国でも、ノルウェーでは自国民が漁業・農業・観光業などの地道な産業に数多く従事しています。ゴミ処理、公園の草刈りなどの肉体労働すら、金髪碧眼のノルウェー人が数多く従事しています。北海油田のある深海底での作業員などの特殊技術をもつ企業もあります。ノルウェーは現在は石油や天然ガスの輸出で潤っていますが、近い将来にそれが枯渇するとされています。しかし、枯渇後もノルウェーの未来は安泰だと思います。

一方でクウェートやUAEなどの湾岸産油国はどうでしょうか?肉体労働やホテル従業員などの地道な仕事のほとんどは外国人労働者に依存しているのではないですか?

私は、現在のような状況が続く限りUAEやクウェートには未来はないと思っています。化石燃料枯渇後はこれらの国家は維持不可能となり、周辺国に吸収されて消滅するのではないでしょうか?農業などの伝統的産業を維持しており、多くの国民が肉体労働に従事しているイエメン、ヨルダン、イラク、シリア、イラン、エジプトなどが未来の中近東イスラム圏の中心になっていくと思っています。

わたしがかつてブログで紹介した米国のロン・ポール下院議員の「ドル覇権の消滅」と題する議会演説では、ドル覇権の成立によって貯蓄すること、生産する事への動機が失われ、その一方で借金やとめどない浪費が奨励され、結果的に米国の国民性が破壊されたと主張しています。UAEやクウェートの国民についても同じことが言えるのではないでしょうか?
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Unknown (とおる)
2007-08-10 14:04:59
> UAEの繁栄は石油収入に依存しきっています。石油が枯渇すればUAEが貧困国家に逆戻りするのは目に見えています。

石油収入に依存しているという指摘は、正しいと思いますが、石油に依存しない体質作りを行っていることも忘れないで下さい。
(1)地理的な位置を利用した国際貿易の中継地
(2)観光開発
(3)オイルマネーを利用した投資業
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