26日のパンピエールピアノデュオコンサートで私が演奏する曲の2曲目は、ラヴェルのラ・ヴァルス。
「ヴァルス」はフランス語で、ワルツのことです。
原曲は、管弦楽のための舞踏詩「ラ・ヴァルス」で、ラヴェル(1875~1937)が、1919年12月から1920年3月にかけて作曲した管弦楽曲です。
1906年ヨハン・シュトラウス2世へのオマージュとして、交響詩風のウィンナワルツを書くという構想を持っていましたが、第一次世界大戦が勃発したため、断念し、終戦後にようやく日の目を見たというわけです。
その後続けて2台ピアノ版を作り、初演は2台ピアノの方が先で、2か月後に管弦楽の初演が行われました。
楽譜冒頭に舞踏会の様子が記され、曲はほぼそのプログラムによって進められています。
下記のような意味です。
渦巻く雲の切れ目からワルツを踊る数組の男女が垣間見える。
雲が次第に晴れてくると、ワルツを踊る人々でいっぱいの大広間が見えてくる。
舞台は次第に明るくなり、シャンデリアの光がキラキラと輝き渡る。
1855年頃の宮廷。
ワルツを楽しく踊っているような情景が思い浮かぶような音楽で、いかにもワルツ…という感じが何とも言えず楽しい…。
原曲が管弦楽なので、どうしてもピアノでは出し切れない表現もあり、なかなか難しいところですが、2台ピアノならではの音響効果と色彩効果をうまく表現したいところです。