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    by ぷーどる♂ & ぷーどる♀

鉄製タンクの処理 ~JUWEL33~ 前編

2019-05-05 09:46:37 | ぷ♂の日記
結構好きな軍用ストーブ、旧西ドイツのJUWELシリーズ。
過去にも何度かご紹介しておりますが、(333434中期型
今回はストーブ単体のこのようなものが入荷しました。

DSCN2653.jpg
ヘッドさびさびのJUWEL33

でもまあ、見た目に反し状態はそう悪くない。
というのも、以前のオーナーが自家塗装したようで、
その際タンクのさびは大方奇麗に取ってくれているから。

DSCN2658.jpg
ほら、塗装をはがした部分には銀色の鉄の地金が見えるでしょう?

幸いタンク内も大きな腐食はないようなので、
一度きれいにしてからなにかケースをこしらえて普段使いの一台にしようかなと…

でも、その後のオーナーがこの塗装の厚ぼったさに嫌気がさしたのか、
私の手元に来た時には、先ほどのように中途半端な状態でしたので、
このあたりは一度塗装をはがし奇麗にせねばなりません。

というわけで、まずは分解清掃。

DSCN2716.jpg
このストーブは、チューブとチューリップのみが真鍮製で、
ほかのパーツはほぼ鉄製のため、固着よりもむしろサビでの腐食を心配しましたが、
幸いサビはほとんどなく、これなら上d系の状態。
思うに、スピンドルや内部がカーボンでコーティングされていたのが帰ってよかったのかも?

とはいえ、パッキン類はほぼ全滅で、グラファイトガスケットについては、
恐らく石綿を詰め込んで代用していた感じです。

そんなわけで、サクっとお掃除♪

DSCN2723.jpg
よし、こんなもんだろう♪

さて、次はタンクの掃除。
まずは塗装をはがさねばならんので、剥離剤を塗りたくり皮膜を軟化させます。
DSCN2717.jpg
剥離剤はほとんどのプラ製品を侵すので、容器は陶器が一番。

ですが!

最近の剥離液は環境に優しいだけでなく、皮膜もすごく優しい!
塗っても、塗っても、待っても、待っても、一向に柔くならない!

結局一缶ほとんど使用したにもかかわらず、
最終的には、金属のへらで削り取らねばならないような!
昔の薬剤なら、数分で皮膜がボロボロになって楽だったのに…

てなわけで、一応塗装は剥げたのですが、細かな部分に入り込んだもの、
特に、タンク上面の細かな刻印に入り込んだ塗装がなかなか取れない!

で、シンナーなどで試してみるもなかなか作業が進まない!
で、そういう話を友人にしていたら、
「バイク用品メーカーから強いのが出ているよ!」
とのこと!

そこで、さっそくそれを注文しようとしたところ、
運良く近所に昔からあるペンキ屋さんで昔のタイプの剥離液をゲット!

てなわけで、何とか塗装が剥げました。

DSCN2830.jpg
でもこうしてみると、
細かな錆がやはり目立つな…


さて、ここで少し考えました。
このタンクは鉄なんで、塗装をせねばすぐ錆びてくる。
でも、タンクの刻印は細かく浅いので、塗装が熱いと刻印が不明瞭になる。
では、塗装せずに何とかできないものか?

そこで思いついたのがメッキ
亜鉛や銅だと家にある材料で簡単にできるからいいんでない?
でも、あまりピカピカ光るのはなんか違うよな…

そこで次に思いついたのが黒さび化
タンク表面をトーチで500度以上に加熱してやれば、
鉄と酸素が反応を起こし、安定した四酸化三鉄(Fe₃O₄)に変化するからさびにくい!
しかも、ミクロン単位での変化なので、刻印もばっちり!

でも、どのみちそれらの処理のためにはさび落としは必須だね。
でも、タンク内部はどうしよう?
ああ、そうか、いつも通りリン酸で処理すればいいか♪
あれなら、すでにある赤さびにも反応して、リン酸塩皮膜をつくるから。

ん?
まてよ?


ということは、タンク表面もそうすりゃいいのでは?
それなら面倒な錆び落としも不要じゃん?

というわけで、あちこち考えが寄り道した挙句、
結局このタンクは倫さ処理して使用することにしました。

けっこう長くなったので次回に続きます。

(*^人^*)


*今日の豆知識*

水洗いしたタンクは内部の水をよく切ったのち、
細く切った綿生地を内部に突っ込み、このように傾けて放置しておきましょう。

DSCN2837.jpg
結構はやく内部が乾いてくれます。
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