◎二つのスパイラル
(2010-09-12)
京都三条大橋東詰に、だんのうさんと呼ばれている壇王法林寺では、主夜神を祀っている。主夜神のお使いがまねき猫。
昭和八年の京都民俗誌には、壇王法林寺の招き猫は緑色の猫で右手を挙げている。これにより、江戸時代には民間では左手を上げた招き猫しか作らせなかったとのこと。(出典:招き猫博覧会/白石書店)
開運招福系の地母神信仰なら、カーリーや黒いマリアと類似だろうから、右手挙げだという示唆である。
ところが世間に出回っているものは、右手挙げも、左手挙げもあり、両手挙げのものまであるという。最近は作る方もこだわっていないようだ。
右手挙げなら左手は下がっており、気は時計回りスパイラルに上がるイメージ。一方左手挙げなら右手は下がっており、気は逆時計回りスパイラルに上がるイメージ。
お寺の卍マークは、時計回りで、ナチスのハーケン・クロイツは逆時計回り。
こうしたものは、タロットや西洋占星術などもそうだか、肉体や物質レベルを読む場合と精神について読む場合とでは、意味が逆になる。開運招福、現世利益ならば物質レベルのことなので、その目的に合った手を挙げたものを用いなければならない。
さはさりながら、そんな自分に都合の良いことばっかりやっているから世間は大混乱の巷となっているわけである。