田中康弘著「山怪」を読んだ。
帯には「山で働き暮らす人々が実際に遭遇した奇妙な体験」とある。
ネットのどこかで紹介されていた本だ。
私は興味を持ったけれど、そういう人はさほどいないだろうと思って
図書館で予約したら、半年以上待った。
意外に読みたい人が多かったようだ。
著者が日本中を歩いて、マタギ(猟師さん)の方々の体験談を集めたものだ。
ある日山で行方譜目になった人があり得ない場所で発見されたが、本人は何も覚えていない
昨日までなかった道が現れて、翌日には消えていた、など、
不思議な話が集められている。
その中に筆者自身が体験した「ナビの策略」という話がある。
丹波篠山で取材を終え、ホテルへ向かっているときのこと。
そのホテルは初めてだったので、ナビに頼って車で走った。
途中の分かれ道で、自分が予想したのと違う道を行くようにナビが指示した。
変だなと思いつつも、近道があるのだろうと従った。
ところが、だんだんと道は狭くなり、民家が無くなって行く。
不安になりながらもナビ従っていたら、遂には車1台がやっとというところまで来てしまった。
それでもナビは道なりに進めと言い続ける。
どう考えてもおかしいと、少し広い場所までバックし、
そこで何度もハンドルを切って、方向変換した。
真っ暗な中、恐怖に震えながら
車のライトだけを頼りに、片側は崖の道を何とか引き返した。
そしてやっとホテルへたどり着いた。
その間もナビは、元の道へ戻れ戻れと叫び続けていた。
翌日、PCの地図を広げて、あのまま進んでいたらどこへ行ったのか調べてみると
山の頂上だった。
ナビに悪霊が乗り移ったかのような話だけれど、
山道でナビが狂うというのは実際によくあるそうだ。
衛星からの電波が届かなくなるのだろう。
それなら沈黙しているばいいものを、迷惑な話だ。
私なら、パニックだろうな。
多くの山の怪異は、ちゃんと調べれば説明のつくものなのかもしれないが、
そうと言えない物も多いそうだ。
そういう怪異の話は、ゲームに夢中の孫に語り聞かせることもなくなって、
忘れ去られていくばかりだそうだ。
読んでいて背筋がゾッとしてきました
珊瑚さんはこういう本も読まれるんですね
ある仲間である場所に行く時、山間を走らなければならない時がありました
道路はしっかり舗装されいたけれど両側は林で対向車もない
他の人は楽しそうにしていましたが、私は一人で怖くなり口数も少なく・・・・
そんなことを思い出しました
この記事を読んでいて、昨夏の富良野からトマムまでレンタカーで行き、ナビが教えた原生林のなかの道を通り抜けた時の恐怖を思い出しました。山道でナビが狂うことが実際にあるんですね~。ひとつ賢くなりましたよ(^-^)
現実に自分の周囲にあったら嫌ですけど。
車が一台も通らない道を走っているときって、私も不安になります。
途中で燃料切れになったらどうしようとか、いろいろ考えてしまいます。
一昨年、比叡山に上ったのですが、途中で雪が降ってきてノーマルタイヤだったもので、別の意味で恐怖でした。
あの時は1本道でしたから、ナビがどうだったか記憶がないんですが、山道でナビが狂うのは珍しくない様です。
紙の地図も必要なんですね。