ネイビーブルーに恋をして

バーキン片手に靖國神社

二種軍装の花婿

2012-09-25 | 自衛隊

元海上幕僚長にお目にかかった話をしたとき、
会話が中途半端で終わってしまったので
「こうなったら銀座の宜候にでもお連れして続きを」
と、ちょっと意欲的に語ってみました。

といいながら別に何もしなかったわけですが(笑)。


ところが講演会の後、たまたまそのときにやはり会に参加しておられた
幕僚長の防大のクラスメートという方が、声をかけて下さって、
「東京で会いましょう」
ということになり、あれよあれよと言ううちに話は進み、一席設けてお食事を、
という運びとなってしまいました。
しかもそのとき、その方が

「赤☆とイ○ミにも声をかけましたから」

とおっしゃってくださったのでございます。
イ○ミというのは、元呉地方総監だった、知る人ぞ知る「軍関係者」。

やった~!!

これで、
「元海上幕僚長と元海将とエリス中尉(爆)」
という夢の顔合わせが実現するのか?!

ところが、元海将はちょうど少し前から「出張中」。
そして、肝心の元海幕長は、前日まで「調整中」。
当日に返事が来て「やっぱり行けません」

・・・・・・・orz

なぜだかわかります?

そう「対中国情勢の悪化」でございます。
いくら元海幕長でも、もう退官した人間が、なぜ?
これはですね、「軍同士」のおつきあいの問題。
政治レベルの折衝は軍同士には全く関係ありません。
しかしながら、だからこそ普段から海軍同士というのは、交流を深めているわけですね。
ですから、こんなときであるからこそ「現場レベルでのナニカ」
が、全くこれは予想ですが交流レベルで必要になってくると。

という勝手な予想をしてみました。

そもそもそういう時期が時期だけに、そういう、今も半公人である方が銀座で、
プライベートとはいえアソんでいるように思われては、いろいろと都合も悪いことがあるのではないかなあ、
とわたしは「来るかもしれない」と返事があったときから、実は胸を痛めていたのですが・・・・。
やはり、どちらの理由かはわかりませんが、来られない、ということになったのでした。

しかし、当日の朝ぎりぎりまで調整して下さっていたということは
「とりあえず来ようと努力して下さっていた」ってことですよね?

というわけで、中国問題が落ち着いたら、実現の可能性もあるのかなと、
これもあまり期待せず待ちたいと思っております。


このときエリス中尉が大変期待していたことがあります。
それは、元海幕長は奥様同伴で!!来られる、と最初おっしゃっていたこと。

覚えていますか?

「海上幕僚長の奥様であるのはどんな方なのかしら」

とエリス中尉が考えたという話を。
その興味と疑問が一挙に解決するチャンスだったのに・・・・・。

しかし、この日お目にかかった氏の同期のO氏は、奥様同伴で、
しかもその奥方というのが、元海幕長を
「赤☆クン」呼ばわり?するというくらいご夫妻と親しい方。
これは、いろいろと聞けそうではないですか。

待ち合わせは王道の「銀座和光前」。
われわれが三越前に着いたのが15分前。
「少し早かったかな」というと、TOが
「海軍五分前をなめたらイカン」

いつの間に・・・・TO・・・・。

その方は、防大を卒業した後、自衛官にはならず会社経営をなさっている方。
世には最初から防衛大学を「通過点」のように割り切って卒業し、親の会社など継いで
経営者になってしまう卒業者もいるそうですが、一般的にそういう方と自衛官との付き合いは
同期でもあまりないのが普通だそうです。
その方が海幕長や海将といまでも付き合いがあるのは、やめた理由が怪我だから。
高校生時代の事故の後遺症が防大時代のラグビーのときにでてしまったのだとか。

というわけでこのO氏、任官はなさらなかったのですが、青春の最も多感な時期を厳しい訓練と、
学業(航空工学)、そして精神的な錬磨に明け暮れた方というのは、佇まいに自ずと
「芯」とでもいうべきものが感じられるものです。、
それは、人混みの和光前においても目立つ、その方の放つオーラに表れていました。

「木村屋(となりのあんパン屋)で今買い物している」
ということで5分ほどして現れたこの方の奥方は、草笛光子風の美人妻。
なんと音楽関係の方です。
今でも現役で仕事をなさっている方ですが、物腰優雅で、良家の奥様風、
当然ながらエレガント、しかしながら人を打ち解けさせる明るさを持った「手荒くナイス」です。

食事は万が一のことも考えて「人目につかないところがよい」と考えたTOが、
隠れ家のようなお座敷を予約してくれました。
銀座「ライオン」の上の階にあります。

デザート。

話に夢中で全く写真を撮りませんでしたが、かろうじて撮った一枚。
抹茶のムースに栗のチョコレートケーキ。

話は防大時代の訓練の話になりました。

「よく、カッターの訓練で、お尻の皮が剥けて血が、なんて聞きますが、今もですか」
「本当ですよ。お尻だけじゃなく、手の皮も剥けるんです。
指紋がなくなってしまった、なんて話もありますし、それで他の訓練、鉄棒なんぞしようものなら」
「ひぃいい」
「皮が鉄棒にくっついて、その『人の皮』ごと上からまた鉄棒を握らなきゃならない」
「あああぁあ」
「カッターは板の上を事業服のズボンを穿いただけで何百回と擦るわけですから、当然血がにじんで」
「ひょおぉお」
「上向きに寝られないんですよ。皆俯せ。ところが朝になったらいつの間にか上を向いているので、
シーツとにじみ出た浸出液と、剥けた皮が一緒になってズボンを脱いだらそれがばりばりと」
「うぁあああ」

そして、そんな訓練を共に受ける「同級生」の繋がり、というのは昔も今も大変強いのだとか。

「だって、お互い剥けたお尻に赤チン(!)を塗り合うんですから。もう家族以上ですよ」
「家族には意外と見せないかもしれませんね」

話は先日の講演会の話になりました。
「実はどこに座るかはくじ引きだったのですが、主催の方が『赤☆さんと同じ卓におきました』って。
それくじ引きじゃないですよね。しかも、『隣開けてますから。行っちゃえ行っちゃえ』といわれて、
厚かましくもお隣に座らせていただきまして」

「赤☆クン、キレーな人の隣でうれしかったんじゃない?」(奥方)

こういうことをすらっとおっしゃる方なんですよ。
キレー云々はともかく(しかししっかり自慢かたがた書いてしまう満更でもないエリス中尉)
海上幕僚長をクンづけかー。かっこいい=(意味不明)

この方の夫も、防大出の優秀な「超優良株」でいらしたからこそ、おそらくこのような天真欄間、
美人で人並み以上に取り柄もあるような、二物も三物も与えられている女性を娶ったわけですが、
では問題の「赤☆クン」は?

エリス中尉が目の色変えて聞かずとも、そのあたりは美人妻がちゃんと教えて下さいました。
赤☆氏の奥様はご母堂同士が幼なじみだったご縁で知り合ったそうで、
この奥様も当然のようにお美しい方だそうでございます。

「在任中、ご本人はもちろんですが、家族の方もきっとご心労は大変でいらしたのでは?」

と訪ねてみたのですが、「あのとき、やつれてたよね・・・・」とだけおっしゃっていました。
奥様のことか、赤☆氏のことかは伺いませんでした。 
おそらくどちらもを指しておられたのではないかと・・・。

ちなみに、赤☆氏のご息女は音楽をなさっている(詳細は秘密)ということで、今回、
何かと音楽関係者の存在が目につくのも何かのご縁と言うべきかもしれません。


ところで、今でも十分お美しいこの方がO氏とめでたく結婚の運びとなり、
花も恥じらう美しい花嫁になったときのこと。
新郎のO氏はすでにそのとき自衛官に進むことを断念し、経済界へのチャレンジを図っていました。
お二人が出逢ったのはO氏が防衛大学生の頃。

「もう、その制服姿が素敵だったんですよ」

ん?どっかで聞いたことあるぞ。こんな話。
エリス中尉は、実生活では決して口にしませんが、
何しろ海軍はもちろんのこと自衛隊のりりしい制服姿に目がありませんので、
実はこのO氏夫人の気持ちがいやっ!というほどわかります。
わたしだって、もし適齢期にご縁があって、自衛官と個人的に知り合っていたら、
取りあえずその制服姿にイチコロに参ってしまっていたのではないか、と言う気すらします。

そんなO氏が自衛官でなくなる、というのは夫人にとって至極残念なことではあったのかもしれません。
だからといって女性が「自衛官でないあなたには魅力を感じないの」とか何とか言ってフッてしまう、
などという不幸がこの二人に起こらなかったのは慶賀に堪えません。
なんと言ってもO氏自身の魅力と人間性に惹かれて彼女は伴侶になることを決意したのですね。
うんうん。

しかし。

結婚式。ああ、結婚式にだけは、乙女であったところのO氏夫人には強いこだわりがあったのです。
もうすでに自衛隊に籍が無いのにもかかわらず、新婦の強い希望により、O氏は結婚式のために

純白の第二種を、自衛隊にわざわざ借りに行くという羽目になってしまいました。

「よく借りられましたね・・・・・」
ちょっとこのあたりの自衛隊の融通の利かせ方というのも信じられないのですが、
きっとそういうことを管理する「被服係」にコネクションでもあったのかもしれません。

「わかります。白の制服、素敵ですものね」
「そう、詰め襟でね」
「わたしもきっとそう言うと思う・・・」

案外制服フェチズムのお嬢さんって世の中にたくさんいるんじゃないかしら。
そういう趣味嗜好の人間って、わたしだけじゃなかったんだ・・・・。
ちょっとばかり安心したエリス中尉でした。

夫妻との話は防大時代の話に始まり、現在赤☆さんの置かれている状況、
そして今の日本の置かれている状況、あらゆる・・・そうこのブログでお話ししている
まさに同じような内容に渡りました。
日本とトルコの関係、エルトゥール号のことなど、O氏がご存じのことは、わたしの認識と
多くがリンクしており、まさに同じように考えている方が(制服のことではなく)ここに!
と、またもや日頃考えていることについて意を強くした次第ですが、
帰りのタクシーでO氏がつくづくと「たった二年でそこまでくわしくなるもんですか」
と感心して下さったので、

「たった二年なので自分ではまだまだだと思っていますが・・・・。
でも、なんと言っても先日赤☆さんに『おたく認定』されてしまったので、
わたしはその言葉を一生の誇りにして生きていけます」

と申し上げると

「元海上幕僚長のお墨付きなんだからたいしたものだ!」

今度いつか本当にお目にかかれる日が来ますように。