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自衛隊観艦式観覧記~「見てみい、旭日旗や」

2012-10-21 | 自衛隊

2012年海上自衛隊観艦式、全てが分単位で進むプログラムです。
訓練展示は予定の12時41分きっかりに始まりました。

ですから、この時間ちょうど航空機の通過を見るために見上げる空には、
まるで旭日旗のような反射とゴーストが映り込む写真となりました。

でも、いいの。

仰ぐ誉の軍艦旗、いや自衛艦旗。
その光輪を受けて飛ぶ、自衛隊機。
真珠湾で淵田美津雄中佐が思わず漏らした
「見てみい、旭日旗や」
という言葉がこんなに相応しい光景が果たしてあるでしょうか。

・・・・・・・・・・・・・・。

まじめに言うと、おそらくこのクラス(ソニーサイバーショットRX100)のカメラなら、
フレア防止のためのモードがあるはずなんですが、こう見えても結構無駄に忙しいエリス中尉、
カメラの説明書など、しかも英語で読んでいる時間などさらさらありません。
しかもフネと違って飛行機、来たと思ったらあっという間に行ってしまいます。
艦船を撮るよりもずっと「当てずっぽうにその辺を撮る」率が高くなり・・・・、

というわけで、ことごとく空に向けた写真は不本意なものばかりですが、
気を取り直してアップして参りたいと思います。



受閲航空部隊の指揮官機は、UP-3Cです。
スティング・レイのような尻尾が特徴的、
なんですが、ズームするにもモニターが見えず、フレームから外れるのが怖くてそのまま撮ったら、
こんな小さい画像に。

少し不思議なのですが、パンフレットには指揮官機は一機と書いてあるのに、
これを見ておわかりのように同型機が二機飛んでいます。

以前の項でも書きましたが、この観艦式、観る方は当たり前のように次々と現れる艦艇、
続いて航空機を眺めているわけですが、これ、見せる側の技術とプログラムの確かさ、
大変な力量が要求されるのではないでしょうか。

飛行機ともなると
「いけね、抜かされそう」とか、
「前の飛行機に追いついちゃった」
なんてのは論外、一定の距離を保ちつつ時間通りに艦隊の上を通過しなければならないのですから、

艦艇の観艦式も、あれだけ整然と一定のタイミングを保持してすれ違うのは、
「海軍力の高さ」にほかならない、と聴きましたが、さらにこの飛行機の観閲は凄い。
さらにこの航空機群は、、観閲部隊が観閲を終えてUターンを済ませ、艦艇の訓練展示が終わった頃
また戻ってきて今度は訓練展示を行うわけですから、まさに神業です。

・・・と思ったのでそう書いているのですが、やっぱりそんなに簡単じゃないですよね、鷲さん?




ヘリコプターが真横に並んでやってきました。
右の三機、くっつきすぎで怖い・・・・。



アップにしてみてもマジでくっついて飛んでます。
右三機、

「ちょ・・・両側もう少し離れて飛んで欲しいんですけど」
「左側の間隔と違うんだよ!もう少し向こうに散らばれよ」
「え?かっこわるいだろ―が、もう少しまとまって飛ぼうぜ」

左二機、

「あいつらなにやってんだよ」
「ちゃんと等間隔に散らばれよ~」

だったりして・・。(飛行機の萌え化現象、悪化)

因みに、この5機は両端が

UH-60J

真ん中三機が

MCH-101

であると思われます。
これは、航空部隊の第一群です。
続く第二群は、



MCH-101

先ほどの5機よりも大型ですが、これは掃海に使われる、
つまり「ぶんご」などに搭載される輸送機兼用の大型ヘリです。

大震災の時は八戸基地をベースに、輸送任務で大活躍。
南極への輸送も担うだけの力を持っています。
それにしても、ローターが全く静止して見えますね。
これもカール・ツァイスレンズのおかげ?



MH-53E

上のMCHより大型です。
これも掃海ヘリで、掃海具を海上から曳航したりします。
特徴的な機体両側の出っ張りですが、これはスポンソンと言い燃料タンク。
この大きさからも分かるように、通常の三倍の燃料を搭載することが出来ます。

エリス中尉、今回の観艦式で目覚めたことがいくつかあるのですが、その一つは
ヘリコプターのかっこよさ。
先ほどの編隊飛行などもですが、編隊を組むとかっこよさ倍増。
あれから、上空でヘリのプロペラ音がすると空を見上げるようになりました(笑)

このMH-53E、その名も「シードラゴン」

名前がまたいけているじゃないですか。




CH-47J(チヌ―ク)


陸軍、キターーーーー!
うーむ、やはり陸自の武器はいかついなあ。
迷彩色がまたコワモテって感じです。

この、ついついベトナム戦争を思い出してしまうツインローターのヘリは、
シリーズにネイティブアメリカン、つまりインディアンの部族の名がついています
この「チヌーク」もそうで、ほかには
「アパッチ」「シャイアン」「カイオワ」「イロコイ」「コマンチ」などなど。

これらインディアンを絶滅寸前まで追い込んだのはどこの国の人間だと
命名したアメリカ人に小一時間問い詰めてみたい気もしますが、それはさておき。



やっぱり逆光ですね・・・。



みんなこんな感じで次のが来るのを待っています。






US-1A(部分)US-2

どちらも救難飛行艇です。
US-2はIAの後継型。
大きな違いはグラス・コクピット(液晶表示)が搭載されていることです。

元をたどっていくとその技術は旧海軍の二式大艇に行き着きます。
かつて米軍がこの機を鹵獲してその技術に驚いたという逸話があります。

この機の凄いのは、たとえ高波でも海上に着水できるその性能。
まるで空中で静止しているかのようなスピードでゆっくり飛ぶことが出来、
さらにどんなせまいところでも着水することができるのだそうです。

訓練展示ではこの2型が海上着水する予定なのですが・・・。

次のがキター。



P-3C

鷲さん、見てますか~?
これは赤☆様の乗り機でもあります。



これは、訓練展示で低空を航行したとき。
P-3はもともと出自が旅客機なので、実に安定性があります。
オライオン(オリオン)という愛称がついています。
P-3Cは哨戒機ですが対潜機材を向上させたもので、訓練展示では

対潜爆弾投下
IRフレア発射

を見せてくれます。



F-15

ここから空自の飛行機です。
といっても、戦闘機群は速すぎてこれしか撮れなかったの。

F-15ができたとき、これを世界に輸出したいアメリカは大々的にセールスを展開。
しかしあまりに機体の値段が高く、結局買ってくれたのは
「サウジアラビア、イスラエル、日本」つまり金持ちの国だけ。

しかも後述の後発F-16に世界は飛びついてしまって、一層売れる気配もなくなりました。
アメリカが押しつけた高価なこのF-15、
日本のかつての栄光と、「ノーといえない日本」の悲哀を感じさせる戦闘機です。


ところで、すでに訂正済みですが、最初これを色だけでF2だと思っておりまして・・。
このF2について行きがかり上説明すると、エフツー、エフニ、などと呼ばれますが、
中の人たちは「バイパー・ゼロ」と呼んでいるとか。
「バイパー」はベースとなったF-16のこと、そしてゼロとは、2000年に運用になったから。
紀元2600年に運用になった「零戦」を彷彿とさせるネーミング(といってもあだ名ですが)です。

製造は三菱重工業。
その昔、三菱がFS-Xを手がけんとするとき、当時の三菱社長は

「防衛産業で日本のお役に立てなければ、三菱が存在する意味は無い。
儲かるからやる、儲からないからやらないではなく、持って生まれた宿命と思っている」

という、零戦ファンなら泣いてしまいそうな男前コメントを残しています。

しかし、このF-2、口の悪いアメリカ軍には
「Fake Falcon」と呼んでいるのだとか。

そういう台詞はなあ、一戦交えてから口にしてもらおうじゃないか、え?



と言うわけで、いよいよ佳境に入って参りました。

・・・・が、訓練展示に入る前に、少し寄り道します。

「文章はいらないので写真をもっと出せ」
と言い放ったあ な た も、少し我慢しておつきあい下さい。

・・・え?怒ってませんよ?