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横須賀軍港ツアー~ジョージ・ワシントンとイージス艦

2013-04-01 | アメリカ

横須賀の米海軍基地スプリングフェスタに行ったとき、
車をショッパーズプラザというモールの駐車場に停め、
とりあえず三笠公園に向かったのですが
初めて来た者の悲しさ、道路へ出る方向がわからず、
商業施設から反対側の港方面に出てしまいました。

その失敗が今回軍港ツアーに参加するきっかけに。

「こっちじゃないよね」
と言いながら反対側に出てしまったわたしたち、
目の前の景色に「あっ」とびっくり。



米海軍旗と自衛隊旗が同時になびくこの光景。



ナンバー181・・・これは観艦式でエリス中尉が乗艦した

「ひゅうが」だあ!

こ、ここはまさに横須賀軍港ではないか!



見渡す港に点在する米海軍のフネ、そして護衛艦。
その中を今まさに出て行かんとする遊覧船。
この遊覧船は、まさか・・・・



そのまさかでした。
こんなツアーがここから出ていたとは!
これはもう参加しろという東郷平八郎元帥のお導き。

一も二もなく参加を決めたわれわれ、最終便の3時発クルーズを予約すべく
この看板の真後ろにある受付に飛び込みました。



この日、天気予報は「午後から雨」。
もし雨が降ってきてしまったら早く帰ってきて2時発に乗ることにして、
二人分のチケットを買いました。

(こんなことしてたから米軍基地に入るのが遅くなったんですね(-_-))

三笠公園からここまでは歩くと結構な距離があります。
米軍基地を出た後、記念艦三笠の見学をして
出港予定きっちり5分前に船着き場に到着。



これが軍港ツアーのクルーズ船。
わたしたちが並んだのは後ろの方でしたが、二階デッキに座れました。
TOは寒がりで「船内がいい」と最初言っていましたが、
わたしが当然のように「じゃ別行動で」というとおとなしく二階に座りました。

1000円で双眼鏡、毛布は無料で貸してもらえます。

ところがいざ出港という時間になって
「まだ予約されたお客様が全員乗っておられないので5分待ちます」
とアナウンスが。

なんだとおおっ。(笑)

フネは一旦出てしまったら追いつけないという鉄の掟をしらんのか。
貴様一人のためにこれだけの乗客を待たせて、
それでも海の男か!(女かもしれないけど)
海軍5分前の精神を知らんのか!

とマニアックに心の中で突っ込んでいたのはおそらく
乗客の中でもエリス中尉一人だったのではないかと思いますが、
そのうちこの客がやってきたらしく、5分遅れてフネは出港。


ツアー参加客には「海軍5分前」の掟を周知させるべきだと
主催会社にこの際提案させていただきます。




ともあれ無事出港、ツアーが始まりました。
いきなり我が潜水艦の横を通過。

番号が見えないのでおやしお型ではないかと思われます。
横須賀にあるのは第2潜水艦隊なので、おそらくは

「おやしお」
「うずしお」
「なるしお」

のうちのどれかでしょう。

それにしてもみなさん。
いきなりですがこの光景、不思議じゃないですか?

この港は「米海軍基地」「自衛隊基地」が別にあって、
こちらは米海軍側なんですよね。
この向こう側は、先ほどまで我々がいた米軍基地につながっています。
そして先ほどの写真、「ひゅうが」の停泊していたのは自衛隊の停泊地。

どうして海自の潜水艦が米海軍側のドックにいるの?


これについて調べたところ、答えが3つ見つかりました。


1、潜水艦を泊めるには特別の施設が必要なのでここに泊めるしかない

2、警備の都合上米軍と一緒にしていた方が楽だから

3、内心米海軍は日本の潜水艦建造技術の実力に恐れをなしているので常に監視している


わたくし個人的には

1、60%、2、30%、3、5%、その他5%

って感じではないかと思いますがいかがなもんでしょう。
まあただ、「潜水艦に恐れをなし」という説もあながちでたらめではない
という気がします。

なぜなら、海自潜水艦隊にはこんな最強伝説が・・・。

海自と米海軍との合同演習での模擬戦中のこと。

米海軍「日本の自衛隊なんぞ楽勝。
ま、一応自衛隊の潜水艦は実戦レベルで探すけどね」

海自「…ポチっとな」

海自の潜水艦からのピンガーで米海軍の駆逐艦は撃沈判定。

海自の潜水艦は遥か遠くからエンジンを停止して、
海流の流れだけでアメリカの駆逐艦の真下に到達。

面子を潰された米海軍が本気で潜水艦を追尾するが悠々離脱する。




そんな潜水艦の舷門の見張りをしている水兵さん。



ミサイル駆逐艦アーレイ・バークII‐A級 ラッセン(LASSEN)

横須賀を母港とするイージス艦です。



アーレイ・バークI型 カーティス・ウィルバー(CURTIS WILBER)



どちらも母港を横須賀とする駆逐艦です。



ここで解説は左の海上自衛隊部分に。
そう、「ひゅうが」ですね。
定係港は横須賀。つまりここが母港です。

この横を船が通過したとき、艦尾で自衛官が皆で
帽振れをしてくれました。
アッと気が付いてカメラをズームしているうちに
撮りそこないました・・・・orz



そのかわり「ひゅうが」艦上の人影を写真に撮ってみたのですが、
・・・・なんだかこれ、一般の人じゃないですか?

もしかしたら、艦船見学できるのかなあ。



そこで米海軍側の岸壁に目をやると
物凄く年季が入った感じの軍艦らしからぬフネ。
APL40って、なんだと思います?

これは「支援艦」。
つまりこのフネそのものが「宿泊施設」なんですって。
かつてはベトナム戦争にも参加し、メコンデルタでは
米陸軍の移動基地として就役していました。

つまり「地獄を見たフネ」ってことですか?

今、このフネに動力部分はついておりません。
ただ、埠頭にぷかぷか浮いているだけのフネ。

修理などで横須賀港でドック入りする艦艇の乗務員が
宿泊するための施設で、中にはカフェテリアやジムも完備。

せっかく港に着いたというのに、艦艇の乗員たちも
オカの上で寝てえ~!って思ったりしないんでしょうか。



意味なく一部を引き延ばしてみました。
この艦橋は今何に使用されているのでしょうか。

・・・・・トップラウンジ・・・・?

ちなみに自衛隊では運用年数が決められていますから、
このような長期に亘る艦船の「二次利用」は行われません。



アーレイ・バークII‐A型 ミサイル駆逐艦マスティン(MUSTIN)

横須賀には第15駆逐艦隊の9隻の駆逐艦が所属しています。
ところで「第15駆逐艦隊」というのもかっこいいですが、
これ英語で言うと「デストロイヤー・スコードロン15」

うわ~かっこいいいい!
・・・・・わたしは中学生か。



ところでみなさま。
イージス艦イージス艦といいますが、
イージスシステムを備えているかどうか、どこで見分けると思います?
例えばこの「マスティン」の艦橋、
ほぼ8角形のプレートみたいな金属部がありますね?

これがSPY-1Dというイージスシステム用の多機能レーダー。
単純にこのプレートがあればイージス艦、でいいんです。

イージス艦は200以上の目標を追尾し、そのうち10から20の目標を
同時攻撃することができます。

案内のお兄さんは

「100のミサイルが飛んできたらそれを全て落とすことができる」

と言っておられましたが・・・。
実際はどうなんでしょうか。

ではこの際だから、「イージス艦講座」(初心者向け)をしてしまいましょう。

イージスとは、ギリシャ神話から来ており、全知全能の神ゼウスが
娘のアテナ(知恵、戦略の女神)に与えた楯、アイギス(Aigis)の
英語読みです。

イージス艦とはもともとソ連のミサイル攻撃から主に空母を守るために
開発されたもので、基本「守り重視の艦艇」という位置づけです。
「イージスシステム」=「艦隊防空システム」なのです。

つまり、同時多目標処理能力と対応時間の短さがポイント。
一度にたくさんのミサイルや飛行機に攻撃されても、
それをコンピュータ処理によってさくさくと攻撃し撃ち落とす、
これを可能にするには、衛星や偵察機とのデータリンクが必須です。

データリンクもできないのに
「日本が持っているからうちも持つ(ニダ)!」とばかり
イージス艦の数をとにかく増やそうとしていたどこかの国がありますが、
そのどこかの国は最近ロシアに衛星を上げてもらったので
もしかしたらデータリンクできるようになったのかしら。

どなたかこの辺のことご存じありませんか?




もう一押しアップ。
五色で書かれたHEEEEって・・・・何?

英語でもこれ、意味は「ひええええ」だと思うんですが・・・。



星条旗って美しいですね。



マスティンの甲板に人影発見。
日曜なのにお仕事中。
月月火水木金金。
アメリカ軍も海の男の「艦隊勤務」に土日はない。



近くで見ると結構あちこち錆びたりしています。
手入れがなっとらん。

もしかして・・米海軍、
「サビとか、いちいち細けえことはいいんだよ!」
って主義ですか?

実はこれについては今回知ったある逸話が・・・。
それは巻末のお楽しみ。




OH!

甲板に立っている二人の海軍さん。
なんと双眼鏡でこちらを観察中だ。



タイコンデロガ級 ミサイル巡洋艦 シャイロー(SHIRO)

第7艦隊の水上戦部隊は、この「シャイロー」と「カウペンス」
二隻の巡洋艦と第15駆逐艦隊で構成されます。

シャイローの向こう側に同型艦らしきのがいますが、これが
「カウペンス」かもしれません。(未確認)

右 アーレイ・バーグI型 ミサイル駆逐艦ステサム(STETHAM)

左 ブルーリッジ型 揚陸指揮艦ブルーリッジ(BLUE RIDGE)

ブルーリッジをその意味から護衛艦風に言うと蒼い稜線、つまり
「そうりょう」ってとこでしょうか。




ニミッツ級航空母艦 ジョージ・ワシントン
(GORGE WASHINTON)

でた!
いろいろと話題のジョージワシントン。
うーん。大きい。


アメリカ以外の基地を母港とする唯一の空母。
配備されるというときに反対運動がありましたが、
今はどうなっているのかとと調べてみたら、案の定

「ジョージワシントン4周年配備反対とオスプレイ反対のデモ」
(笑)

なんてのを市民団体(と言う名の左翼)が去年の秋にやってます。

「世界一危険な飛行機オスプレイの配置反対」

・・・・・はい。

それはいいがなぜ横須賀でオスプレイ反対を叫ぶ(笑)
ジョージワシントンに反対するついでに
旬の(マスゴミが取り上げる)案件だからこれも言ってみましたって?

もうあなたたち、デモするならもう少しテーマを絞らなきゃ。
だいたい4年も経って一向に出て行かないんだから、
たぶん今さらデモしてもとあまり意味ないと思いますよ?

そのうち任期が切れるから、それまで待つことですね。

この団体に提案なのですが、デモによる訴えを効率的にするには、
この日やっていた「米海軍基地スプリングフェスタ」、
日本人の観客もたくさんいるんだから、こういう機会に堂々と
基地前に集まってその正当性を叫ぶのがいいんじゃないでしょうか。

そして和気藹々と写真を撮っている米軍人と日本人たちに向かって

「この非国民が!」
「原子力空母は出て行け!」
「ヤンキーゴーホーム!」


って叫べば効果的だと思います。たぶん。



ジョージワシントンはご存知のように横須賀が母港ですが、
やはり一旦出て行ったら半年くらいは帰ってこなかったりします。
今、同艦は、ご覧のように「メンテナンス中」。

いつ横須賀に行っても観られるというわけではないので、
ここしばらくの間は必ず見ることができる「チャンス」らしいです。



全長333メートル(覚えやすい)。
333メートルといえば?
そう、昭和33年にオープンした

東京タワー。(全長333メートル)

東京タワーと全く同じ大きさなんですね。
この錨の重さは30トン。
錨を吊っている鎖の輪一つが162キロ!



作業中の人影発見。
なんか、甲板の上に日本製のプレハブがありませんか?





なにやら白いついたてを立てて目隠ししている。
これは「見られては困ることをやっている」でOK?



真正面から見たところ。
左舷に傾いています。

乗員は士官、兵員だけで3200名。
航空要員(パイロットとか)が2480名。

5000人ったら、何年も同じフネに乗っていたとしても、
一度も会ったことのない人なんていくらでもいそうですね。

一日にこれらの人々が食べる肉の量は「牛三頭分」。
肉ばっかり食ってんじゃねえよ(呆)


ところで、映画「バトルシップ」公開時に、宣伝のため
日本を訪れた出演者と関係者、日本人の浅野忠信とともに
このジョージ・ワシントン上で記者会見を行ったのだそうです。

なぜ?って気もしないでもないですが、
(だってジョージワシントン、別に映画に出てこないし)
配備反対とか何かと問題視する人もいるから、
パブリシティを兼ねてこの際友好的に、って感じでしょうか。

で、その時に浅野くんがぽろっと


「怒られるかもしれないけど、
日本人は真面目だから護衛艦の中は綺麗で。
アメリカの船も綺麗でしたが、ところどころラフな部分があって、
コカコーラが挟んであったりして。
全然違うなと。

それが悪いってことではないんですが(苦笑)」


なんて言ってしまったらしいです。
うーん、浅野忠信、空気読まなさすぎ。

というか、きれい好きではおそらく世界の二本の指に入る
日本の(あと一つはドイツ)、さらに「整理・整頓・清掃」の3Sをモットーとする
我が自衛隊の護衛艦とヤンキーのフネを比べるとは。

そんなことは普通に考えて当たり前、といいたいところですが、
目の当たりにした俳優の浅野くんにはさぞショックだったんでしょう。

すると、ピーター・バーグ監督が慌ててフォロー。
だって、周りにいるのは皆米海軍の皆さん。
ここで気まずくなってはわざわざジョージワシントンを
インタビューの舞台にした意味がないですものね。

「ちょちょちょっと一言補足して良いですか? 
アメリカの船はとてもとてもクリーンで、
日本の船は本当に本当にクリーン、
さらに清潔だったということです(汗)」

念のため英語でこの記者会見の模様をいくつか検索し、
この件が報じられているかどうかチェックしてみたのですが、
こんなことについて書いている英語媒体は見たところ

ひとつもありませんでした(笑) 

 

軍港ツアーシリーズ、続きます。