今回、とにかく
「遠くのものをちゃんと写したい」
「でもあんまり大きいのは嫌」
という観点でのみ適当に選んだニコンの望遠レンズ。
マニュアルフォーカスでピントを合わせるのに(何しろ使い始めなもので)
ただでさえ上がりがちなテンションゆえ大変焦ってしまい、
その結果特にヘリの画像には満足なものがあまりなかったのですが、
この一枚を見たときに初めて「買ってよかった」と実感したものです。
肉眼では全く確認できない隊員の表情をレンズはしっかり捉えていました。
きりりとした眼差ししか顔は見えませんが、この訓練に臨んでいる自衛隊員の
激しい気迫は十分に読み取れます。
おそらくこの隊員の知人であれば彼が誰かもわかるに違いありません。
詳細写真が撮れたので一つ気づいたことを言うと、この隊員の半長靴を見て下さい。
こんなフィールドを連日駆け回っているのにも関わらずピカピカですね。
自衛隊では旧軍の昔から「靴を磨く」ということに大変こだわるのだそうです。
この半長靴も大変精魂込めて毎日磨くのだそうですが、爪先以外は光る素材ではないため
この爪先をいかに光らせるか、が各自「腕と工夫の見せ所」なのだそうですよ。
また、彼の装備しているポケットがたくさんのベルト(ベスト?)ですが、
空挺館で見た「義烈空挺隊」の隊員のものに似ているなあとふと思いました。
我が精鋭のヘリ部隊が順番に敵陣に攻撃を加えた後、
CH-47、通称チヌークが着陸。
ちょっと写真大きすぎましたかね。
後ろのハッチが降りていきます。
中から降りた隊員がロープを巻き取り・・、
中からバイクが・・・!
これは偵察用のオートバイで自衛隊では「オート」と称します。
つまりバイクのことを「オート」という人は高確率で陸自隊員です。
バイク、いやオートにもちゃんと偽装しています。
この状態で出て来たということは、ヘリの中でもう既にエンジンをかけ、
またがったまま待機していたということなんですね。
一列縦隊で4機のオートが放たれました。
彼らは日頃、ウィリーやアクセルターン(後輪を浮かせて滑らせ一瞬で向きを変える)、
段差を超えるための激しい訓練を行ない、また隊内での技能大会で腕を磨きます。
オートにはオート専用のヘルメットがありますが、
こちらは防弾能力がないため、本日の状況には鉄兜着用で臨んでいます。
ちなみにこのまま公道に出たら「ノーヘル」でおまわりさんに捕まってしまうのだとか。
道交法でいうところのヘルメットの基準を満たしていないからですね。
偵察隊退場。
この偽装も、各自が工夫するもので、やはり「巧い下手」がでるのだとか。
だいたい陥り易いのは「やりすぎ」「盛りすぎ」で却って目立つこと。
これは自衛隊に限らず一般社会でも・・・、
たとえば女性のメイクやファッションにも全く同じことが言えます(笑)
向こうに見えるフェンスの向こうには、近隣住民の見学者が!(笑)
ここ、金網越しとはいえ凄い至近スポットですね。
写真を撮るつもりがなかったらここで見るのもいいかもしれない。
あれ?赤ちゃんを抱いたお母さんらしき人がいるぞ。
さすが習志野駐屯地の隣に家を構える主婦。
こういう主婦はきっと外に干した洗濯物に訓練のスモークの色がつくのも想定内で、
「その日外に干すのは色物」
と決めていたりするのかもしれません。
それはともかく、やってきたUH-1ヒューイの両サイドに、ギリースーツ隊員が二人ずつ乗っています。
こんな場所にこんな座り方をして、万が一墜ちたら、
いかに人間離れした第一空挺団の隊員といえども危険なのでは?
と思ったのですが、
彼らが降りた後のヒューイをもう一度撮影。
さらに座っていた部分を拡大してみると、何やら装置が二つ見えます。
なるほど。安全ベルトみたいなのをここに引っ掛けておくのかもしれません。
さらに両サイドの点検を確保するためなのか、
二人の隊員の姿が見えます。
この二人はどちらも透明のゴーグルを付け、安定姿勢を取っているようですが、
ベルトを付けているようには見えません。
つまり、もしヘリが急激に傾いたらこの二人は・・・・。
あらためて思うけど、なんて職場なんだ。
色んな意味で、自衛隊とは一般社会とは違う基準が存在するのだと思いました。
二人一組で降りていき、こちらも状況開始。
冬の訓練にはこれ暖かそうでいいですね。
わたしがこの日最初に着ていこうとしていたフェイクファーのコートも、
毛並みはともかくこんな色でした。
息子がダサいと言ったのでやめたのですが。
続いてチヌークが120ミリ迫撃砲を降ろします。
このチヌークはその後防衛大臣席の真上を飛翔するという大サービス。
報道陣カメラへのサービスであったかもしれませんね。
こういった訓練展示が毎年毎年同じことを繰り返しているのかというと、
決してそうではなかったことが二年連続で来てわかりました。
去年行なわれていたことが今年なかったり、(たとえば怪我人発生、搬送)
今年の「目玉」という展示があったり。
この「目玉」が、10式戦車の投入であることを、わたしは周囲の観客同士の会話で
初めて知ったのですが、皆さん本当に熱心です。
今年は特に観客が多かったそうですが、防衛に対する関心がこれだけ高くなっている、
ということの表れで、もしかしたら安倍首相の靖国参拝に対する近隣国の
反応、というのもそれを助長しているのかなと思ったりしました。
もしかしてCH-47の「サービス」は報道の中にいる中韓の記者への威嚇だったりして(笑)
さて、そのチヌークがハッチを開けたままホバリング。
これは・・・・・来るか!
凄い角度。
見ている方はさほどではなくても、乗っている者には大変なものでしょう。
まずロープが投下されました。
続いてもう一本。
二条のロープから同時に隊員が降りてくるようです。
大きな写真にしてみました。
ヘリの中をご覧下さい。
次に降下する隊員も取り立てて身体を用具で保持しているというわけではなさそうです。
勿論降下するときも自分を支えるのは二本の脚と腕のみ。
そのために連日厳しい訓練が行なわれているとはえ、
軍事のプロフェッショナルとはいつも命がけなのだなあと改めて驚嘆します。
次々と降下。
まだ下に人がいてもお構いなしに降ります。
降下した後は二人一組になり、無反動砲のようなものを運び、
敵基地に向けてセット。
こちらは榴弾砲、装填準備よし。
こうしている間にも上空には入れかわり立ち替わりヘリ軍団が現れ、
色んな攻撃を加えます。
このヒューイの左側面にオリーブドラブ色の(この色を自衛隊ではカーキとは言わない)
箱状のものが装着されていますが、これは
87式地雷散布装置(地雷散布装置の外し方付き)
です。
マニュアルでピントを合わせるのが間に合わなくって(笑)
ボケてしまいましたが、このときヒューイは地雷を撒いているのです。
因みに日本は
対人地雷の使用、貯蔵、生産及び移譲の禁止並びに廃棄に関する条約
に批准しているため、昔このヒューイで運用していた
87式ヘリコプター散布対人地雷は今は使うことはできません。
中国韓国北朝鮮ロシア、ついでにアメリカは勿論批准してません(笑)
それにしても、日本に攻めてこられたときしか戦闘できない自衛隊が、
地雷を使うことを禁じられるとは。
まあ、非人道的とか何とかそういうことなんですけど・・・なんだかね。
万が一日本国内に中国や韓国や北朝鮮が侵攻して来た場合、
相手は日本に地雷撒き放題。
自衛隊はたとえ敵の進路を絶つためであっても、地雷を用いたら条約違反と。
こういうのって、「自分がやらなければ皆やらないに違いない」という
九条信者の考えみたいなのが基本になっているんですけど、
この批准国を見ても「そう思っていない国」(しかも軍事大国)があるんじゃ
「使えるもの勝ち」で軍事バランスだけの問題になってしまっているし。
日本はこういうのには真っ先に批准する国で、勿論それに異論を唱える気はありませんが、
だいたいこの条約の意図からいっても、世界中が足並み揃えないと意味がないと思うんですが。
ああああ、ニンジャがもう少しで宙返りを!
怪しい動きをしたので注目していたのですがここまででした、
まあ、戦闘訓練には宙返りは必要ないので、空気読んだのかもしれませんが、
どさくさにまぎれてやっちゃってもいいのよ?
偽装網テントの下からは迫撃砲が発砲され・・・、
FH70もものすごい轟音を響かせて火を噴きました。
FH70は、防衛省により「サンダーストーム」という、
この轟音を聞けば納得してしまう愛称がついていますが、
隊員たちは「エフエッチ」とか「エフエッチナナマル」と呼んでいるとか。
制作にはフォルクスワーゲンが参加しているそうです。
APU(補助動力装置)ということなのでつまり車の部分かな。
FHの隊員たちをアップにしてみました。
偽装メイクしてる人としていないように見える人がいます。
まるでしていないように見える・・・ナチュラルメイク派?
03式中距離地対空誘導弾登場。
純国産の中距離防空用地対空ミサイルシステムで、略称は「SAM-4」、通称「中SAM」。
標的捜索を始め、目標の追尾および射撃管制も行います。
空対地ミサイルや巡航ミサイルによる遠距離攻撃に対処する能力も有し、
対空戦闘指揮統制システムとのデータリンクによって更なる戦闘力がアップ。
去年の降下展示の日、まわりにいた隊員に見学者が「ミサイルはどれくらい飛ぶのか」
と真面目に聞いて「秘密です」とあっさりあしらわれていたのを見ましたが、
この射程については2010年に行われた下志津駐屯地での展示にて、
千葉市の当駐屯地から横浜上空の航空機を射撃可能
と解説されていることや、米国における射撃試験の報道から
射程50km以上と思われます。
つまり敵陣から何キロの設定かは分かりませんが、遠距離攻撃のために
今ここに配備された、という設定のようです。
実戦ともなると向こうから色々飛んで来そうですしね。
中SAMの隊員が無線で連絡を取って・・・
射撃姿勢を取りました。
つまりとどめを刺す態勢?
ここで大物登場。
まわりの軍オタクたちの期待に満ちた会話で知ったところの、
10式戦車が偽装してついに現れたのです。
どよめくまわりのオタクと戦車好き(笑)
しかし、いつも思うけど男の人って戦車が好きだなあ(感心)
ヒトマル、キター!!
平成26年陸自第一空挺団降下始め訓練展示、
いよいよクライマックスへと・・・。
続く。