重巡洋艦「セーラム」には、主砲の他に副砲として、8" / 55口径5インチ砲を搭載していました。
その準備をするためのコンパートメントから見ていきましょう。
レディサービスルームというこの区画は、砲の真下に位置します。
稼働中はハッチを中から締めることになっていたようです。
合戦時にドア・ハッチを締める印である丸エックスがついています。
かろうじて読めた説明によると、この区画は
Secandary Battery Mount #5 (AKA Mount 55)
第5副砲、通称マウント55
だそうです。
通称がマウント55なのは55口径.。
5番目というのは前から数えて5基目ということでしょう。
8" / 55キャリバーガン
現地の説明には本艦が搭載していたのはMk32であると書かれていますが、
それは重巡洋艦に特化した仕様となっていたようです。
このコンパートメントは、パウダーケースと発射体が一時貯蔵されますが、
それが尽きたとき、弾薬はデッキ下部の取扱室から運ばれます。
もう一度この部分をご覧ください。
写真は解説図の「アッパー・ハンドリングルーム」の部分です。
一つのマウントに対し27名が稼働に必要でした。
ここでプロジェクタイルーホイストに装填した弾が、この上にある
「ガンハウス」に上昇していきます。
これは上の図解でパウダーホイストの右側にあるプロジェクタイルホイスト。
発射体がちょこっと顔を出していて可愛いですね。
缶ケース入りの装薬がゴロゴロと積み重なっています。
全てこのマウントで使用されたもの。
C、Dは装薬、 E、Fは発射体。
細かい説明は写真に失敗したのでできません!(いばるな)
ここにストアされていたこれらの弾薬や装薬は何種類かありました。
この区画は火薬などを扱うので特別の安全装置が施されています。
いざという時に部屋中にスプリンクラーが作動するのもここならでは。
このハンドルは直接的に手で回して作動するスプリンクラー。
印刷室にはボランティアの人が詰めていて何やらお仕事中だったので写真は撮りませんでした。
平日の昼間なので、艦内はほとんど人がいませんでしたが、廊下ですれ違った
一人のボランティアのおじいちゃんは、わたしがカメラを持っているのを見て
「なんかに載せるのかね。熱心だね」
とニコニコして声をかけてきました。
ギャレーの隅にはゴミを処理する部屋がありました。
おそらくこのトレイに乗っけて粉砕するのだと思いますが、そのあと
どうなるのかは全く想像がつきません。
テーラーショップがありました。
制服を作ったり修繕したりする部署です。
下士官のジャケットにサービスユニフォーム、セーラー服もあります。
キャンバスの布がたくさん積み重ねてありますね。
ズボンのアイロンはセットして挟んでしまうだけ。
ワイシャツもこんな挟み込み方式で綺麗にアイロンできてしまうんですね。
これはこれですごい技術が必要だったのでは・・・。
売店は今は展示だけです。
貼り紙には、オリジナルキャップやTシャツなど、ストアショップが別のところにあるので、
そちらでどうぞ、と書いてあるのですが、どこを探してもそれらしい店はありませんでした。
バイタリスの空き瓶、コーヒーミルクの紙パックなど、
ほとんどゴミ置きと化しているショーケース。
売店の窓に貼ってあった大雪の日の「セーラム」の写真。
マサチューセッツは雪が降りますが、さすがにクインシーは
海沿いなのでここまで降ることは珍しいのでしょう。
この洗面所はおそらく現在は使われていないでしょう。
手を拭くためのペーパーがないので。
何のためにあるのかわからなかった部屋。
現在は物置のようになっています。
「セーラム」の現在のオフィスです。
昔からここにあったらしい写真と、同じ女優さんの新しい写真が並んでいました。
ここにもあった。「ウィッシング・ウェル」。
ここのように艦の底深くまで見通せるのは、おそらくここがバーベットの
脇にあるからだと思いますが、それを利用してコインを投下し、
「一番深いところに落ちたら願いが叶う」
などというノリで遊んでもらおうという趣向。
小さな筒に狙って、実際に入れるのに成功した人も何人かいる模様です。
さてさて、「セーラム」にもありましたよ。艦内監獄が。
「ブリッグス」という艦内監獄、犯罪はもちろんのこと、規律違反、
例えばフネに乗り遅れたりした乗組員はここでお過ごしいただくことになっていました。
ブリッグスはここでは2つだけ。
「マサチューセッツ」では3つありましたが、まあ二つで十分というところでしょう。
欧米人にとって床で寝るというのは、辛いだけでなくかなりの屈辱みたいです。
日本人は畳に布団で寝るのに慣れていますが、彼らは家の中も
靴で生活するので、その高さで寝るということは基本「無理」なんでしょうね。
というわけで、監獄の中ではこんな風に床で寝なくてはならず、
肉体的にも精神的にも辛さもひとしお、といったところでしょう。
ここにあった「ブリッグの規則」によると・・・
a. 収監者は常に身体検査を受けなくてはならない。
検査は収監前、衛生士官、監獄士官?看守に寄って行われる
b.ブリッグスペースはいつも清潔にしておくこと
c.専用の衣服を身につける。
収監中は貴重品などを預かるが、釈放時に返却する。
もし無くなったりした時には捜査依頼にサインすること
d.規定の髪型にカットすること(坊主かな)
収監中は清潔を保つこと。口髭は禁止。靴を磨くこと
e.重労働収監者は仕事にアサインすること。
「パンと水」収監者は見張りのいるところでしか活動できない
(パンと水の収監者ということは、それしかご飯がもらえないとか?)
f.司令官かブリッグオフィサーが、イベントにおける行動を指揮する。
g. 収監者は一日に30分から1時間、運動か訓練に参加することができる。
もし状況が許せば。
いいように捉えると、訓練に1時間参加するだけで、あとは部屋で寝ていればいいと・・
(清潔にしながらね)
それなら収監の方が俺は向いてるぜ、という人も稀にはいるかもしれませんが、
まあこんなところで監視されながら、一日全く自由な時間なしに過ごすわけですから、
やっぱりあまりありがたくないものだと思われます。
軍艦で悪いことはしないに越したことはありません。
ところで「セーラム」の写真の中に、アメリカで進行中の「ザ・ラストシップ」の
シーンが紛れていたのでついでに載せておきます。
ちなみにこれはすでに1年前現在のアメリカでのテレビです。
真田がね・・・悪いんだよ。
「奴らを皆殺しにしろ」
とかいって。
愛する人が死んでしまうとかいうそれなりの同情に値することもあったみたいですけど、
これ今どうなったのかしら。(フォローしてません)
続く。