![]() | やさしいため息青山七恵河出書房新社このアイテムの詳細を見る |
ひとり暮らしをする主人公のもとに、行方不明になっていた弟が突然転がりこんでくる。
今日一日どんな事があったかをまどかに尋ねては 、それを日記に綴る弟。
会社と家を往復するだけの毎日、うまく溶け込めないでいる同僚との関係。ひとたび文字として置き換えられた途端、空虚な毎日として浮かび上がってくる。
そこでまどかは、弟に語る自分の毎日を少しずつ創作していく。
ブログをやっている人間は大なり小なりこんな感覚に襲われるのではないだろうか。
自分の毎日をドラマチックに仕立てる事に躍起になっている。
どうということのない毎日なのに、過剰に演出している自分がいる。
そういった心は、何かしら自分の中で変化を起こしたいという気持ちの表れのようにも思う。