カツラ美容室別室山崎 ナオコーラ河出書房新社このアイテムの詳細を見る |
ものすごく下世話な興味で本をとってみた。
「カツラ美容室別室」の店長は、ひと目でカツラとわかるカツラをかぶっている。
なにかそこにポリシーはあるのか?
文学的な何かがあるのか?
最後まで読んだが、そのような記述はなかった。
美容院を舞台に繰り広げられる恋愛のような、友情のような、
そんな事がのらりくらりと綴られている。
義姉のダンナは、カツラをかぶっている。
25年前この家に嫁に来たとき以来、ずっと同じ髪型だ。
いや、私が気づかないだけで時々更新しているのかもしれない。
数年後には定年なのに、25年間ずっと黒々として、ふさふさの七三分けだ。
たぶんカツラをつけたのは、30代前半
自分ではずし時を模索しているのだろうか。
それとも死ぬまで全うしようと決心しているのだろうか。
そんなカツラ派の苦悩や悲哀をこの小説に求めた私がバカだった。