南北に3基の祠堂が並ぶ基壇の西へ周ってきました。中央祠堂の扉横の彫像は門衛です。
南祠堂です。
破風はお手軽に石を積んだようです。絵柄が連続していません。
マルローが盗み出したデヴァターです。フランス人が言い出したのでしょうか、「東洋のモナリザ」と安直な呼ばれ方をしています。
アンコール遺跡には持ち出し困難な優美な壁面彫刻はたくさん残っていますが、丸彫りされた石像はほとんど目にすることはありません。プノンペン国立博物館には12000点以上のクメール美術品の彫像などの優品を所蔵しています。シェムリアップのアンコール遺跡保管事務所にはその数倍の文化財が保管されています。
カンボジアを植民地にしたフランスにはさらに多くの彫像や文化財が運び去られ、高額で売買されていたようです。マルローが遠くカンボジアまで盗掘旅行を思いついた背景です。
かってはバンテアイ・スレイの祠堂の屋蓋部には神像や天女、門衛たちの立像で装飾されていたそうですが、現在は一体も見ることができません。
このデヴァターもマルローが盗み出したものです。
屋蓋に彫られている神像です。
中央祠堂の門衛です。
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半人半獅子のナラシンハが祠堂を守ります。複製が安置されていますが、実物はプノンペン国立博物館に展示されているそうです。
以前は頭のないナラシンハが置かれていましたが、新しいナラシンハは石材表面が白く、周りの景観から浮いています。何年かすれば古色を帯び、なじんだ景色になるでしょう。
ハヌマーンの彫像です。
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南経蔵です。
南経蔵を東正面から見ます。
破風はカイラーサ山を揺るがす魔王ラーヴァナです。
破風上部はシヴァ神とウマーです。
魔王ラーヴァナです。
東側から南祠堂を見ます。
中央祠堂の破風彫刻です。