今回のスコータイ旅行は友人から届いた写真が気になったからです。
* * * * *
チェンラーイで発掘された青磁瓶です。
一目瞭然、パーン窯の青磁双耳瓶です。パーン窯の盤や碗はよく見かけますが、袋物は見た記憶が有りません。
1点は全高13.9cmと小型で口に欠けがあるものの、ほぼ完品なので現物を見たく出かけました。
前日は暗くなっての到着で写真撮影をしなかったのですが、なで肩の瓶は耳が破損していました。
翌日の朝、訪れると耳が接着されています。一緒に出土した青磁双耳蓋付小壷が犠牲になっていました。
金属探知機を携えて、ランパーンやチェンラーイまでお宝探しに出掛けるそうです。これらはパーン古窯の近くで鉄製品とともに出土したようですが、広範囲に点在しているパーン古窯の正確な場所は業務秘密で話してくれないようです。
窯跡ではなく、窯跡近くということは、物原ではなく陶工の生活区域で、使用可能な傷物を日常生活に使用していたのでしょうか。
1枚目の写真は掘り出した時のようで、瓶の他にも3点の小さな広口小壷が写っていまが、ここには無いようです。
一緒に出土した、2つに割れたカロンの灰釉碗(口径 12.7cm、高台径 6.6cm、高さ 6cm)。
* * * * *
パーンの粉々になった青磁碗(口径 17cm、高台径 6.3cm、高さ 8cm)です。
そして明青花碗です。パーンで出土していますが、この模様はカロンやサンカロークの鉄絵で模写されています。
大きさは、口径 15cm、高台径 6cm、高さ 6.8cmの大ぶりな碗です。
バンコクへ連れて帰る青磁双耳瓶を梱包してくれましたが、一点だけ連れて帰る予定だったのに全て梱包されていました。
バンコクで、まだ瓶に詰まっている土を洗い出し、撮影します。
共継技された耳は接着剤が露出したままですが、写真上で補修してみました。
大きさは、破損の酷い蓋付双耳壺の平底が口径 8cm、胴径 11.2cm、底径 7.1cm、高さ 9.5cmで高台付きの壷は口径 7.6cm、胴径 11.4cm、高台径 7.6cm、高さ 10.7cmです。どちらも蓋は出土していません。
また、双耳瓶はずんぐり型が口径 3.5cm、胴径 10.8cm、底径 7.1cm、高さ 13.9cmで、なで肩瓶は口径 4.3cm、胴径 9.7cm、底径 6.1cm、高さ 14.4cmです。
平底蓋付小壷
高台付蓋付小壷
参考にチェンマイ国立博物館の前庭にパーンのポン デーン窯から移設された地上式横焔窖窯を添付しておきます。開窯はタイ北方窯では一番遅く15世紀(博物館の解説板には14世紀から17世紀が窯業期間)とされています。青磁製品のみが生産されました。
パーン古窯の別記事はこちら「パーンの窯道具」
朝粥で朝食済ませ、大麻茶を戴き、と言うか勝手に庭から大麻の葉を摘んで熱湯を注ぎます。皆が5枚葉が良いと教えてくれますが....
お茶の間にバンコクへ連れて帰る青磁双耳瓶を梱包してくれています。
お茶の後はサワンカロークのバーン パー クンコーへお宝探しの現場を見に行きます。