の~んびり タイランド 2

タイの風景、行事や趣味の陶磁器を写真を中心に気ままに紹介しています。

クメール陶器

2016年04月11日 | サケーオ

カンボジア国境ゲートに巨大な面積を有するロンクルア市場があります。かっては魚を塩漬けするための塩の集積地であったことから「ロン・クルア」と呼ばれていますが、市場が開かれるようになったのは、カンボジア内戦で難民が国境を越え、難民のための市場が開設されたのが始まりです。
売られているものは、カンボジアや中国製の安価な衣類や中国製の品質のよくない電化製品、工具類が大半を占めています。もちろんコピー製品もたくさんあります。



誰が着るのでしょうか・・・。

プラダのバッグは約3,000円です。

大量に運びこまれた衣類を分別しています。もちろん、一着ずつの小売りもしますが、基本は10着単位等の卸業的な商売です。



海外で人気のオニツカタイガーは1,800円です。バンコクへ運ばれると3,000円ほどになります。ちなみに正規品は15,000円します。


* * *

ロンクルアへ来た目的はクメールや安南の陶器を探すためです。
このクメール褐釉象形壺は古色が感じられませんでした。

【の~んびり タイランド 2013年08月02日付「サドックコックトム周辺観光 (2)」でもロンクルアを紹介しています。】

褐釉刻花魚文水注は本歌のようです。胴回りに線刻で6匹の魚文をあしらった非常に珍しいブリラム窯の水注です。器体も魚形をしていますが、注ぎ口と尻びれの摘み部が破損、修復されています。
後日、タイ人に魚文の写真を見せると、誰もが入手しなかったことを惜しみます。補修が稚拙だったことを言うと、タイで再補修すれば良かったと一蹴されてしまいました。
今では自分も入手しなかったことを悔やんでいます。




クメールの陶器生産の始まりは、プノン・クレーン丘陵周辺で9世紀初頭に独自発生し、クメール帝国が衰退した13世紀に終焉を迎えたというのが今日の一般的な考えになっています。クメール陶器の発生に他地域の影響が全くないようです。
10世紀になると窯業は、コラート台地に伝播し、11世紀から12世紀に最盛期を迎えます。

青磁の象です。白化粧の上に施釉された壺の一部のようです。ブリラム周辺の遺跡から出土しました。
肖形壺は骨壺として生産されました。





青磁鳥形石灰壺です。蓋は別物を合わせてみました。
ロンクルア市場で入手しました。





褐釉石灰入れです。
口径:3.8cm、最大径:7.5cm、底径:4.1cm、高さ:6.6cm

青磁ウサギ形石灰壺です。破損した耳をよく似た青磁片を用いて補修されていたのですが、補修塗装をシンナー拭きしたら写真のようになりました。
全長:10.1cm、全幅:7.8cm、全高:8.3cm



灰釉象形石灰壺です。

チャンパの褐釉四耳壺です。
ロンクルア市場で店を出しているのは、カンボジア人が大半ですが、ベトナム人も多く安南やチャンパの陶磁器もたくさんあります。



参考にブリラム古窯の発掘報告書に掲載されている、興味のある写真を撮りました。

褐釉仏座像です。

ブリラム窯周辺から出土の瘤牛です。
ブリラム窯とサンカムペーン、カロンそしてラムプーンのハリプンチャイ窯との窯構造の共通性が指摘されていますが、この瘤牛はラムパーン窯出土の瘤牛とも酷似しています。



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