懐かしのバレエ

バレエ、パフォーミングアーツ等の感想、及び、日々雑感。バレエは、少し以前の回顧も。他、政治、社会、競馬、少女マンガ。

舞台と映像

2017-08-12 02:29:40 | Weblog
私ら古参のバレエマニアが、以前のように公演通いをしなくなって、他ジャンルの、例えば演劇とか、別の公演に行く話が、多少出てきた時期がある。

しかし私の方はもう、かなり昔、演劇にはまった時期があり、卒業(?)感、今更感はあったので。

なので、芝居じゃなくて、近年また、以前の四季ブームとは別系統で流行りだした、ミュージカルの今の教育システムで出てきたのを見ようかな、と思った時期がある。

山崎育三郎は、一度見ようかと思ってたけど、買ったバレエチケットも公演行けずに、ふいにしてしまうような状況なので、実行せずに終わってた。

これが、深夜のTVドラマで、山崎主演ので、ちらりミュージカル仕立ての箇所が、唐突に出てきたので、(ドラマとしての、ちまたの評判は分らないが、)
私的には美味しい思いをした。

「あいの結婚相談所」の第二話で、そのシーンを見た。
(ミュージカルファンなら既知のことでしょうが。その向きには、分り切った話ですまん。)

歌も踊りも、今までのTVのドラマの俳優さんタレントさんにはない習熟、安定感で、凄く上手で、既出のタレントとは別世界だった。

(ミュージカル俳優のレベルって、これより上の人って私はあんまり知らないんだけど、(下手な人なら過去に見たことはある・・・昔の日本のその手は、あんまりレベル高くなかったんで)自分的には、この山崎育三郎位のレベルでミュージカルやってくれたら、充分満足。本当に上手だなあ、と思ってみた。)
(そこそこ「うまい」人ってはいるんだけど、そういう域じゃなくて、もっと上。ステップの軽やかさの、ほどよい感じや、絶対しくじらなそうな安定感(環境変わっても、転んだり滑ったりの失敗、絶対しなさそうな足の運びとか全身の空間を掴む力、みたいの。バランス感覚、かな。)、くるくる動いて、その場に祝福の鐘を鳴らすような雰囲気を醸し出す、非日常的な虚構を舞台の上に顕現する力とか、歌一つとっても、なんて形容していいのか言葉に困るけど、ああ、本当に上手だなあ、と思って。コングラッチュレーション!という言葉のハッピーオーラに相応しい奏で方、声の響かせ方って言うのか、朗唱術。歌も、音譜の表現だけじゃなく、高音域に転じた時の声そのものからも祝福感を感じることはたやすい、とか。高音域に天上性があることとか・・。etc・・。

上手いけど、嫌味がない。全体に。歌も動きも。「品がある」って形容とも少し違う。うまく言えないんだけど、過不足なく三拍子揃ってセンスがいい。非の打ち所がない感じ。こういう域って、正しい方向性の訓練を相当やらないと会得できない域だと、初見直感感想。


その「ミュージカル風」場面は、ドラマの途中でやってるので、主人公らが立つ場所、下も舞台じゃなく、普通の外の足場の悪そうな所とか。それも含めて、自在に動いて歌ってるんだけど、ステップの軽みのほどよさ加減とか、堂に入って安定感抜群な在り様とか、空間を、その身体でミュージカル空間に仕立てていくさま、プロな感じが、とても心地よい。山崎育三郎の良さって、勿論本人の才能と努力、年季だけど、それだけではなく、バックボーンを感じさせる才能。このミュージカルスターを育てた演出家の指導とか、こういう人が輩出できるシステムがあってこそのものって感じがした。

第二話は、突然のミュージカル風場面(結ばれる男女に向かって、それを祝福する気持ちを、主人公が歌って踊って表現してるみたいな場面。)のグレードが高く、他は普通のコミカルでハッピーエンドなドラマ、という印象だったんだけど、それでつい第三回も見てしまうと、ドラマの方も目が慣れて何となく面白くは見れたかも(?)

山崎育三郎目当てで見たけど、シスター役の女の子も、山崎同様、TVドラマの演技として超うまいレベルの演技者というわけでもないわりには、何となく、3回目にして山崎扮する主人公のちょっと変人系の人と、芝居の呼吸って言うのか、相性があってきた感じがしたんだけど。
そう、シスター役の人も、なかなかあってるような気がしたのは、2回目のミュージカル風があったので、3回目もつい見てしまったので、細かい所にも目が行った、とか多少好意的な色眼鏡で作品を見た、ということもあるかもしれない。

2回目見た時は、本当は、この山崎育三郎の才能(ミュージカルスターの部分)を、舞台でなくTVドラマの制約の中でも、何か場面として工夫して出すには、どうやったらいいのかな~?何かいいアイデアってないかな~?と思ったんだけど、あの唐突なミュージカル風挿入以上のアイデアって、なかなか思いつかないものかもしれない(?)ドラマ部分は普通だったから、ちょっと勿体ないような気がしてた。

(ただ目が慣れるということもあって、3回目は、ドラマも普通に面白く観れたので、これはこれでいいのかもしれない。)

舞台と映像。
映画やTVドラマの方がいい俳優もいれば、舞台の方が全然いい俳優もいる。両方いいのもいる。

そういえば、三上博史は、逆パターンで、私的には、舞台<映像 の人だったのを思い出した。(舞台も評価もあるし、悪くもないけど。映像、特にTVドラマの方が、超ハイレベル(年齢重ねてからのは特に)な、こともあって。)
(三上博史のTVドラマの演技の深度、高度なコンセントレーションによって独自の世界を築ける不思議な力量は、凄すぎて、私ごときがどうこういうのも不遜だが。)舞台とTVドラマ両方でそれなりに通用した例は、藤原竜也とか?。


「あいの結婚相談所」。他ドラマの打ち切りの話が出てたので、深夜だけど、うちきりとかならずに、続いてくれるといいな。



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