航海する船は
人が苦難や悲しみに会うように
波風にさらされる
帆がしっかりしてないと
東へ西へと流される
船の向かう方向を決めるのは
風や波ではなく
帆で決まる
人生には
多くの試練と苦難がある
どんな時でも
帆の向きがしっかりしていれば
正しい方向へと導かれる
帆とは浄土真実のみ教えであります。
無明長夜の灯炬なり 智眼くらしとかなしむな
生死大海の船筏なり 罪障おもしとなげかざれ
(正像末和讃)
〈現代語訳〉
我欲にとらわれてばかりで、
仏さまのような智慧と慈悲をそなえた眼(まなこ)は私にはなけれども、
「心配しなくていいんだよ」と、
苦海の闇で惑う私を、阿弥陀さまの願いの船が、
かならず私を乗せて浄土へみちびいてくださる。
まるで、暗闇にともる灯台の灯火(あかり)のように。