米澤観児氏のメモリアルディに寄せて
すべての帰天された魂とそれを愛する人のために
言葉たちを捧げます
「死者のための祈り」ルドルフ・シュタイナー
私の魂の愛が、あなたへと向かいますように。
私の愛の想いが、あなたへと流れていきますように。
私の魂の愛と、私の愛の想いが、
希望の高み、愛の領域で、
あなたを支え、あなたを助けますように。
愛はいつまでも…
あなたはそこに
谷川俊太郎
あなたはそこにいた
退屈そうに 右手に煙草 左手に白ワインのグラス
部屋には三百人もの人がいたというのに
地球には五十億もの人がいるというのに
そこにあなたがいた
ただひとり
その日その瞬間 私の目の前に
あなたの名前を知り
あなたの仕事を知り
やがて
ふろふき大根が好きなことを知り
二次方程式が解けないことを知り
私はあなたに恋し
あなたはそれを笑いとばし
いっしょにカラオケを歌いにいき
そうして私たちは友達になった
あなたは私に愚痴をこぼしてくれた
私の自慢話を聞いてくれた
日々は過ぎ
あなたは私の娘の誕生日にオルゴールを送ってくれ
私は あなたの夫のキープしたウィスキーを飲み
私の妻はいつもあなたにやきもちをやき
私たちは友達だった
ほんとうに出会った者に別れはこない
あなたはまだそこにいる
目をみはり私をみつめ くり返し私に語りかける
あなたとの思い出が私を生かす
早すぎたあなたの死すら私を生かす
初めてあなたを見た日から こんなに時が過ぎた今も
花びらは散っても 花は散らない
人は去っても 面影は残る
その人は 合わせる掌(たなごころ)の中に帰ってくる
金子 大栄
「しぬまえにおじいさんがいったこと」より
谷川俊太郎・長谷川宏著
わたしの いちばんすきなひとに
つたえておくれ
わたしは むかしあなたをすきになって
いまも すきだと
あのよで つむことのできる
いちばんきれいな はなを
あなたに ささげると
***************************************************************
「モリー先生との火曜日」より ミッチ・アルボム著
「人間は、お互いに愛し合えるかぎり、
またその愛し合った気持ちをおぼえているかぎり、
死んでもほんとうにいってしまうことはない。
つくり出した愛はすべてそのまま残っている。
思い出はすべてそのまま残っている。
死んでも生きつづけるんだ
この世にいる間にふれた人、育てた人すべての心の中に」
*************************************************************
「リトル・トリー」より
フォレスト・カーター
だれでも2つの心を持っているんだよ。
ひとつの心はね、からだの心、
つまりからだがちゃんと生きつづけるようにって、働く心なの。
でもね、人間はもうひとつ心を持っているんだ。
からだを守ろうとする心とは全然別のものなの。
それは、霊の心なの。
もしもからだを守る心を悪いほうに使って、
欲深になったり、ずるいことを考えたり、
人を傷つけたり、相手を利用してもうけようとしたりしたら、
霊の心はどんどん縮んでいって、
ヒッコリーの実よりも小さくなってしまうんだよ。
からだが死ぬときにはね、からだの心もいっしょに死んでしまう。
でもね、霊の心だけは生きつづけるの。
そして人間は一度死んでも、またかならず生まれ変わるんだ。
************************************************************
雨のおとがきこえる
雨がふっていたのだ
あのおとのようにそっと世のためにはたらいていよう
雨があがるようにしづかに死んでゆこう
八木重吉
感じるの別れじゃないと
いつの日かあなたと会える
木の葉落ちても春になれば
新しいみどり生まれる
もう一度 生まれ変わって
そよぐ風 身体に伝えたい
お願い それまで生きて欲しい
自分を信じて 思いのままに
光溢れる この世界で
再び あなたと出逢える
きっといつか 叶う日が来るわ
そうよ きっといつか あなたと
ミュージカル「とってもゴースト」より
************************************************************
さ よ な ら の あ と で
ヘンリー・スコット・ホランド
死はなんでもないものです。
私はただ
となりの部屋にそっと移っただけ。
私は今でも私のまま
あなたは今でもあなたのまま。
私とあなたは
かつて私たちが
そうであった関係のままで
これからもありつづけます。
私のことをこれまで通りの
親しい名前で呼んでください。
あなたがいつもそうしたように
気軽な調子で話しかけて。
あなたの声色を変えないで。
重々しく,悲しそうな
不自然な素振りを見せないで。
私たち二人が面白がって笑った
冗談話に笑って。
人生を楽しんで。
ほほえみを忘れないで。
私のことを思ってください。
私のために祈ってください。
私の名前がこれまでどおり
ありふれた言葉として呼ばれますように。
私の名前が
なんの努力もいらずに自然に
あなたの口の端にのぼりますように。
私の名前が
少しの暗いかげもなく
話されますように。
人生の意味は
これまでと変わってはいません。
人生はこれまでと同じ形でつづいています。
それはすこしも途切れることなく
これからもつづいていきます。
私が見えなくなったからといって
どうして私が
忘れられてしまうことがあるでしょう。
私はしばしばあなたを待っています。
どこかとても近いところで。
あの角を曲がったところで。
すべてはよしです。
祈ろう。
「5本指の祈り」
1.
自分の身体から見て一番近い指は親指。
先ずは、もっとも近くにいる人、愛する人のために祈ろう。
一番に心に浮かぶし、愛する人のために祈るのは
C・S・ルイスのことばで言えば「うれしい義務」なのだから。
2.
次の指、人差し指は「示す」指。
なので、教える人、指導する人、癒す人のために祈ろう。
教師、医者、教会の指導者たちもその中に入る。
他の人を正しい方向に導くために、
彼らこそ、支えられたり、知恵を必要としている人びとだから。
3.
次の指は一番長い中指。
それで長である人を心に留めよう。
大統領、(総理大臣)、職場の上司、経営者のために祈ろう。
こういう人たちが国を形作り、世論を導いていく。
彼らこそ神の導きが必要だから。
4.
4番目の指は薬指。
たくさんの人を驚かせることだが、実はもっともか弱い指である。
どんなピアノ教師もみなそう言う。
弱い人、困っている人、痛みを感じている人を思い出して祈ろう。
その人びとは夜も昼もあなたの祈りを必要としている人びと。
彼らのためにはどんなに祈っても、祈りすぎることがない。
5.
最後は最も小さな指の小指。
神様の偉大さに照らして、他者にとって、
自分の存在がいかに小さいかを思いだし、
自分のことをこの指にあてはめよう。
聖書に書いてあるのは
「あなたがたのうちで最も小さいものが最も偉大なのである」
小指を見て、自分のために祈ることを思い出そう。
他の4本の指によって、自分以外の人びとを心に留めて祈ったあとには、
きっと自分のために必要なことも見分けられ、
神様にもっとよりよく祈ることができるようになっているはずだから。
****************************************************************
みんな、同じ魂
誰でも持っているさ ひとつ大切なものを
この宇宙に輝く星 ぼくもひとつ 君も
さよならなんかじゃない 悲しいことじゃないのさ
出逢えたことがすべてさ 寂しい時は空見上げて
帰ろう あの星へ なつかしい星へ 帰ろう
あの花 咲いている この空あふれる笑顔
輝く星たち 誰でも帰る世界
いつかは君もたどりつく 星空のなかへ
ぼくらは夜空で輝き 時を超えて
いつまでも見上げる人達を照らすだろう
いこう あの星へ
ミュージカル「星の王子様」より
************************************************************
人であれ、動物であれ、植物であれ、物であれ、
深く愛したものの「死」=「喪失」を乗り越えると言うことは簡単ではありません。
人は「いつか人は死ぬものだから」と言いますが、
愛する者に対して、そんなに簡単に理解できるものではないのです。
「死」にはいろんな形があるように、
また死を見送る人にもいろんな形があります。
死別の直接的なショックだけでなく、
立場やなくなった人に関わる人々からの
二次的なショックを与えられることもあります。
震災で多くの人が帰天され、また災害で多くの方の命が奪われ
死の悲しみを多く聞くようになりました。
私自身、この12年のあいだに最愛のパートナーを二人、
そして最愛の母、3人を立て続けに見送りました。
いずれも静かな緩やかな「ああ、もう逝ってしまう」といった
心構えのあるような死ではありませんでした。
いきなり奪われ消えていくような突然のお別れ。
母とはその突然が訪れ、そのあとは9年間、
植物状態での日々のあと、お別れになりました。
私は今もグリーフの中にいます。
その中で、グリーフワークのことを学びました。
自分のために、愛する人達のために。
学べば学ぶほど、そう簡単に言えるものでもなく、
またサポートすることができるものでもない、と感じました。
人は昔から私に指導者に、セラピストになれとかカウンセラーに
スピリチュアルでお仕事をするべきだ、とか言うのですが
わたしは深く学べば学ぶほど、感じるのですよね。
人の魂に関わることは簡単に人が助けられるものでもなければ、
簡単に言葉をかけていいものではないんだ、と。
スピリチュアルな能力を使うのも同じような感覚です。
だから、私はそう言うことをする人になろうとは思えないのです。
だから、何にも属さないし、何かの言葉を借りることもしないし、
何かに傾倒して、それをどうしてもすすめるようなことはしたくないのです。
自然が自分の力で選び生きているように、人もそれをしながら
調和していくことが大事ではないかと考えています。
だから、ただ私に出来ることは、それらをできるだけ学んで、
それを胸に自分のあり方で心に寄り添うこと。
私に出来ること、していいことなんて、それだけだなって思うんです。
その人が自分の力で歩んだり、選んだりする、その日々を見守ること。
自分自身が当事者だからこそ、私はこの形を選びたいと思いました。
その自分ができる一番の寄り添い方が役者であることだったり、手仕事だったり、祈りだったり、
日々を出来る限り誠実に精一杯生きることなのです。
もしグリーフ(死の悲しみを超えることに興味がある方がいらっしゃいましたら、
いろんな学びの場がある中で、グリーフサバイバーと言うサイトさんは秀逸だと思います。
ワークのようにお金がかかることでもなく、ひとりでも学びを深めることが可能です。
ぜひ、いつか来る日のために、そして周りにいる方のために、
ぜひ「グリーフ」と言う痛みがあることを知っていただけたら。
そして、そういう方を見かけたら、そっと寄り添っていただけたら…。
きっと誰かの、自分の力になれることと思います。
サイトにもありますが「グリーフ(悲嘆)」「喪失」は全人的な痛みだから。
もっとも共有できる感情かもしれないと感じます。
愛する人のメモリアルディに寄せて、
グリーフの痛みの中にいる方のために、
ぜひご紹介させていただきたく思いました。
よろしかったらどうぞ。
こちらをクリックしてください→ グリーフ・サバイバー
サイトに飛ぶことができます。
今日は一日、祈りの日を過ごしています。
もうまもなく、彼が帰天した時間です。
亡き人をご存知の皆様がお心寄せてくだされば幸いです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます