2018年のブログです
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田中千穂子さんの『プレイセラピーへの手びき-関係の綾をどう読みとるか』(2011・日本評論社)を再読しました。
2011年に簡単なブログを書いていますが、なんと7年ぶり。
この間、修士論文の引用文献にさせてもらったりして、断片的な再読はしていましたが、改めての通読は本当に久しぶりになってしまいました(田中さん、ごめんなさい)。
しかし、やっぱりすごい本です。
プレイセラピーをこれだけ言葉にできた本は少ないと思います。
子どもの動きだけでなく、セラピストの動き、セラピストのこころの動き、それらがとてもていねいに、細やかに記されています。
田中さんがおっしゃる、セラピストの洗練された主観性、経験に裏づけられた専門的な勘、そういったものを高める工夫が示されます。
そして、田中さんのセラピーで圧巻なのが親ごさんへの援助。
親ごさんへの援助なしに子どもを助けることはできないという田中さんの強い覚悟が見えます。
しばしばプレイセラピーが母子同席セラピーから始まるのも道理ですし、親子並行面接を含めてのプレイセラピー、という田中さんの主張にもうなずけます。
同じ遊戯療法家のゲリー・ランドレスさんの、遊びは子どものことばである、という言葉をひかれていますが、子どもは本当に遊びの中でいろいろなことを示し、いろいろな成長をし、いろいろな創造をします。
それを支えるのがセラピストのユーモアであり、遊びごごろであり、新鮮さであるようです。
ウィニコットさんとの共通性を感じながら、とても勉強になりました。
少しでも近づいていきたいと思います。 (2018 記)