たぶん2017年のブログです
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遊戯療法家の田中千穂子さんの『障碍(しょうがい)の児(こ)のこころ-関係性のなかでの育ち』(2007・ユビキタスタジオ)を再読しました。
この本もずいぶんいい本なのにかなりのひさしぶりで、自分の勉強不足を反省させられます。
この中では、知的障碍で何らかのご事情から困難に陥ってしまった人たちへの田中さんの心理相談などの援助の様子が描かれています。
かなりの事例が描かれ、その困難さを障碍者の人と一緒に少しずつ解決をしていく、あるいは、馴染んでいく田中さんの粘りとていねいなアプローチは感動的です。
また、何かとたいへんなご家族にもていねいにより添う田中さんの姿もすばらしいです。
そして、それらの援助活動の底には、やはりユーモアの力の大きさを感じさせられる場面が数多く描かれています。
たくさん学ぶべきところがあった中で、今回、じーじが一番、すごいと思ったのは、ある障碍者の女の子とのプレイセラピー。
女の子がカウンセラーの田中さんを刀で切り刻むというプレイをした時に、田中さんがその凄惨な場をユーモアで笑いに変えようと、手足をわざと間違えて再生し、プレイルームを笑いの場に変えてしまい、再生の物語に変えていくというプレイをしたところでした。
どんなに苦しい場面であっても、ユーモアで切り抜け、生き残り、クライエントを守るという治療者としての田中さんの姿に感動しました。
あらためてユーモアの力のすごさを考えさせられました。
もっともっと勉強と経験を積み重ねようと思います。 (2017?記)
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2024年12月の追記です
ご紹介した事例は、女の子の行動が激しくて、さすがの田中さんも困難さを感じますが、田中さんの機転のきいたユーモラスな対応で、笑いが生じて、すごく生き生きとしたセラピーになっています。
田中さんの即興性やユーモアのすごさがとても印象的な事例です。 (2024.12 記)