2021年初夏のブログです
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北方謙三さんの『煤煙』(2006・講談社文庫)を15年ぶりに読みました。
崩れた文庫本の山をさらに崩していたら、記憶のほとんど残っていない本書を見つけてしまい、つい読んでしまいました。
北方さんの小説は本当に久しぶり。
若い頃、かなり熱中して読んでいたのですが、あまりに熱中しすぎたのか(?)、年を取ってからは全く読んでいませんでした(北方さん、ごめんなさい)。
今回の出会いは少し唐突でしたが、しかし、やはりなかなかいい小説で、あっという間に読んでしましました。
ひと言で表現をするのが、なかなか難しい小説。
男の小説です(男女差別をするつもりはないのですが、女性には少しわかりにくい小説かもしれません)。
あらすじは例によって書きませんが、主人公は中年の弁護士。
弱いものを助けるというわけでもないのですが、弱いものをいたぶる権力や金持ちを許しません。徹底的にやっつけます。
正義感というのでもありません。
あまのじゃくといえばそうですが、そういうところがじーじの美意識に合います。
それでも、別れた奥さんと中学生になる娘には優しいです。
後半、自分が破滅に向かっていく予感を感じると、自分から、一見、冷たく、奥さんと娘に別れを告げます。
孤独ですねぇ。最後は依頼主の飼っていた犬と一緒ですが…。
しかし、これが男の人生かもしれません(?)。
少なくとも、男の人生にとって何が大切で、何が大切でないかを考えるきっかけにはなりそうです。
いい小説が再読できて、幸せです。 (2021.6 記)
これは読まねばなりませんね!!🐻✨
クリンもそろそろ、男性という生き物を研究しないと🍀🍀✨✨
(じーじさまのレビュー大好きです!全部読みたくなるんですよね。すごいと思います!)
北方謙三さんの男の美意識、男の美学はいいです。
もっとも、立原正秋さんと同じで、滅びの美学、滅亡の美学に通じているようなところがあるので、クリンちゃんのような健全なかたには少し毒になるかもしれません。
でも、それもまた人生の真実かもしれませんね。
『友よ、静かに瞑れ』リアルタイムで映画館に映画を観に行って、その後で北方先生の原作本を買って読んだのですが、ストーリーが複雑で、登場人物も沢山出て来て、私(男ですが^ ^)には難しい本でした(≧∇≦)
北方作品を沢山読んでる人によると、他の作品も同じく複雑な内容みたいですね。
私には大薮春彦さん辺りの小説が合ってるようです^_^
じーじも若い頃、よく読みましたよ。
また再読をしたいな、と思います。