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宮内勝『増補・精神科デイケアマニュアル』1997・金剛出版-丁寧で親切な精神科臨床に学ぶ

2024年08月11日 | 心理臨床を考える

 たぶん2017年ころのブログです

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 宮内勝さんの『増補・精神科デイケアマニュアル』(1997・金剛出版)を再読しました。

 数年前に精神科デイケアで大学院の実習を受けた時に買った本ですので、5年ぶりくらいです。

 このところ、精神科デイケアについて少し考えていて、デイケアの本棚(いつも見ているコラージュ用の絵本や雑誌の本棚ではなく、メンバーさんの読書用の本棚のほうです)に置いてある統合失調症についての本やデイケアについての本を読んでいるのですが、自分の本棚にあったこの本も読んでみました。

 例のごとく、あちこちにアンダーラインや付箋があるのですが、内容はかなり忘れてしまっていて、またまた新鮮な気持ちで読みました。

 ただし、二回目の読書となると、この間の経験も加味されるのか、以前とは違ったところに付箋をはったり、アンダーラインをひいて、勉強になりました。

 今回、勉強になったのは、居場所としてのデイケアというところで、新人は少しずつ時間を増やしていけばいい、というところで、もちろん現場ではそういう配慮が慎重になされていますが、実際に今もそういうメンバーさんの姿を目の前で見ているので、とても参考になりました。

 また、スタッフがあまり焦ってプログラムを楽しいものにしないで、少しだけ楽しめる程度のほうがメンバーさんにはいい、との指摘も重要と思われました。

 ともすると、ついつい、楽しいことはいいことだ、と思いがちですが、それよりも、メンバーさんが主体的に少しずつ楽しんでいける場を援助することが大切になるのだな、と再確認ができたように思います。

 メンバーさんのペースを尊重して、楽しみすぎやはじゃぎすぎでメンバーさんが疲労することに配慮をする必要もありそうです。

 さらには、適度な休息や昼休みの休憩の確保も課題になりそうに思います。

 他にもいろいろと考えさせられるテーマが目白押しの本です。

 具体例を踏まえて、ていねいな検討やこまやかな記述がなされていますので、とても参考になります。

 今後も経験を重ねて、読み深めていきたいと思いました。       (2017?記)

 


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