ホセ・クーラが出演中の、ベルギー・リエージュ、ワロン王立歌劇場のヴェルディのオテロ。ネットライブ放送が予定されていましたが、ようやくCultureboxのHPでライブ放送の告知が出されました。
クーラのオテロの正規の映像は、長い間2006年のリセウ大劇場のDVDしかありませんでしたが、昨年ザルツブルク復活祭音楽祭2016のオテロがライブ放送され、さらに今年DVD、ブルーレイでも発売されました。
今回はそれに続いてのライブ放送、1997年にアバド指揮でオテロにデビューして以来、20周年の今年、21年めに足をふみいれた円熟のオテロがまた、ライブで見られるというのは本当にうれしいことです。
放送されるのは6月27日(火)午後8時からの公演(現地時間)です。日本時間では、28日(水)午前3時からです。
以下のCultureboxでライブ中継されます。画像をクリックしてください。Cultureboxのオテロのページにリンクを張っています。
また、見たいけれど夜中に起きてみるほどは・・という方も大丈夫です。半年間はオンデマンドで視聴可能なようです。
ワロン王立歌劇場はベルギーの劇場ですが、収録・放送してくれるのはフランス公共放送の傘下にあるフランスTVとCultureboxです。文化・芸術を通じての諸国民の理解と融合をうたい、文化政策としてオペラをはじめとする文化芸術プログラムを積極的に無料ネット配信してくれているフランス政府とフランスTVに心から感謝です!
Otello - Live Web
SEASON : 2016-2017
LENGTH : 2:50
SONG LANGUAGE : Italian
CONDUCTOR : Paolo Arrivabeni
DIRECTOR : Stefano Mazzonis di Pralafera
CHOIRMASTER : Pierre Iodice
Otello: José CURA
Desdemona: Cinzia FORTE
Iago: Pierre-Yves PRUVOT
Cassio: Giulio PELLIGRA Emilia: Alexise YERNA Lodovico: Roger JOAKIM
Roderigo: Papuna TCHURADZE Montano: Patrick DELCOUR An Araldo: Marc TISSONS
Opéra Royal de Wallonie-Liège
DATES : Tue, 27/06/2017 20:00~
フランス 中央ヨーロッパ夏時間 (CEST UTC+2)
日本との時差は、マイナス7時間ですので、日本では28日(水)早朝3時からとなります。
Cultureboxのページを開いて、下側にあるタブをクリックすると、クーラや指揮者、演出家などのインタビュー動画(フランス語)のリンクもあります。
また関連動画として、同じくタブを開くと、今年2月にクーラが初挑戦したワーグナーのタンホイザーパリ版フランス語上演の録画のリンクがあり、まだ視聴できます。
これまで見たいくつかのレビューは、全体として非常に高評価です。
演出・舞台は、クラシックでわかりやすく、衣装がたいへん美しく豪華だということです。
またクーラをはじめとする出演者、指揮者、オーケストラ、そして合唱団を含むアンサンブル全体が大変に高く評価されていました。
→ 初日の写真を紹介しています (初日編)
とりわけクーラのオテロは、好みが分かれるところではありますが、長年のスコアと脚本の分析、経験にもとづいて、ヴェルディが求めるドラマを全身全霊で描き出そうとします。
美しい歌唱、美しい声の「ベルカント」ではなく、オテロは「ドラマ」だという確固とした信念にもとづいて、時にはあえて声を醜く歪ませることもいとわず、オテロの苦悩と複雑な人間性の表現をめざしています。見る者をドラマに引き込み、心をざわざわさせるオテロです。
ザルツブルク復活祭2016のオテロは、ティーレマンという指揮者とクーラの方向性とは、違う面があり、本来の激しくドラマティックで燃えるようなクーラのオテロとは少し違う舞台だったようにも思います。そういう点では、今回のライブ放送こそ、20年の経験を経た、円熟のオテロの集大成となるのではないかと期待しています。
キャンセルなく、万全な体調で良い舞台、納得のパフォーマンスとなることを心から期待しています。
初日の6月16日の舞台は、ベルギー王室の方々も鑑賞され、終演後、出演者らと交流があったようです。劇場のフェイスブックに掲載されました。
フェイスブックに掲載された、ファンとの写真、真ん中の2人が、クーラとデズデモーナ役の チンツィア・フォルテ。
クーラは短パン姿でリラックスしているようです。チーム全体がうまくいっている様子がうかがえます。
こちらは現地で鑑賞した若い女性がインスタに投稿したクーラとの写真。
「私とオペラとの最高の出会いだった!ホセ・クーラ、偉大なアーティスト、素晴らしい歌手!」とメッセージがつけられていました。
クーラの描くドラマがこの女性にストレートに届いたのですね。それにしてもこの髪型は・・(笑) ライブ放送の日には、髪を少し切り、髭を剃って、顔がよく見えるようにしてほしいと思うのですが・・。