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人と、オペラと、芸術と ~ ホセ・クーラ情報を中心に by Ree2014

テノール・指揮者・作曲家・演出家として活動を広げるホセ・クーラの情報を収集中

(告知編)ホセ・クーラ、2019プッチーニ・フェスティバルのトスカに出演

2019-04-27 | 2019年プッチーニ音楽祭

 

 

                                                               *トップの画像は2014年ドイツ・ハノーファーでのトスカの舞台(コンサート形式)より

 

まだホセ・クーラの公式カレンダーは記入されていませんが、新しい出演予定のニュースが入ってきました。*公式発表ありました!

この夏開催される2019年プッチーニ・フェスティバル(プッチーニ音楽祭)です。作曲家ジャコモ・プッチーニが生前に住み、仕事場を構えていたイタリアのトッレ・デル・ラーゴという町で、プッチーニのオペラ上演のために開催されています。プッチーニの故郷で生家があるルッカも近くです。1930年に始まり、その後、中断もありつつ、1966年からは毎年開催されているそうです。

演目はトスカで、クーラは、主人公トスカの恋人のマリオ・カヴァラドッシ役です。クーラがこれまで演じたオペラのキャラクターのなかでも、このトスカのカヴァラドッシは、出演回数も非常に多く、またクーラ自身が、共感できる役柄だと語っています。共和主義者で、逃げてきた政治犯をかくまい、拷問にも黙秘を貫いて、最後には銃殺されてしまう理想主義者です。信念のある人物、いかなる圧力、攻撃にも、死を賭しても、自分らしい生き方を手放さないというカヴァラドッシの姿は、クーラ自身の生い立ち、生き方とも共通する要素があり、ぴったりの役柄です。

 → クーラの「トスカ」についての解釈、カヴァラドッシについて紹介した記事

実はクーラがトスカのカヴァラドッシにデビューしたのは、1995年のこのプッチーニ・フェスティバルだったそうです。91年にアルゼンチンからイタリアに移住したクーラ。数年後のその当時は、テノールとしての国際的なキャリアが急速に開けつつあった時期です。その後1999年にもカルメンで出演しているようです。

初出演から24年、四半世紀近くたち、56歳となって、プッチーニフェスティバルに登場です。

現在わかっている情報についてまとめてみました。 


 

 

 ≪公演の概要≫

今年の第65回プッチーニ・フェスティバルは、2019年7月6日から8月24日までの間、開催されます。

 → プッチーニ・フェスティバル公式HP

上演されるプッチーニのオペラは、「西部の娘」、「トゥーランドット」、「ラ・ボエーム」、「蝶々夫人」、「トスカ」、「妖精ヴィッリ」の6演目。いずれも美しいメロディにあふれ、ドラマティックな物語で人気のオペラです。このほかにも、イタリアのソプラノ歌手カーティア・リッチャレッリのキャリアへのオマージュのコンサートや、バレエ公演などもあるようです。

クーラが出演するのは、8月2日、11日、18日のトスカ。8月24日はダブルキャストの別の出演者になります。

 *クーラの公式カレンダーに、8月2日の公演も追加されました。

トスカは、ロシアのソプラノ、マリア・グレギーナ。クーラとグレギーナは、2006年にボローニャ歌劇場公演のアンドレア・シェニエで一緒に来日したこともあります。ともに長いキャリアをもち、共演回数も多いです。


この写真は、日時は不明ですが、グレギーナとクーラのトスカのようです。若いです。

 

 

 ●「トスカ」

 

Tosca
2 11 18 and 24 August
On the podium Dmitrij Jurowsky and Hirofumi Yoshida / Directed by Dieter Kaegi

 ≪Cast≫ 

  • Tosca=  Maria Guleghina and Lacrimioara Cristescu
  • Cavaradossi= José Cura and Hovhannes Ayvazyan
  • Scarpia= Carlos Almaguer and Stefan Ignat

 

トスカの初演(1900年1月14日、ローマ)のためにつくられたポスターを紹介するフェスティバルのFB記事 

 

 

 

≪フェスティバル会場≫

会場は、 イタリア・トスカーナ地方の町トッレ・デル・ラーゴのマサチュッコリ湖畔に建つ野外劇場。2008年にオープンし、3200席もあるそうです。クーラが1995年に出演した当時は、まだこの豪華な野外大劇場は造られておらず、プッチーニの家の近くの広場におかれた特設ステージが会場だったとのことです。それにしても素晴らしいロケーション。写真を見ただけでも行ってみたくなります。


 

 

野外劇場と湖、その周辺を上空から撮影した動画です。この美しい風景、湖畔の水の音に囲まれて、プッチーニはあの多くの名作を作曲したのですね。

Gran Teatro all'aperto G.Puccini TORRE DEL LAGO

 

 

≪出演者紹介≫

●公式FBに掲載されたクーラの紹介

1995年にこのフェスティバルでカヴァラドッシにデビューしたことなどが書かれています。コメント欄には、「必ず行く」「私も一緒に!」などや、95年の公演に「私はそこにいた」「私も!」などのコメントが書き込まれています。クーラは1991年にアルゼンチンからイタリアに移住して、5年ほど住み、そのイタリアでテノールとして本格的なキャリアを開始していますから、初期の頃からクーラを知って応援してくれていたファンがたくさんいるのだと思います。

 

●マリア・グレギーナ

グレギーナは今年のフェスティバルには、トスカと西部の娘の2演目に出演するようです。

 

 

≪その他の演目≫

クーラが出演するトスカ以外のプッチーニのオペラは、以下の5つです。 

 

●「西部の娘」

La fanciulla del West

12 and 26 July

Conductor   Alberto Veronesi and Gianna Fratta
Direction, scenes and costumes by Renzo Giacchieri
Maria Guleghina and Tamar Iveri
Hovhannes Ayvazyan and Alberto Mastromarino

 

●「トゥーランドット」

Turandot

13 and 19 July, 17 August

Conductor Marcello Mottadelli
Directed by Giandomenico Vaccari
Veronika Dzhioeva and Lubov Stuchevskaya Valeria Sepe and Claire Coolen
Zoran Todorovich

 

 ●「ラ・ボエーム」

La bohème

20 July, 3 and 10 August

Conductor Mārtiņš Ozoliņš
Directed by Alfonso Signorini
Hui He and Angela Gheorghiou = Mimì
Jean François Borras and Angelo Fiore = Rodolfo
Ivana Canovic and Micaela Sarah D'Alessandro = Musetta
Nikola Mijailovic and Pierluigi Dilengite = Marcello

なんと、ミミの役に、ホイ・ヘーとアンジェラ・ゲオルギュー!

ゲオルギューを紹介したFBの記事

 

●「蝶々夫人」

Madama Butterfly

27 July, 12 and 23 August

Conductor Alberto Veronesi and Nir Kabaretti
A new production by Stefano Mazzonis di Pralafera
Hiromi Omura and Karine Babajavyan = Cio Cio San
Stefan Pop and Angelo Fiore = Pinkerton Bruno De Simone and Stefan Ignat = Sharpless

蝶々夫人には、日本のソプラノ、大村博美さんが出演されます。クーラは大村さんとは、2011年、仏ナンシーでの東日本大震災復興支援のコンサートで共演したことがあります。

 → 大村さんとクーラが出演した東日本大震災復興支援チャリティーコンサートの記事

 

●「妖精ヴィッリ」

Le Villi

August 16th

Conductor Keri-Lynn Wilson
Directed by Csaba Kàel
Dafne Tian Hui, Carlo Ventre and Raffaele Raffio

 

 

≪ホセ・クーラのマリオ・カヴァラドッシ≫

最後に、クーラのカヴァラドッシの舞台から、「星は光りぬ」など、関連動画をいくつか。(追加あり)

 

●1995年プッチーニ・フェスティバルでのロールデビュー

95年の動画はないものと思い込んでいましたが、以前見たことのあるこの動画が、どうやら95年のプッチーニ・フェスティバルの時のようです。画質も音質もよくないし、クーラのアリアの部分ではなく、逮捕されたカヴァラドッシがスカルピアに尋問されているシーンだけです。とはいえクーラの声の強さ、豪胆な面構え(笑)がなかなかです。 

Franco Giovine Scarpia Duetto "Tal Violenza" Tenore J.Cura

 

●1996年ウィーン「妙なる調和」

プッチーニ・フェスティバルでのロールデビューの翌年、ウィーン国立歌劇場に初出演した時のトスカから。若々しく強靭な歌声です。音声のみ。

Jose Cura "Recondita armonia" 1996 Tosca

 

●2000年バーリ「ヴィットリア!」

DVDになっている2000年のイタリア・バーリでの舞台から、血まみれ、渾身の叫び「勝利だ!」

 

 

●2000年ブダペストでのコンサートより「星は光りぬ」

コンサートですが、年齢的にも、容姿、声、カヴァラドッシそのもののように思えます。

José Cura E lucevan le stelle Cavaradossi Tosca Budapest

 

●2014年ハノーファー「星は光りぬ」

比較的最近のクーラの動画。ドイツ・ハノーファーの野外オペラ「トスカ」から。円熟の表現力です。

Jose Cura "E lucevan le stelle"

 

 


 

夏休みの時期なので、もう少し早くわかっていれば行きたかった・・と思います。カヴァラドッシは、私にとって、クーラの生の舞台をぜひ鑑賞したい演目のひとつ。ただ野外ということでリスクもあります。とはいえ、あの美しいロケーションの野外劇場。天候にさえ恵まれれば、本当に素晴らしい舞台になることでしょう。夏のご旅行でイタリアをご検討中の方、行かれるご予定の方がいらしたら、ぜひご感想などお聞かせいただければありがたいです。

 

*画像はフェスティバルFB,HPなどからお借りしました。トップとラストはハノーファーのトスカから。

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