長岡京エイリアン

日記に…なるかしらん

全国城めぐり宣言 第9回「備前国 岡山城」 おともはマシュマロとばかうけ

2012年03月23日 15時28分50秒 | 全国城めぐり宣言
 ずうぇえ~い! どうもこんにちは、そうだいでございますっと。
 今日の千葉は予報どおりの雨天なんですけどねぇ、やっぱり春は近いですね! そんなに寒くもないし、むしろちょうどいいくらいのおだやかな気温です。雨もそんなに強くは降らなかったしねぇ。やさしい一日だわ。

 突然ですが、TBS ラジオの人気深夜番組『金曜ジャンク バナナマンのバナナムーン GOLD』のマドンナこと、AD の「かまっちゃん(鎌田麻子さん)」が、ラジオの仕事をやめるかもしれないんだってぇ!? なんてことだ……
 やはり、尋常じゃない頻度で男どもが熱い抱擁を交わす番組の姿勢に耐えられなくなったのだろうか?
 いやいや、どうやら彼女は、故郷の福島に活動の照準を合わせることを考えて決断したのだそうです。
 具体的にどういったことをやるのかは私もまだ知らないのですが、まずはそういった勇気ある選択に踏みきった彼女の行動力をたたえたいやねぇ。
 ちょっと、今晩の放送回は聴きのがせないなぁ。これから私は仕事なんですけど、今から仕事終わりが楽しみでしょうがありません。ばかもん! 雑念を捨ててきりきり働かんかァ!!


 さてさて、そういったお話とはじぇんじぇん脈絡がないのですが、今回は久しぶりの「全国城めぐり宣言」企画、最新作でございます。

 地元・千葉県の「小弓城(おゆみじょう)」、「高品城」、「佐倉城」に続いての第4弾はななんとなぁんとぉ、それまでのラインナップには大変に失礼な物言いになるのですが、全国的な知名度がダンチな超メジャー城郭のご登場!! 思いっきり飛びましたねぇ~。

 すげぇんだぜ、すげぇんだぜ! だってさぁ、「天守閣」があるんだぜ!? 「石垣」があるんだぜ!? そしてなによりも、「他県から来た観光客」がいるんだぜぇ~!?

 そうなんですよ。今までの3城には天守閣なんか無かったし、東日本の城郭なので石垣も使用されない「土塁」メインのコーディネイト。佐倉城だけは、言ってみれば江戸時代の「千葉県庁」にあたる存在だったために城郭地域も整備されていて現在は観光地にはなっているのですが、いかんせん現存でも再建でも目立った建造物が無いため、どちらかというと敷地内にある「国立歴史民俗博物館」にお客さんをとられているというていたらくだったのです。

 小弓城はその城域のほとんどが農地になっていたし、高品城にいたってはまるまるマンションの下じきに。

 思えば、「おれは本当に城を探訪しているのだろうか……」という根源的な疑問と闘いながらあゆみ続けた、この『長岡京エイリアン』の長期計画シリーズ「全国城めぐり宣言」だったのですが、ついに今回は、どこからどう見ても「ジャパニーズお城!!」な大スターのご登場でございます。


「備前国 岡山城」(岡山県岡山市北区)


 出ました~! 言わずと知れた「豊臣五大老」宇喜多秀家(1572~1655年)の居城としてつとに有名な、「日本100名城」の「第70番」にあたる山陽の名城でございます。

 うへへへ……城だ、城だよぉ~。しかも、まっくろけっけ、褐色の肌がまぶしい「戦国城」!! 色白でおしとやかな「江戸の城」じゃないんだなぁ。

 残念ながら、21世紀の現在に観ることができる岡山城の天守閣は1966年に建造されたコンクリート造りの復元なのですが、その威容はつい最近、太平洋戦争まで存在していた「本物」を極力忠実に再現したものになっています。木造じゃないからってナメんなよって話なんですよね。

 写真資料をながめるだに、岡山城のスタイルはかなり美しいバランスのとれたナイスバディで、最上階の第六階が絶妙なバランスの「小顔」になっています。私のゆがみまくった眼からたとえさせていただければ、「日本100名城界のビヨンセ=ノウルズ」と言ってさしつかえないのではないでしょうか。ついでに言うなら、播磨国の姫路城はそりゃも~「キング・オブ・ポップ」マイケル=ジャクソンですよね。

 ところで、岡山城といえば、言わずもがなその別名は「烏城(うじょう)」。烏城といえば、同じ別名を持っている名城に信濃国の「松本城」があります。こちらも岡山城に負けない漆黒のお城なんですけど、松本城は「烏城(からすじょう)」と呼ばれています。

 このネーミングセンスはかんなり正鵠を得ているところがあり、同じ真っ黒な鳥でも「う」は細身で「からす」は少々ワイルドでごつい。
 その通りに、松本城は最上階・第六階が比較的大きな造りになっているため、顔ががっちりできた無骨な印象になっています。やっぱりそういうところから観れば、松本城はライオネル=リッチーということになるでしょうか。いや、ご本人はそんなに顔は大きくないらしいんですけど。っていうか、さっきからなんでたとえが外国人ばっかなんだよ!!

 ともあれ、そんな美しき岡山城の実物を拝めるというのですから、先日の岡山行きは非常に期待値の高いものとなりました。この旅の直接の契機となった、前回にふれた舞台『晴れ時々、鬼』にはいくら礼を言っても言い足りません。


 そんなわたくしが意気揚々と乗り込んだ岡山行きの交通手段は、「夜9時新宿発、翌朝7時30分岡山着の深夜急行バス」! お値段重視で座席は「4列シート」のやつ!!

 ……やっぱ、きつかったっす。

 そもそも、そのくらいの長時間をバスで移動っていうのは、実家の山形に帰省するときにもよく使う手段だったのでなれているつもりだったんですけど、まぁ~なるべくなら避けたいものの……安いからねぇ!
 今回は筋肉痛がするほどひどくはなかったんですけど、いかんせん春分の日前だったので座席が満員で、うしろにシートは倒せないし隣は「麒麟の田村さん似の大柄な男性」だったりしてねぇ。けっこう肩身がせまいまま10時間バスに揺られてしまいましたよ。

 でも、やっぱり行く場所が生まれてはじめての「山陽・備中国」だったんでねぇ。近所の「山陰・因幡国」、つまりは今でいう鳥取県に行ったことはあったんですけど、山陽はまったく未踏の地でしたから。
 眠れないことを逆手にとって、カーテンをちょちょっとめくりながら、

「武蔵、相模、駿河、遠江、三河、尾張、伊勢、近江、山城、摂津、播磨、そして備前!! ウヒヒ~っ♪」

 と、別にどういったこともない、出ては消え出ては消えする変わり映えしない高速道路の灯りを眺めていました。眠れなくてけっこう!!

 バスの中といえば話題はぜんぜん関係ないんですけど、午前3時をすぎたあたりから車内の至るところで、

「へぷちっ。へぷちっ。」
「ズッビッズッバ~。ズッビッズッバ~。」

 という、思わず「ぱっぱっぱっや~」と合いの手を入れたくなってしまうような、春ならではの鼻の音が聞こえてくるようになってきました。みなさん、発車前に飲んでおいた花粉症のお薬がきれてきたんでしょうねぇ。
 もうね、岡山の1コ手前にあたる姫路に着いて空もしらじらと明けてきたころには、「そんなに関東を離れるのが悲しいのか?」「このバス、車内放送で『ビルマの竪琴』でも流してんのか?」というくらいの鼻すすりの大合唱になっていました。

 まぁ、自分はまだ発症してないからこんな「対岸の火事」みたいなことをぬかしてますけど、明日は我が身ですからね……花粉症は怖いですよねぇ。

 バスは神戸から高速を降りて普通道に入ったのですが、なんといってもおもしろいのは、車窓から見える風景が日本の町並みであることは間違いないわけなんですけど、どこかしらに間違いなく「関東じゃない空気」が流れているってところなんですよね。

 神戸はやっぱりソフィスティケイトされたカッコいい街なんですけど、同じ港湾都市でも横浜とは一目で違いがわかる感じがありまして。ちょっと降りてみないと確たることは言えないものの、「ああっ、遠いところに来ちゃった!」という実感はすぐにわいてきました。

 そして、夜が明けて姫路をすぎると風景は一瞬にして山がちな地方色に! 低い山がえんえんと連なる道になったのですが、これはこれで私の故郷の東北とはまったく色合いが違うんですよねぇ。奥羽山脈はもっとけわしくて、人里と山がこんなに近くに共存している風景は意外と少ないと思うんですよ。姫路から岡山へと向かう途上は、その日は実におだやかな表情をしていました。

 とはいえ、これは逆の見方をするのならば、「山に分断された人里が無数に点在している」ということになります。
 つまり、ひとたびこの地方を征服しようというのならば、ひとつひとつの勢力圏を各個撃破でプチプチつぶしていかないといけないということになります。東北のように、山のふもとの大きな盆地をドカンと占領したらなし崩し的にその地域を総取りできるというわけにはいかないんですなぁ。

 なるほど……あの羽柴秀吉軍団が播磨国以西の制圧に大きな時間と労力をかけなければならなかった理由がよくわかりました。今ちょうど、マンガの『センゴク 天正記』でやってるところですよねぇ。やっぱこういうのは、実地に観てみねぇとわかんねぇもんだなぁ。

 そんなこんなで、脳内を500年前に着実に戻している私をよそに、バスはスケジュール通りに朝7時30分、JR 岡山駅前に到着しました。


 いや~、ついに着きました、岡山県岡山市! 駅のロータリーには堂々の「ももたろう像」が屹立しています。

 岡山市。とってもよかったですねぇ。全体的にとっても「なつかしい」んです。それでいて間違いなく「知らない街」なの。

 結局、今回私がいた時間はたかだか半日ほどだったので岡山市のすべてを楽しんだとは言いがたいんですが、新しい部分と伝統的な部分とがいい感じにまじりあっているステキな街でした。

 なんてったって、まず目に入るのは路面電車ですよ。

「んぎ~……がったん、がったん。」

 という聞きなれない音が遠くから響いてくる環境は、自動的に「知らない街」感を呼び起こしてくれて実に新鮮でした。乗り込むヒマはなかったけど。
 地元の方には当たり前の風景なんでしょうけど、路面電車はいいねぇ~。これからも続けていってほしいですねぇ。

 私が目指す岡山城は、岡山駅の東口からさらに真東にまっすぐぶち抜かれている「桃太郎大通り」を約1キロ、15分ほど歩いた先にあります。

 当時、戦国時代から江戸時代にかけて大名の居城、もしくは藩の政庁として機能していた岡山城は広さおよそ1キロ四方、その中核部分となる「本丸御殿」にいたるまでに実に5重もの水堀をたたえた天下の名城でした。城域はざっくり言えば同心円状に「本丸」、「二ノ丸」、「三ノ曲輪(くるわ)」、「三ノ外曲輪(そとくるわ)」と広がっていたようです。

 そのうち、明治維新後から現在にいたるまでに残されている区域は「本丸」のみで、そこ以外は岡山県庁、放送局、県立美術館、学校などが建ちならぶハイソで伝統ある「丸ノ内」地区となっています。
 ここの雰囲気がまたいいんですよね……それほど高くはないものの古めかしい真四角なビルがうっそうと建っている静かな街のはしばしに、おしゃれな喫茶店や飲み屋さんがちらりほらり。

 私が到着した朝7時半はまだ寒かったのですが、しばらく歩いて岡山城本丸公園が見えてきたころには太陽も高くなり、だんだんとぽかぽかしてきました。今日は探訪日和のあったかい日になるぞぉ~。私は運がいい。

 いちおう、公園に入る前によけいに周辺をほっつき歩いてみて、すぐ近くにあるお芝居が上演される予定だった「ルネスホール」を確認したりして、8時すぎに満を持して本丸に入城させていただく運びとなりました。キンチョーするなぁ~。

 岡山城の名前の由来となった「岡山」というのは、天守閣のたっている場所にある標高10数メートルそこそこの丘のことなのですが、これは駅側から見て本丸区域のいちばん遠い北東に位置しているため、公園の入り口からはまだ天守閣の威容は見えません。ひっぱりますねぇ。

 公園の入り口付近には、かつて「二ノ丸対面所」があったという敷地に有名な「林原美術館」があります。ブギーナイトはやってないけど歴史ファンにはたまらない!
 対面所というのは要するに、江戸時代の岡山城の城主であった岡山藩主・池田家やその代理人が、他藩もしくは幕府の要人と会見するときに使用されていた迎賓館のような施設でした。現在の美術館にはその時代以来の建造物は残っていないのですが、明治時代によそから移築されたいかめしい武家屋敷の正門がそのまんまの姿でお客さんを出迎えています。

 ここはねぇ……藩主の池田家に伝わっていた「池田本 洛中洛外図屏風」を所蔵しているひっじょ~に重要な歴史美術館なのでありますがァ!!
 無念なことに、時間の都合で入館できませんでした……メインのお芝居鑑賞の時間をのぞいて正味10時間もあったはずの今回の岡山探訪なんですけれども、林原美術館に行く余裕がないほどにそれ以外の部分で楽しみきってしまいました。まぁ、しょうがねっか!

 余談ですが、そこに所蔵されていた「洛中洛外図屏風」は元和(げんな)年間、つまりは豊臣家が「大坂夏ノ陣」(1615年)によってついに滅亡した直後の京都の様子を描いているのですが、私が前におとずれた下総国の佐倉城あとにある歴史民俗博物館が所蔵している2種類の「洛中洛外図屏風」は室町時代末、足利幕府がかろうじて健在だった時期の京都をえがいています。

 すごいね~、なんとなくの順番だったのに佐倉城と岡山城が「洛中洛外図屏風」でつながっちゃいましたヨ!? まぁ、林原美術館にも歴博にも入らずに城ばっかしか観てなかったから関係ねぇけど。

 さぁ、いよいよこのわたくしが岡山城の本丸に足を踏み入れるときがやってまいりました。

 朝日が陽光にかわり、公園をかこむ堀のみなもも輝きをましてきます。まだ早い時間なので私以外の人影は見えないのですが、堀をぼんやりとただよっている白鳥たちが「ガベー、ガベー」と私の来訪をむかえてくれています。意外とオッサンみたいなお声なんですね……

 こんな日程なので朝食などとっているヒマはなく、私はおもむろにカバンからひっぱりだした、実家から弟づてでさずかったマシュマロと、お菓子のしょうゆせんべい「ばかうけ」を交互につまみながら意気揚々と岡山城探訪にしゃれこむこととあいなりました。


 糖分と塩分、そして城!! 他になにがいるというのか。しいてあげれば愛がほしいのだが、それはいつでもいいだろう。


 っつうことで、岡山城探訪の核心に迫る興奮の本編は、まったじっかい~。

 岡山後楽園も、もちろん行きましたよ~。

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