どうもこにゃにゃちは!! そうだいでございまする~。
あ~んそれじゃあもう、四の五の言わずにちゃっちゃとまとめちゃいましょうかい!
マンガ『ぬらりひょんの孫』について(2011年以降のいろいろ、つづき)
重要なキャラクターたち
奥州遠野一家
赤河童(あかがっぱ)
声優 …… 宮内 敦士(42歳)
奥州遠野一家の総大将。奥州妖怪を統率する巨大な顔の河童。ぬらりひょんとは古い付き合い。
かまいたちイタク
声優 …… 岸尾 だいすけ(37歳)
バンダナを頭に巻いた青年の姿をしている。昼は小さなイタチになってしまうが、こちらが本来の姿らしい。6本の鎌を使い、あらゆるものを薙ぎ払う。また、自分の意志で両腕に大鎌を備えた人間大のイタチの姿になることもできる。頑固で無愛想だが責任感は強く、仲間思い。
遠野におけるリクオの修行で、指導係に抜擢された。遠野の仲間以外の妖怪は基本的に信用しておらず、リクオと張り合うことが多い。プライドも高く、首無と一時険悪な仲だったが、京都編でリクオや首無の実力を次第に認めるようになった。
京都編の後から半年間、東京の奴良組本家に出向いてリクオの修行を手伝っていた。その後、百物語組の鎮圧に協力、青森県の恐山へも同行する。葵螺旋城には土蜘蛛と共にいち早く駆けつけ、戦った。
晴明戦後は、遠野一家の次期総大将となる。
天邪鬼淡島(あわしま)
声優 …… 柚木 涼香(37歳)
さばさばした性格の好青年。夜は肉体が女性になるが、基本的に男として振舞う。鬼神の父と天女の母を持ち、鬼神の破壊力と天女の包容力の両極をあわせ持つ。「淡島」の名は『古事記』にあるイザナギとイザナミの第二子「あはしま」に由来している。
河童雨造(あめぞう)
声優 …… 水島 大宙(35歳)
マイペースでお気楽な性格。遠野を出たことはないようだが、何かと外部のことに詳しい物知りで、奴良組の首無のファン。
人間らしい姿をしている奴良組の河童と違ってトカゲのような風貌で、時折「ケケケ」という奇声をあげる。
雪女冷麗(レイラ)
声優 …… 豊口 めぐみ(33歳)
ピンク色の髪をお団子に結っている。落ち着いた性格で敵に厳しく味方に優しい。
座敷童子紫(ゆかり)
声優 …… 折笠 富美子(36歳)
可愛らしい童女の姿をしているが毒舌。「運を引き込む」妖怪で、遠野の妖怪からは全幅の信頼を寄せられている。リクオ達が恐山に向かう際に同行し、イタクをサポートした。
江戸百物語組
山ン本五郎左衛門(さんもと ごろうざえもん)
百物語組の組長。「魔王」とも呼ばれる巨大な妖怪。
もともとは江戸時代の人間で、材木問屋の大富商だった。生前から自らが創作した怪談を広めることで、人々の恐怖心「畏(おそれ)」を自身の所有する「百鬼の茶釜」に集めることを愉しみとしていた。その釜から作られた毒茶を江戸幕府の要人に飲ませて国家を支配しようと企み、さらに世の中の畏を吸収することで、生きながらにして神仏になろうとしていた。野望達成の目前で鯉伴に追い詰められ、いったんは死亡する。しかし、奴良組への激しい恨みから、自身が百物語の第百話「奴良組を滅ぼすまで決して滅びない妖怪」魔王・山ン本五郎左衛門に変貌した。またこの時、飛び散った彼の肉体から、圓潮や鏖地蔵ら多数の大幹部妖怪が生まれている。鏖地蔵によると、山ン本は百の妖怪に分かれているという。
その姿は、肉体は朽ち果て頭部は髑髏となり、口からは内臓がはみ出している。この肉体に山ン本としての意識はなく、ただ畏を求めて徘徊する妖怪でしかなかった。人間としての山ン本の魂は常に地獄に居るが、山ン本の「脳」である三ツ目八面を通じて、他の妖怪たちに指示を出している。
江戸時代に鯉伴と黒田坊の共闘によって倒されたかに見えたが、彼の身体から分裂した妖怪たちは再び集結し、百物語組と名乗って暗躍するようになる。以後300年にわたり力を蓄え、復活と奴良組への復讐を企てていた。その後、安倍晴明と結託して鯉伴を殺害し、現代では奴良組に三ツ目八面として潜伏していた。四国八十八鬼夜行の組長・玉章に「魔王の小槌」を与えて奴良組を襲わせ、さらに鏖地蔵を使って京妖怪連合を利用し、晴明を地獄から完全に復活させるなど、物語中の全ての事件の裏で暗躍していた。
※現代では、山ン本の「口」「耳」「腕」「骨」「面の皮」「鼻」「脳」である7人の大幹部がいる。
圓潮(えんちょう)
百物語組の大幹部で、山ン本の「口」。真っ黒な瞳が特徴的な和装に短髪の男。山ン本亡き後の百物語組のリーダー格。
柔和な笑顔と独特の語り口調で人を惹きこみ、心を捕える言霊使い。普段は噺家として活動している。柳田が集めてきた怪談を語る役目を担い、数多くの都市伝説を生み出してきた。
山ン本の復活を前に、百物語組の妖怪が東京中の人間を襲うことで、その恐怖心や憎悪を奴良組に向けさせようと企んだ。
しかし実は、安倍晴明の再誕を語る者となるために百物語組を利用していた。その後、復活した山ン本に吸収されかかるが、安倍有行に助けられた。その後は御門院一族のもとに身を寄せていたが、敗戦後に柳田に刺殺された。
柳田(やなぎだ)
百物語組の大幹部で、山ン本の「耳」。キツネ目の青年で、左耳に山ン本の「鼻」である鈴を付けている。この「鼻」は、怪談や妖怪を匂いで追うことができる。
江戸時代から生前の山ン本の側近として仕えてきた妖怪。その忠誠心を山ン本に買われ、引き続き怪談を集める「耳」としての役割を与えられた。以降、怪談、都市伝説の類を聞き集める役割を担い、圓潮や鏡斎に提供している。山ン本を裏切った黒田坊を強く憎んでいる。
百物語組抗争の終結後はいずこかへと姿をくらました。その後、葵城の地下道で圓潮を後ろから刺殺し、今後も山ン本復活のため怪談を集め続けることを誓う。
鏡斎(きょうさい)
百物語組の大幹部で、山ン本の「腕」。和装に髪を後ろで結った色黒の青年。「狂画師(きょうえし)」の異名を持つ。
人や妖怪が朽ち果てる様、殺し合う様を「芸術」と呼び、それを描写することに陶酔する。
怪談を画に描いて本物の妖怪を生みだす力を持つ。柳田が聞き、圓潮が語り、鏡斎が生むという関係である。描く対象を全て妖怪に変貌させることができ、人間も妖怪にすることができる。造った妖怪たちをけしかけたり、筆を用いた妖術を操る間接的な戦闘を得意とする。
百物語組抗争では、多くの少女や無機物を妖怪に変えてリクオを襲わせた。さらに「九相図」を用いてリクオの肉体を消滅させようとするが、リクオの強力な畏に呑まれて斬り伏せられ、ビルの屋上から転落していった。
※九相図(くそうず)
人が死んで滅びてゆく様を描いた九枚からなる画図。対象者の血を混ぜた墨で描くことで、その者を徐々に腐らせていく強力な呪術。全ての画が完成した時、相手は腐りきって消滅する。
三ツ目八面(みつめやづら)
百物語の大幹部で、山ン本の「脳」。表向きは奴良組系妖怪組織「三ツ目党」の党主。
その正体は、頭蓋骨の上半分から脳がはみ出したような頭部を持っており、山ン本自身の意識や感覚を宿している。身体の各部位の妖怪たちに意識がつながっていて、妖怪が倒されると彼自身も痛みを感じる。
百物語組を動かす鍵として、圓潮に利用されていた。圓潮に裏切られて瀕死の重傷を負うが、最期の力で「百鬼の茶釜」に集められた畏を吸収し、魔王・山ン本五郎左衛門として復活を果たした。百物語組の妖怪たちを吸収しながら奴良組本家を襲撃するが、最後はリクオに一刀両断されて滅びた。
雷電(らいでん)
百物語組幹部で山ン本の「骨」。筋骨隆々の肉体を持った、若い巨漢。
普段は快活な性格だが、幹部中でも最も好戦的であり、どんな相手も叩き潰し粉々にする。だが物覚えは悪く、圓潮の作戦や自分の能力もあまり覚えていなかった。
巨大なコンクリートを指で弾き飛ばす怪力と、物理攻撃をものともしない頑丈な骨の身体を持つ。巨大な木槌を持っているが、戦闘は基本的に素手で行う。
百物語組抗争では、幹部クラスの一番手としてリクオと戦うが、修行を積み新たな力を手に入れたリクオに斬られ、身体が粉々に爆ぜた。
珠三郎(たまさぶろう)
百物語組幹部で山ン本の「面の皮」。中性的な顔立ちをしている。人を欺いて惑わし、その心をズタズタに引き裂くことを好む。人質をとったり部下を身代わりにするなど卑劣な性格の持ち主。
液状になった「面の皮」を使って相手の姿を複写し、それを被ることで擬態する。戦闘時は歌舞伎役者のような姿をしていることから、「狂役者(きょうやくしゃ)」の異名を持つ。
百物語組抗争では奴良組の毛倡妓(けじょうろう)になりすまし、奴良組の本家に潜入してリクオの母・若菜に襲いかかるが、首無に阻まれて敗北した。奴良組の妖怪に捕らえられるが、復活した山ン本に吸収される形で消滅した。
黒田坊(くろたぼう)
声優 …… 鳥海 浩輔(38歳)
現在はリクオの側近の一人。黒い袈裟をまとい笠をかぶる旅僧の姿をしている。
奴良組の青田坊とは仲が良く、出入りの際には常に勝負を競っている「もう一人の突撃隊長」。美形で女性に人気があるが、人間、妖怪を問わず女性関係においてトラブルを起こすことが多く、天邪鬼淡島からは「エロ田坊」というあだ名で呼ばれる。基本的に人間には無関心であるが、情には厚い。
手にしている錫杖以外にも、法衣の中に200種類以上の暗器(暗殺用の武器)を仕込み、連続攻撃や隙を突いた不意討ちなど多彩な技を持つ。
元々は戦乱や飢饉の中、野盗や野武士に苦しめられる子どもたちの恐怖心が、「自分たちを護ってくれる存在」として創造した正義の妖怪だったが、山ン本の「百鬼の茶釜」によって操られ、百物語組の幹部として暗殺を担当していた。江戸時代に鯉伴とも交戦している。山ン本から生まれた妖怪たちが子どもを襲っているところを救出したことで自我を取り戻し、鯉伴と盃を交わし共闘して山ン本を倒した。その後奴良組に入る。
リクオが正式に跡目候補となってからは、人間のビジネスマンに擬態して登下校の護衛に回ることになった。後にリクオとも七分三分の盃を交わした。リクオの三代目襲名と同時に、青田坊共々、幹部に昇格した。
滝夜叉姫(たきやしゃひめ)
鏡斎がリクオの友人・鳥居夏実を妖怪に変えたもの。モデルは平安期に存在し、父親である大怨霊・平将門(たいらのまさかど ?~940年)の無念を晴らすため魔道に堕ちた将門の長女(本名・五月姫)。般若の面のような顔を持ち、巨大な薙刀を武器とする。
鏡斎に操られるままにリクオに攻撃を仕掛けるが、リクオの刀によって妖怪としての肉体のみを斬られ、核となった鳥居は解放された。
青行燈(あおあんどん)
巨大な鎧武者の姿をした妖怪。百物語組の切り札にして、圓潮の語る怪談の最終話。
「百鬼の茶釜」に集められた、東京中の人間の恐怖心や憎悪を原動力として動く妖怪マシン。離れた相手にはビームで攻撃する。また、口腔内に隠された茶釜を破壊しない限り、無限に再生し続ける身体を持つ。
リクオ、氷麗、イタクを相手に圧倒的な力を見せつけるが、茶釜を破壊され、リクオによって頭部を真っ二つにされて倒れた。
水戸 光圀(みと みつくに 1628~1701年)
権中納言、前水戸藩主。江戸幕府初代征夷大将軍・徳川家康の孫で、「水戸黄門」こと徳川光圀その人。ぬらりひょんの茶飲み友達であり囲碁友達。ぬらりひょんが居城の水戸城に忍び込んだ時に知り合ったという。
山ン本の百物語完成を阻止するための鯉伴の作戦に協力した。事件の後、毒茶取り締まりの中心的役割を担った。
柳沢 吉保(やなぎさわ よしやす 1658~1714年)
江戸幕府大老格兼将軍側用人(老中に就任したことはない)、左近衛権少将、武蔵国川越藩主。山ン本の毒茶を飲み、「覇者の味」の中毒に侵された。百物語組の壊滅後、畏に飢えて数々の悪行を働いたが、光圀に成敗された。
花開院家
蘆屋 道満(あしや どうまん ?~?)
声優 …… 高岡 瓶々(47歳)
花開院家の開祖である播磨国出身の陰陽師。平安時代前期に安倍晴明とライバル関係にあった。
花開院 秀元(けいかいん ひでもと)
声優 …… 緑川 光(43歳)
戦国時代後期から江戸時代初期にかけて活躍した花開院家十三代目当主。異能の陰陽師と言われた天才で、兄の是光(これみつ)を差し置いて当主になった。
才能、実力ともに高いが性格は飄々として子供っぽい。陰陽師だが妖怪への態度は馴れ馴れしいほどに好意的で、ぬらりひょんとは顔馴染みで、酒を飲み交わす程の仲となっていた。妖刀「祢々切丸」や京の「慶長の螺旋封印」を創った。なお、彼自身は羽衣狐の呪いを受けていないため長命だった。
現代では「破軍」で召喚された先神(花開院家の歴代当主)の一人として登場。他の先神とは異なり、ほぼ生前の姿のままで登場した(花開院竜二は霊力が高いためではないかと推測している)。花開院家や奴良組に助言し、普段の態度とはうって変わって優秀な指揮能力を見せる。
花開院 ゆら(けいかいん ゆら)
声優 …… 前田 愛(36歳)
花開院本家の陰陽師。次期当主候補であるが現在は修行中の身であり、修行の為に奴良組の本拠地である東京の浮世絵町の中学校に転校してきた。おっとりとした性格だが、感情の起伏が激しい面もある。
陰陽師としてのプライドが高く、悪い妖怪は全て滅するという信念を持つ。花開院家の陰陽師の中でも特に並外れた精神力の持ち主で、式神を使役し妖怪を滅する能力についてはぬらりひょんも驚愕する才能の持ち主。一度に複数の式神を使役できるなど、修行中の身でも陰陽師としては優秀な方らしいが、肝心要の所で失敗をすることがある。
京都から兄の花開院竜二らが来た事により、リクオの正体を知る。氷麗とは妖怪であると分かってからは反発しあっているが、人間に危害を加えないからか、リクオ同様に退治しようとは考えていないようで、共闘したこともある。京都編の後は、京都の中学校へ転校していった。
御門院一族による清浄が始まる直前に復活した土蜘蛛にさらわれ、無理やり道案内をさせられる。2度にわたって御門院水蛭子と交戦し、土蜘蛛やリクオを援護した。
のちに28代目花開院家当主に就任した。
花開院 竜二(けいかいん りゅうじ)
声優 …… 小西 克幸(38歳)
花開院本家の陰陽師で、ゆらの実兄。高校3年生。
ゆらと同様に「久しぶりに本家から才ある者が出た。」と高く評価される実力者で、周囲からは秋房と共に当主候補と目されていた。知識、経験共に誰よりも優れているとされるが、本人は「自分の才能はゆらや魔魅流には及ばない。」と語っている。発想、アイディア、知識量によって左右される結界に興味を持ち、幼いころは御門院天海に憧れていた。
陰陽師を「白(正義)」、妖怪を完全な「黒(悪)」とみなし、妖怪を徹底的に滅するという思想に傾倒している。また、リクオや秋房といった中立的な「灰色」の存在もあまり快く思っていない。刃向かうものは妹ですら容赦しない冷徹さを持つ。ゆらをよく騙したりからかったりしており、彼女には邪険に扱われる事が多い。しかしゆらの才能は認めており、兄として彼女のサポートも行う。背が低いことを気にしていて、話題に出した者は酷い目に遭わせる。
常に携帯している竹筒に入れた液体の式神を操る。嘘と真実を織り交ぜた巧みな話術で言霊を操り、敵を惑わせる戦法を得意とする。
都市伝説の発信源が東京であることを突き止め、百物語組との抗争で奴良組に協力する。その後もリクオ達に同行する。清浄で天海と交戦し敗北するも、東京で葵螺旋城の謎を解きリベンジを果たす。
ゆらが28代目となってからは彼女の補佐に徹しており、現在は、呪いの商品を生み出す「闇の狩人」たちを追っている。
花開院 秀元(けいかいん ひでもと)
声優 …… 秋元 羊介(67歳)
花開院家二十七代目当主。現代の当主であり、竜二とゆらの祖父にあたる。十三代目当主と同名。
しょうけらとその一軍に本家を襲撃された際、花開院家の精鋭と共に戦うが、敵わず倒された。しょうけらが倒され、他の妖怪たちが撤退した後、ゆらに花開院家の未来を託して死亡する。
花開院 魔魅流(けいかいん まみる)
声優 …… 野島 健児(35歳)
花開院分家の陰陽師。最近本家に養子入りした。竜二に従って行動を共にしている。高校生。
ロボットのように感情を表さない。禁忌を犯して体内に式神「雷獣」を宿している。妖怪を絶対悪とみなし、容赦ない攻撃を繰り出す。陰陽術の才能はゆら以上らしく、雷獣から得られる雷の力を操る。水を操る竜二と連携攻撃を行うこともある。
花開院 秋房(けいかいん あきふさ)
声優 …… 森久保 祥太郎(37歳)
妖刀制作の名門である花開院分家「八十流(やそりゅう)」の次男。第一の封印「弐條城」の守護者。
幼い頃から才能を見せ、次期当主になると自他共に疑わなかったが、破軍を使うゆらに対抗心を抱いていた。「不敗の槍」と呼ばれる妖槍「騎億(きおく)」を操る。自らの陰陽術に対し絶対的な信念を持つが、本来は穏やかな性格である。
京都の鹿金寺で破戸や雅次と共に羽衣狐と対峙するが、ゆらに対するコンプレックスを鏖地蔵につけ込まれて憑依されてしまった。京妖怪と共に相剋寺を襲撃するが、花開院ゆらにより解放された。その後、本家にてしょうけらと交戦し追い詰められるが、青田坊に助けられ、彼と共闘して京妖怪を退けた。
京都での戦いが終わった後、安倍晴明に砕かれてしまった「祢々切丸」を、恐山の最も畏の強い場所で刀を鍛えなおしていた。その間、御門院泰世の協力を受けていたが、リクオ達が山に入ってきたことで変貌した彼に襲われる。しかし、駆けつけてきたリクオに新生した祢々切丸を託し、それを退けた。晴明戦では、晴明の天文操作から人々を守るために4振りの結界剣を使用した。
花開院 破戸(けいかいん ぱと)
声優 …… 真田 アサミ(33歳)
花開院分家「愛華流(あいかりゅう)」の陰陽師。第二の封印「相剋寺」の守護者。自らが創り出した式神を操り、「創造式神使い」とあだ名される。小柄で自由気ままな性格。常に空中に浮いているが、仕組みは不明。
鹿金寺で秋房、雅次と共に羽衣狐と対峙するが勝負にならず、その後は雅次と共に京妖怪連合の人質にされてしまう。事件が終結した後に救助された。
花開院 雅次(けいかいん まさつぐ)
声優 …… 野島 裕史(38歳)
結界術を得意とする花開院分家「福寿流(ふくじゅりゅう)」の陰陽師。第三の封印「鹿金寺」の守護者。眼鏡をかけており、冷静な性格。
鹿金寺で秋房、破戸と共に羽衣狐と対峙するが、がしゃどくろによって結界を破られてしまった。
花開院 灰吾(けいかいん はいご)
声優 …… 稲田 徹(39歳)
花開院分家「井戸呂流(いどろりゅう)」の陰陽師。第五の封印「清永寺」の守護者。43歳。
結界を狙う京妖怪に対し、「陽力投与即神剤(ようりきとうよそくしんざい)」を飲み、肉体を異常に強化して戦おうとしたが、羽衣狐に瞬殺された。
御門院家
安倍 晴明(あべのせいめい 921~1005年)
声優 …… 小山力也(46歳)
御門院家の始祖。鵺(ぬえ)とも呼ばれる羽衣狐の「やや子」。鵺の出産は、羽衣狐を始めとして、京妖怪すべての悲願とされている。
千年前の京の闇を支配した陰陽師。京の都で蘆屋道満と互角と評される程の名高い陰陽師だったが、その裏では平安京の妖怪を統べる主として、人と妖の共存を目指していた。京の「光と闇の共存」という秩序を永遠に保つため、死という運命から逃れるべく反魂の術の完成を目指していた。そのために母である羽衣狐の胎内に還り転生するという方法を導き出すが、その矢先に母を人間に殺された。このために、人への怒りと憎しみから「闇が光の上に立つ世界」へと傾倒していき、いつしか妖怪「鵺」と呼ばれるようになる。自身の復活のために羽衣狐の遺骸に秘術を施したうえで、彼女の死から40年後に死亡した。
死後も地獄で自らの復活を画策し続ける。現代になって、羽衣狐出産の障害となる鯉伴を抹殺するために魔王・山ン本五郎左衛門と手を組む。反魂の術で鯉伴の死んだ妻・山吹乙女を蘇らせ、彼女を羽衣狐の依代としてあてがった。
力を蓄えた羽衣狐の手により、羽衣狐の敗北の直後に現代に復活、母を地獄へと葬り、自ら現世を闇で支配することを誓った。土蜘蛛を軽くあしらい、リクオの「祢々切丸」を造作もなく破壊する圧倒的な強さを見せつけるが、自身の肉体がまだ現世に適応していなかったため、地獄へ一時撤退した。祢々切丸によって負わされた傷のため、復活が遅れている。
御門院一族の清浄後、地獄から鬼の眷属を従えて東京の葵螺旋城に降り立つ。そこで復活した羽衣狐と再会するも対立。最後は、羽衣狐を鬼纏ったリクオの一撃を受けて消滅した。
安倍 吉平(あべのよしひら 954~1027年)
御門院家二代目当主。安倍晴明の長男。
父・晴明の不在中、不老の肉体を得て千年もの間、御門院家を纏めてきた男。陰陽術の基本であり最終目標たる「天候制御」の術を操る。羽衣狐の血を4分の1引いており、リクオと同じ妖怪と人間のクォーターであるため、多尾の狐のような姿に変化できる。
人でも妖でもない自分の血を呪い、清浄を果たすことを運命として受け入れ、父の作る世を見届けることを目的として生きていた。最後は葵螺旋城離宮でリクオと戦い敗北、人と妖との架け橋となるという言葉を父に伝えるようリクオに頼んだ。
安倍 雄呂血(あべのおろち)
御門院家三代目当主。在位期間は1185~1333年。
ローブのような衣をまとった長身の女性。「この世で最も偉大な式神使い」を自称し、強力な式神を何体も同時に操ることができる。
清浄では式神「雄呂血(八岐大蛇)」を操り、御門院一族を援護する。その後、鬼の眷属と共に奴良組本家を襲撃するが、ぬらりひょんに敗北する。
安倍 有行(あべのありゆき)
御門院家四代目当主。在位期間は1334~92年。
小柄な少年の姿をしている。常に笑みを浮かべており、とらえ所の無い性格をしている。南北朝時代の当主で、2つの都(京と吉野)を守るために、鏡を使って同時に式神を飛ばせる「暗闇鏡」を編み出した。幼い姿は、若くして当主になった才能の証である。
百物語組抗争の黒幕で、圓潮が花開院竜二に追いつめられた際に駆け付け、彼の窮地を救っている。
葵螺旋城では、隠神刑部狸・玉章と対峙。暗闇鏡の中に彼を連れ込んで追い詰めるが、晴明が滅んだことで肉体が崩壊して消滅した。
※史実でも、晴明のひ孫に当たる四代目に「安倍有行」がいたが、平安時代の人物であり、『ぬらりひょんの孫』の有行との関連は特に見られない。
御門院 泰長(ごかどいん やすなが)
御門院家五代目当主。在位期間は1393~1476年。安倍有行の実子。
晴明の復活のためだけに存在する一族の方針に疑問を抱き、一族の姓を「御門院」へ変える。朝廷の一機関という陰陽寮の本来の役目に戻ろうとしたが、父親を始めとする一族の心を変えることはできず、失意のうちに一族を去る。隠棲した地に「半妖の里」を造った。
※史実でも、安倍有行の実子である五代目に「安倍泰長」がいたが、平安時代の人物であり、『ぬらりひょんの孫』の泰長との関連は特に見られない。
※ちなみに、御門院家のモデルとなった「土御門(つちみかど)家」が安倍姓から改姓したのは、室町幕府第3代征夷大将軍・足利義満に重用された十四代目の安倍有世(1327~1405年)が、歴代で初めて「公卿」に昇進したことがきっかけとなっている(ただし、有世自身が生前に「土御門」姓を名乗ることはなかった)。
御門院 心結心結(ごかどいん ゆいゆい)
御門院家六代目当主。在位期間は1477~1568年。
ゴスロリ風の格好をした女性。吸引器をつけた熊のぬいぐるみを使い、相手を傀儡のように操る能力を持つ。
清浄では山陰地方を担当。岡山県の妖怪を壊滅させたほか、隠神刑部狸・玉章の命を狙った。葵螺旋城では最初にリクオ達を迎え撃つ。奴良組の面々や九十九夜行を手玉に取って戦いを優位に進めるが、駆けつけた首無に圧倒され、さらに青田坊と黒田坊の加勢もあって敗北した。
※御門院家のモデルとなった土御門家は、応仁大乱(1467~77年)の戦火を避けて、江戸時代初期まで若狭国(福井県南部)に移住していた。
御門院 天海(ごかどいん てんかい 1536~1643年)
御門院家七代目当主。在位期間は1569~1643年。
表向きは天台宗の高僧で江戸幕府初代征夷大将軍・徳川家康の側近でもあった天海僧正として知られていた人物。宇宙服のような不気味なマスクを付け、頭には縁の広い笠をかぶっている。徳川幕府を裏から支配していた。花開院竜二が理想の陰陽師として憧れるほどの実力者。しかし老いてから当主となった(呪術「泰山府君祭」の習得が遅かった)ため、醜く老いた自分の素顔を嫌っており、顔を見た者は敵味方関係なく皆殺しにする。
結界術を得意とし、螺旋状の結界陣を張って入り込んだ者の自由を奪う。その範囲は日本全国に及ぶほど広大。鏖地蔵によれば、江戸幕府三百年の治世は、天海が施した「螺旋封印」(花開院秀元のものと同型)によるものだという。罠にかけたり騙し討ちをしたりと卑怯な手段で敵に襲いかかる。
京都を襲撃し、京妖怪や竜二らを相手にその力を見せ付けるが、羽衣狐に返り討ちにされ撤退した。後に葵螺旋城に乗り込んできた竜二らと直接対決。竜二の式神・水龍により葵螺旋城の結界を破られ、自身もそれに呑まれて死亡した。
※当然ながら、史実の安倍晴明と天海僧正とのあいだに直接の関係はない。
御門院 泰忠(ごかどいん やすただ)
御門院家八代目当主。在位期間は1644~1852年。
モアイ像のような非常に大きい顔を持つ男。方角の禁忌を利用した領域型秘術「方違え(かたたがえ)」を操り、妖怪を滅する能力を持つ。
清浄では中部地方を担当。青田坊、黒田坊を相手に善戦するが敗れた。
※史実でも、安倍晴明から数えて八代目の子孫に「安倍泰忠」(泰長のひ孫で有弘の祖父)がいたが、鎌倉時代の人物であり、『ぬらりひょんの孫』の泰忠との関連は特に見られない。
御門院 水蛭子(ごかどいん ひるこ)
御門院家九代目当主。在位期間は1853~67年。
ドレッドヘアのような長髪を後ろで束ねた少年。性格は短気かつ好戦的。壮絶な修行の結果、右腕が「水」、左腕が「火」に包まれ、右脚が「金」、左脚が「土」、頭部が「木」と、五行で構成された身体を手に入れた。相性の悪いもの同士の性質を組み合わせ、爆発的な破壊力を生み出す攻撃を放つ。自称「御門院家最強」で、江戸幕末期を生き抜いたその実力は他の当主たちからも認められている。
清浄では九州地方を担当し、九十九夜行をほぼ壊滅に追い込んだ。土蜘蛛を返り討ちにし、さらに九十九夜行の生き残りの抹殺を図るが、リクオらによって阻止される。死闘を繰り広げるものの、最後は「祢々切丸」によって延命の術を断ち切られてしまい、肉体が朽ち果てて崩れ落ちた。
「水蛭子」の名は『古事記』にあるイザナギとイザナミの第一子「ひるこ」に由来している。
御門院 有弘(ごかどいん ありひろ)
御門院家十代目当主。在位期間は1868~1926年。
口髭を蓄えた長髪の男性。多重式神使いで、鷹型の式神を無数に召喚することができる。式神は攻撃だけでなく探索にも使える。
水蛭子らと共に九州地方の清浄を担当。獺祭と対決するが、彼の炎に式神もろとも焼き尽くされ、死亡する。
※史実でも、安倍晴明から数えて十代目の子孫に「安倍有弘」がいたが、鎌倉時代の人物であり、『ぬらりひょんの孫』の有弘との関連は特に見られない。
御門院 長親(ごかどいん ながちか)
御門院家十一代目当主。在位期間は1927~45年。
長い髪を後ろで束ねた若い男。生まれながらに弱視で、周囲2.5メートル以内のものしか見えない。自らの周囲を妖刀「仏及羅(ぶぎゅら)」で薙ぎ払うことで結界を作り、そこに入り込んだもの全てを滅する「結界眼」を持つ。
水蛭子らと共に九州地方の清浄を担当。隠神刑部狸・玉章と対決するが、敗れて死亡。その後、死体が心結心結に操られ再び玉章を襲うが、獺祭によって焼き尽くされた。
有弘、長親の両名が他の当主に比べてあっけなく敗れた理由について、心結心結や玉章は「妖の闇が薄れた平穏な時代を治めていたため」と述べている。
※史実でも、安倍晴明から数えて十一代目の子孫に「安倍長親」(有弘の実子)がいたが、鎌倉時代の人物であり、『ぬらりひょんの孫』の長親との関連は特に見られない。
御門院 泰世(ごかどいん たいせい)
御門院家の一族。青森の恐山にいる修験者。妖刀作りの名手であり、八十秋房を指導していた。晴明に忠誠を誓う厳格な人物。頭髪の色がなぜかショッキングピンク。
恐山に侵入したリクオ一行を襲い、さらには秋房を「祢々切丸」もろとも始末しようとするが、完成した祢々切丸により敗北した。
※史実でも、安倍晴明から数えて十二代目の子孫に「安倍泰世」(やすよ 長親の実子で有世の祖父)がいたが、鎌倉時代の人物であり、『ぬらりひょんの孫』の泰世との関連は特に見られない。
※作中では、長親以降の当主(十二代目以降)については明言されておらず詳細は不明だが、名前のモデルとなった安倍氏系図から推測しても、この御門院泰世が十二代目当主(在位期間は1946~2012年?)に限りなく近い存在だった可能性が高い。
う~ん……よく完結したね、これ。いや、完結してはいないんだろうなぁ。
欲張りすぎなんですよ……なにはなくとも欲張りすぎなんですよ!!
そんなこんなで、詳しいつれづれは、まったじっかい~!
あ~んそれじゃあもう、四の五の言わずにちゃっちゃとまとめちゃいましょうかい!
マンガ『ぬらりひょんの孫』について(2011年以降のいろいろ、つづき)
重要なキャラクターたち
奥州遠野一家
赤河童(あかがっぱ)
声優 …… 宮内 敦士(42歳)
奥州遠野一家の総大将。奥州妖怪を統率する巨大な顔の河童。ぬらりひょんとは古い付き合い。
かまいたちイタク
声優 …… 岸尾 だいすけ(37歳)
バンダナを頭に巻いた青年の姿をしている。昼は小さなイタチになってしまうが、こちらが本来の姿らしい。6本の鎌を使い、あらゆるものを薙ぎ払う。また、自分の意志で両腕に大鎌を備えた人間大のイタチの姿になることもできる。頑固で無愛想だが責任感は強く、仲間思い。
遠野におけるリクオの修行で、指導係に抜擢された。遠野の仲間以外の妖怪は基本的に信用しておらず、リクオと張り合うことが多い。プライドも高く、首無と一時険悪な仲だったが、京都編でリクオや首無の実力を次第に認めるようになった。
京都編の後から半年間、東京の奴良組本家に出向いてリクオの修行を手伝っていた。その後、百物語組の鎮圧に協力、青森県の恐山へも同行する。葵螺旋城には土蜘蛛と共にいち早く駆けつけ、戦った。
晴明戦後は、遠野一家の次期総大将となる。
天邪鬼淡島(あわしま)
声優 …… 柚木 涼香(37歳)
さばさばした性格の好青年。夜は肉体が女性になるが、基本的に男として振舞う。鬼神の父と天女の母を持ち、鬼神の破壊力と天女の包容力の両極をあわせ持つ。「淡島」の名は『古事記』にあるイザナギとイザナミの第二子「あはしま」に由来している。
河童雨造(あめぞう)
声優 …… 水島 大宙(35歳)
マイペースでお気楽な性格。遠野を出たことはないようだが、何かと外部のことに詳しい物知りで、奴良組の首無のファン。
人間らしい姿をしている奴良組の河童と違ってトカゲのような風貌で、時折「ケケケ」という奇声をあげる。
雪女冷麗(レイラ)
声優 …… 豊口 めぐみ(33歳)
ピンク色の髪をお団子に結っている。落ち着いた性格で敵に厳しく味方に優しい。
座敷童子紫(ゆかり)
声優 …… 折笠 富美子(36歳)
可愛らしい童女の姿をしているが毒舌。「運を引き込む」妖怪で、遠野の妖怪からは全幅の信頼を寄せられている。リクオ達が恐山に向かう際に同行し、イタクをサポートした。
江戸百物語組
山ン本五郎左衛門(さんもと ごろうざえもん)
百物語組の組長。「魔王」とも呼ばれる巨大な妖怪。
もともとは江戸時代の人間で、材木問屋の大富商だった。生前から自らが創作した怪談を広めることで、人々の恐怖心「畏(おそれ)」を自身の所有する「百鬼の茶釜」に集めることを愉しみとしていた。その釜から作られた毒茶を江戸幕府の要人に飲ませて国家を支配しようと企み、さらに世の中の畏を吸収することで、生きながらにして神仏になろうとしていた。野望達成の目前で鯉伴に追い詰められ、いったんは死亡する。しかし、奴良組への激しい恨みから、自身が百物語の第百話「奴良組を滅ぼすまで決して滅びない妖怪」魔王・山ン本五郎左衛門に変貌した。またこの時、飛び散った彼の肉体から、圓潮や鏖地蔵ら多数の大幹部妖怪が生まれている。鏖地蔵によると、山ン本は百の妖怪に分かれているという。
その姿は、肉体は朽ち果て頭部は髑髏となり、口からは内臓がはみ出している。この肉体に山ン本としての意識はなく、ただ畏を求めて徘徊する妖怪でしかなかった。人間としての山ン本の魂は常に地獄に居るが、山ン本の「脳」である三ツ目八面を通じて、他の妖怪たちに指示を出している。
江戸時代に鯉伴と黒田坊の共闘によって倒されたかに見えたが、彼の身体から分裂した妖怪たちは再び集結し、百物語組と名乗って暗躍するようになる。以後300年にわたり力を蓄え、復活と奴良組への復讐を企てていた。その後、安倍晴明と結託して鯉伴を殺害し、現代では奴良組に三ツ目八面として潜伏していた。四国八十八鬼夜行の組長・玉章に「魔王の小槌」を与えて奴良組を襲わせ、さらに鏖地蔵を使って京妖怪連合を利用し、晴明を地獄から完全に復活させるなど、物語中の全ての事件の裏で暗躍していた。
※現代では、山ン本の「口」「耳」「腕」「骨」「面の皮」「鼻」「脳」である7人の大幹部がいる。
圓潮(えんちょう)
百物語組の大幹部で、山ン本の「口」。真っ黒な瞳が特徴的な和装に短髪の男。山ン本亡き後の百物語組のリーダー格。
柔和な笑顔と独特の語り口調で人を惹きこみ、心を捕える言霊使い。普段は噺家として活動している。柳田が集めてきた怪談を語る役目を担い、数多くの都市伝説を生み出してきた。
山ン本の復活を前に、百物語組の妖怪が東京中の人間を襲うことで、その恐怖心や憎悪を奴良組に向けさせようと企んだ。
しかし実は、安倍晴明の再誕を語る者となるために百物語組を利用していた。その後、復活した山ン本に吸収されかかるが、安倍有行に助けられた。その後は御門院一族のもとに身を寄せていたが、敗戦後に柳田に刺殺された。
柳田(やなぎだ)
百物語組の大幹部で、山ン本の「耳」。キツネ目の青年で、左耳に山ン本の「鼻」である鈴を付けている。この「鼻」は、怪談や妖怪を匂いで追うことができる。
江戸時代から生前の山ン本の側近として仕えてきた妖怪。その忠誠心を山ン本に買われ、引き続き怪談を集める「耳」としての役割を与えられた。以降、怪談、都市伝説の類を聞き集める役割を担い、圓潮や鏡斎に提供している。山ン本を裏切った黒田坊を強く憎んでいる。
百物語組抗争の終結後はいずこかへと姿をくらました。その後、葵城の地下道で圓潮を後ろから刺殺し、今後も山ン本復活のため怪談を集め続けることを誓う。
鏡斎(きょうさい)
百物語組の大幹部で、山ン本の「腕」。和装に髪を後ろで結った色黒の青年。「狂画師(きょうえし)」の異名を持つ。
人や妖怪が朽ち果てる様、殺し合う様を「芸術」と呼び、それを描写することに陶酔する。
怪談を画に描いて本物の妖怪を生みだす力を持つ。柳田が聞き、圓潮が語り、鏡斎が生むという関係である。描く対象を全て妖怪に変貌させることができ、人間も妖怪にすることができる。造った妖怪たちをけしかけたり、筆を用いた妖術を操る間接的な戦闘を得意とする。
百物語組抗争では、多くの少女や無機物を妖怪に変えてリクオを襲わせた。さらに「九相図」を用いてリクオの肉体を消滅させようとするが、リクオの強力な畏に呑まれて斬り伏せられ、ビルの屋上から転落していった。
※九相図(くそうず)
人が死んで滅びてゆく様を描いた九枚からなる画図。対象者の血を混ぜた墨で描くことで、その者を徐々に腐らせていく強力な呪術。全ての画が完成した時、相手は腐りきって消滅する。
三ツ目八面(みつめやづら)
百物語の大幹部で、山ン本の「脳」。表向きは奴良組系妖怪組織「三ツ目党」の党主。
その正体は、頭蓋骨の上半分から脳がはみ出したような頭部を持っており、山ン本自身の意識や感覚を宿している。身体の各部位の妖怪たちに意識がつながっていて、妖怪が倒されると彼自身も痛みを感じる。
百物語組を動かす鍵として、圓潮に利用されていた。圓潮に裏切られて瀕死の重傷を負うが、最期の力で「百鬼の茶釜」に集められた畏を吸収し、魔王・山ン本五郎左衛門として復活を果たした。百物語組の妖怪たちを吸収しながら奴良組本家を襲撃するが、最後はリクオに一刀両断されて滅びた。
雷電(らいでん)
百物語組幹部で山ン本の「骨」。筋骨隆々の肉体を持った、若い巨漢。
普段は快活な性格だが、幹部中でも最も好戦的であり、どんな相手も叩き潰し粉々にする。だが物覚えは悪く、圓潮の作戦や自分の能力もあまり覚えていなかった。
巨大なコンクリートを指で弾き飛ばす怪力と、物理攻撃をものともしない頑丈な骨の身体を持つ。巨大な木槌を持っているが、戦闘は基本的に素手で行う。
百物語組抗争では、幹部クラスの一番手としてリクオと戦うが、修行を積み新たな力を手に入れたリクオに斬られ、身体が粉々に爆ぜた。
珠三郎(たまさぶろう)
百物語組幹部で山ン本の「面の皮」。中性的な顔立ちをしている。人を欺いて惑わし、その心をズタズタに引き裂くことを好む。人質をとったり部下を身代わりにするなど卑劣な性格の持ち主。
液状になった「面の皮」を使って相手の姿を複写し、それを被ることで擬態する。戦闘時は歌舞伎役者のような姿をしていることから、「狂役者(きょうやくしゃ)」の異名を持つ。
百物語組抗争では奴良組の毛倡妓(けじょうろう)になりすまし、奴良組の本家に潜入してリクオの母・若菜に襲いかかるが、首無に阻まれて敗北した。奴良組の妖怪に捕らえられるが、復活した山ン本に吸収される形で消滅した。
黒田坊(くろたぼう)
声優 …… 鳥海 浩輔(38歳)
現在はリクオの側近の一人。黒い袈裟をまとい笠をかぶる旅僧の姿をしている。
奴良組の青田坊とは仲が良く、出入りの際には常に勝負を競っている「もう一人の突撃隊長」。美形で女性に人気があるが、人間、妖怪を問わず女性関係においてトラブルを起こすことが多く、天邪鬼淡島からは「エロ田坊」というあだ名で呼ばれる。基本的に人間には無関心であるが、情には厚い。
手にしている錫杖以外にも、法衣の中に200種類以上の暗器(暗殺用の武器)を仕込み、連続攻撃や隙を突いた不意討ちなど多彩な技を持つ。
元々は戦乱や飢饉の中、野盗や野武士に苦しめられる子どもたちの恐怖心が、「自分たちを護ってくれる存在」として創造した正義の妖怪だったが、山ン本の「百鬼の茶釜」によって操られ、百物語組の幹部として暗殺を担当していた。江戸時代に鯉伴とも交戦している。山ン本から生まれた妖怪たちが子どもを襲っているところを救出したことで自我を取り戻し、鯉伴と盃を交わし共闘して山ン本を倒した。その後奴良組に入る。
リクオが正式に跡目候補となってからは、人間のビジネスマンに擬態して登下校の護衛に回ることになった。後にリクオとも七分三分の盃を交わした。リクオの三代目襲名と同時に、青田坊共々、幹部に昇格した。
滝夜叉姫(たきやしゃひめ)
鏡斎がリクオの友人・鳥居夏実を妖怪に変えたもの。モデルは平安期に存在し、父親である大怨霊・平将門(たいらのまさかど ?~940年)の無念を晴らすため魔道に堕ちた将門の長女(本名・五月姫)。般若の面のような顔を持ち、巨大な薙刀を武器とする。
鏡斎に操られるままにリクオに攻撃を仕掛けるが、リクオの刀によって妖怪としての肉体のみを斬られ、核となった鳥居は解放された。
青行燈(あおあんどん)
巨大な鎧武者の姿をした妖怪。百物語組の切り札にして、圓潮の語る怪談の最終話。
「百鬼の茶釜」に集められた、東京中の人間の恐怖心や憎悪を原動力として動く妖怪マシン。離れた相手にはビームで攻撃する。また、口腔内に隠された茶釜を破壊しない限り、無限に再生し続ける身体を持つ。
リクオ、氷麗、イタクを相手に圧倒的な力を見せつけるが、茶釜を破壊され、リクオによって頭部を真っ二つにされて倒れた。
水戸 光圀(みと みつくに 1628~1701年)
権中納言、前水戸藩主。江戸幕府初代征夷大将軍・徳川家康の孫で、「水戸黄門」こと徳川光圀その人。ぬらりひょんの茶飲み友達であり囲碁友達。ぬらりひょんが居城の水戸城に忍び込んだ時に知り合ったという。
山ン本の百物語完成を阻止するための鯉伴の作戦に協力した。事件の後、毒茶取り締まりの中心的役割を担った。
柳沢 吉保(やなぎさわ よしやす 1658~1714年)
江戸幕府大老格兼将軍側用人(老中に就任したことはない)、左近衛権少将、武蔵国川越藩主。山ン本の毒茶を飲み、「覇者の味」の中毒に侵された。百物語組の壊滅後、畏に飢えて数々の悪行を働いたが、光圀に成敗された。
花開院家
蘆屋 道満(あしや どうまん ?~?)
声優 …… 高岡 瓶々(47歳)
花開院家の開祖である播磨国出身の陰陽師。平安時代前期に安倍晴明とライバル関係にあった。
花開院 秀元(けいかいん ひでもと)
声優 …… 緑川 光(43歳)
戦国時代後期から江戸時代初期にかけて活躍した花開院家十三代目当主。異能の陰陽師と言われた天才で、兄の是光(これみつ)を差し置いて当主になった。
才能、実力ともに高いが性格は飄々として子供っぽい。陰陽師だが妖怪への態度は馴れ馴れしいほどに好意的で、ぬらりひょんとは顔馴染みで、酒を飲み交わす程の仲となっていた。妖刀「祢々切丸」や京の「慶長の螺旋封印」を創った。なお、彼自身は羽衣狐の呪いを受けていないため長命だった。
現代では「破軍」で召喚された先神(花開院家の歴代当主)の一人として登場。他の先神とは異なり、ほぼ生前の姿のままで登場した(花開院竜二は霊力が高いためではないかと推測している)。花開院家や奴良組に助言し、普段の態度とはうって変わって優秀な指揮能力を見せる。
花開院 ゆら(けいかいん ゆら)
声優 …… 前田 愛(36歳)
花開院本家の陰陽師。次期当主候補であるが現在は修行中の身であり、修行の為に奴良組の本拠地である東京の浮世絵町の中学校に転校してきた。おっとりとした性格だが、感情の起伏が激しい面もある。
陰陽師としてのプライドが高く、悪い妖怪は全て滅するという信念を持つ。花開院家の陰陽師の中でも特に並外れた精神力の持ち主で、式神を使役し妖怪を滅する能力についてはぬらりひょんも驚愕する才能の持ち主。一度に複数の式神を使役できるなど、修行中の身でも陰陽師としては優秀な方らしいが、肝心要の所で失敗をすることがある。
京都から兄の花開院竜二らが来た事により、リクオの正体を知る。氷麗とは妖怪であると分かってからは反発しあっているが、人間に危害を加えないからか、リクオ同様に退治しようとは考えていないようで、共闘したこともある。京都編の後は、京都の中学校へ転校していった。
御門院一族による清浄が始まる直前に復活した土蜘蛛にさらわれ、無理やり道案内をさせられる。2度にわたって御門院水蛭子と交戦し、土蜘蛛やリクオを援護した。
のちに28代目花開院家当主に就任した。
花開院 竜二(けいかいん りゅうじ)
声優 …… 小西 克幸(38歳)
花開院本家の陰陽師で、ゆらの実兄。高校3年生。
ゆらと同様に「久しぶりに本家から才ある者が出た。」と高く評価される実力者で、周囲からは秋房と共に当主候補と目されていた。知識、経験共に誰よりも優れているとされるが、本人は「自分の才能はゆらや魔魅流には及ばない。」と語っている。発想、アイディア、知識量によって左右される結界に興味を持ち、幼いころは御門院天海に憧れていた。
陰陽師を「白(正義)」、妖怪を完全な「黒(悪)」とみなし、妖怪を徹底的に滅するという思想に傾倒している。また、リクオや秋房といった中立的な「灰色」の存在もあまり快く思っていない。刃向かうものは妹ですら容赦しない冷徹さを持つ。ゆらをよく騙したりからかったりしており、彼女には邪険に扱われる事が多い。しかしゆらの才能は認めており、兄として彼女のサポートも行う。背が低いことを気にしていて、話題に出した者は酷い目に遭わせる。
常に携帯している竹筒に入れた液体の式神を操る。嘘と真実を織り交ぜた巧みな話術で言霊を操り、敵を惑わせる戦法を得意とする。
都市伝説の発信源が東京であることを突き止め、百物語組との抗争で奴良組に協力する。その後もリクオ達に同行する。清浄で天海と交戦し敗北するも、東京で葵螺旋城の謎を解きリベンジを果たす。
ゆらが28代目となってからは彼女の補佐に徹しており、現在は、呪いの商品を生み出す「闇の狩人」たちを追っている。
花開院 秀元(けいかいん ひでもと)
声優 …… 秋元 羊介(67歳)
花開院家二十七代目当主。現代の当主であり、竜二とゆらの祖父にあたる。十三代目当主と同名。
しょうけらとその一軍に本家を襲撃された際、花開院家の精鋭と共に戦うが、敵わず倒された。しょうけらが倒され、他の妖怪たちが撤退した後、ゆらに花開院家の未来を託して死亡する。
花開院 魔魅流(けいかいん まみる)
声優 …… 野島 健児(35歳)
花開院分家の陰陽師。最近本家に養子入りした。竜二に従って行動を共にしている。高校生。
ロボットのように感情を表さない。禁忌を犯して体内に式神「雷獣」を宿している。妖怪を絶対悪とみなし、容赦ない攻撃を繰り出す。陰陽術の才能はゆら以上らしく、雷獣から得られる雷の力を操る。水を操る竜二と連携攻撃を行うこともある。
花開院 秋房(けいかいん あきふさ)
声優 …… 森久保 祥太郎(37歳)
妖刀制作の名門である花開院分家「八十流(やそりゅう)」の次男。第一の封印「弐條城」の守護者。
幼い頃から才能を見せ、次期当主になると自他共に疑わなかったが、破軍を使うゆらに対抗心を抱いていた。「不敗の槍」と呼ばれる妖槍「騎億(きおく)」を操る。自らの陰陽術に対し絶対的な信念を持つが、本来は穏やかな性格である。
京都の鹿金寺で破戸や雅次と共に羽衣狐と対峙するが、ゆらに対するコンプレックスを鏖地蔵につけ込まれて憑依されてしまった。京妖怪と共に相剋寺を襲撃するが、花開院ゆらにより解放された。その後、本家にてしょうけらと交戦し追い詰められるが、青田坊に助けられ、彼と共闘して京妖怪を退けた。
京都での戦いが終わった後、安倍晴明に砕かれてしまった「祢々切丸」を、恐山の最も畏の強い場所で刀を鍛えなおしていた。その間、御門院泰世の協力を受けていたが、リクオ達が山に入ってきたことで変貌した彼に襲われる。しかし、駆けつけてきたリクオに新生した祢々切丸を託し、それを退けた。晴明戦では、晴明の天文操作から人々を守るために4振りの結界剣を使用した。
花開院 破戸(けいかいん ぱと)
声優 …… 真田 アサミ(33歳)
花開院分家「愛華流(あいかりゅう)」の陰陽師。第二の封印「相剋寺」の守護者。自らが創り出した式神を操り、「創造式神使い」とあだ名される。小柄で自由気ままな性格。常に空中に浮いているが、仕組みは不明。
鹿金寺で秋房、雅次と共に羽衣狐と対峙するが勝負にならず、その後は雅次と共に京妖怪連合の人質にされてしまう。事件が終結した後に救助された。
花開院 雅次(けいかいん まさつぐ)
声優 …… 野島 裕史(38歳)
結界術を得意とする花開院分家「福寿流(ふくじゅりゅう)」の陰陽師。第三の封印「鹿金寺」の守護者。眼鏡をかけており、冷静な性格。
鹿金寺で秋房、破戸と共に羽衣狐と対峙するが、がしゃどくろによって結界を破られてしまった。
花開院 灰吾(けいかいん はいご)
声優 …… 稲田 徹(39歳)
花開院分家「井戸呂流(いどろりゅう)」の陰陽師。第五の封印「清永寺」の守護者。43歳。
結界を狙う京妖怪に対し、「陽力投与即神剤(ようりきとうよそくしんざい)」を飲み、肉体を異常に強化して戦おうとしたが、羽衣狐に瞬殺された。
御門院家
安倍 晴明(あべのせいめい 921~1005年)
声優 …… 小山力也(46歳)
御門院家の始祖。鵺(ぬえ)とも呼ばれる羽衣狐の「やや子」。鵺の出産は、羽衣狐を始めとして、京妖怪すべての悲願とされている。
千年前の京の闇を支配した陰陽師。京の都で蘆屋道満と互角と評される程の名高い陰陽師だったが、その裏では平安京の妖怪を統べる主として、人と妖の共存を目指していた。京の「光と闇の共存」という秩序を永遠に保つため、死という運命から逃れるべく反魂の術の完成を目指していた。そのために母である羽衣狐の胎内に還り転生するという方法を導き出すが、その矢先に母を人間に殺された。このために、人への怒りと憎しみから「闇が光の上に立つ世界」へと傾倒していき、いつしか妖怪「鵺」と呼ばれるようになる。自身の復活のために羽衣狐の遺骸に秘術を施したうえで、彼女の死から40年後に死亡した。
死後も地獄で自らの復活を画策し続ける。現代になって、羽衣狐出産の障害となる鯉伴を抹殺するために魔王・山ン本五郎左衛門と手を組む。反魂の術で鯉伴の死んだ妻・山吹乙女を蘇らせ、彼女を羽衣狐の依代としてあてがった。
力を蓄えた羽衣狐の手により、羽衣狐の敗北の直後に現代に復活、母を地獄へと葬り、自ら現世を闇で支配することを誓った。土蜘蛛を軽くあしらい、リクオの「祢々切丸」を造作もなく破壊する圧倒的な強さを見せつけるが、自身の肉体がまだ現世に適応していなかったため、地獄へ一時撤退した。祢々切丸によって負わされた傷のため、復活が遅れている。
御門院一族の清浄後、地獄から鬼の眷属を従えて東京の葵螺旋城に降り立つ。そこで復活した羽衣狐と再会するも対立。最後は、羽衣狐を鬼纏ったリクオの一撃を受けて消滅した。
安倍 吉平(あべのよしひら 954~1027年)
御門院家二代目当主。安倍晴明の長男。
父・晴明の不在中、不老の肉体を得て千年もの間、御門院家を纏めてきた男。陰陽術の基本であり最終目標たる「天候制御」の術を操る。羽衣狐の血を4分の1引いており、リクオと同じ妖怪と人間のクォーターであるため、多尾の狐のような姿に変化できる。
人でも妖でもない自分の血を呪い、清浄を果たすことを運命として受け入れ、父の作る世を見届けることを目的として生きていた。最後は葵螺旋城離宮でリクオと戦い敗北、人と妖との架け橋となるという言葉を父に伝えるようリクオに頼んだ。
安倍 雄呂血(あべのおろち)
御門院家三代目当主。在位期間は1185~1333年。
ローブのような衣をまとった長身の女性。「この世で最も偉大な式神使い」を自称し、強力な式神を何体も同時に操ることができる。
清浄では式神「雄呂血(八岐大蛇)」を操り、御門院一族を援護する。その後、鬼の眷属と共に奴良組本家を襲撃するが、ぬらりひょんに敗北する。
安倍 有行(あべのありゆき)
御門院家四代目当主。在位期間は1334~92年。
小柄な少年の姿をしている。常に笑みを浮かべており、とらえ所の無い性格をしている。南北朝時代の当主で、2つの都(京と吉野)を守るために、鏡を使って同時に式神を飛ばせる「暗闇鏡」を編み出した。幼い姿は、若くして当主になった才能の証である。
百物語組抗争の黒幕で、圓潮が花開院竜二に追いつめられた際に駆け付け、彼の窮地を救っている。
葵螺旋城では、隠神刑部狸・玉章と対峙。暗闇鏡の中に彼を連れ込んで追い詰めるが、晴明が滅んだことで肉体が崩壊して消滅した。
※史実でも、晴明のひ孫に当たる四代目に「安倍有行」がいたが、平安時代の人物であり、『ぬらりひょんの孫』の有行との関連は特に見られない。
御門院 泰長(ごかどいん やすなが)
御門院家五代目当主。在位期間は1393~1476年。安倍有行の実子。
晴明の復活のためだけに存在する一族の方針に疑問を抱き、一族の姓を「御門院」へ変える。朝廷の一機関という陰陽寮の本来の役目に戻ろうとしたが、父親を始めとする一族の心を変えることはできず、失意のうちに一族を去る。隠棲した地に「半妖の里」を造った。
※史実でも、安倍有行の実子である五代目に「安倍泰長」がいたが、平安時代の人物であり、『ぬらりひょんの孫』の泰長との関連は特に見られない。
※ちなみに、御門院家のモデルとなった「土御門(つちみかど)家」が安倍姓から改姓したのは、室町幕府第3代征夷大将軍・足利義満に重用された十四代目の安倍有世(1327~1405年)が、歴代で初めて「公卿」に昇進したことがきっかけとなっている(ただし、有世自身が生前に「土御門」姓を名乗ることはなかった)。
御門院 心結心結(ごかどいん ゆいゆい)
御門院家六代目当主。在位期間は1477~1568年。
ゴスロリ風の格好をした女性。吸引器をつけた熊のぬいぐるみを使い、相手を傀儡のように操る能力を持つ。
清浄では山陰地方を担当。岡山県の妖怪を壊滅させたほか、隠神刑部狸・玉章の命を狙った。葵螺旋城では最初にリクオ達を迎え撃つ。奴良組の面々や九十九夜行を手玉に取って戦いを優位に進めるが、駆けつけた首無に圧倒され、さらに青田坊と黒田坊の加勢もあって敗北した。
※御門院家のモデルとなった土御門家は、応仁大乱(1467~77年)の戦火を避けて、江戸時代初期まで若狭国(福井県南部)に移住していた。
御門院 天海(ごかどいん てんかい 1536~1643年)
御門院家七代目当主。在位期間は1569~1643年。
表向きは天台宗の高僧で江戸幕府初代征夷大将軍・徳川家康の側近でもあった天海僧正として知られていた人物。宇宙服のような不気味なマスクを付け、頭には縁の広い笠をかぶっている。徳川幕府を裏から支配していた。花開院竜二が理想の陰陽師として憧れるほどの実力者。しかし老いてから当主となった(呪術「泰山府君祭」の習得が遅かった)ため、醜く老いた自分の素顔を嫌っており、顔を見た者は敵味方関係なく皆殺しにする。
結界術を得意とし、螺旋状の結界陣を張って入り込んだ者の自由を奪う。その範囲は日本全国に及ぶほど広大。鏖地蔵によれば、江戸幕府三百年の治世は、天海が施した「螺旋封印」(花開院秀元のものと同型)によるものだという。罠にかけたり騙し討ちをしたりと卑怯な手段で敵に襲いかかる。
京都を襲撃し、京妖怪や竜二らを相手にその力を見せ付けるが、羽衣狐に返り討ちにされ撤退した。後に葵螺旋城に乗り込んできた竜二らと直接対決。竜二の式神・水龍により葵螺旋城の結界を破られ、自身もそれに呑まれて死亡した。
※当然ながら、史実の安倍晴明と天海僧正とのあいだに直接の関係はない。
御門院 泰忠(ごかどいん やすただ)
御門院家八代目当主。在位期間は1644~1852年。
モアイ像のような非常に大きい顔を持つ男。方角の禁忌を利用した領域型秘術「方違え(かたたがえ)」を操り、妖怪を滅する能力を持つ。
清浄では中部地方を担当。青田坊、黒田坊を相手に善戦するが敗れた。
※史実でも、安倍晴明から数えて八代目の子孫に「安倍泰忠」(泰長のひ孫で有弘の祖父)がいたが、鎌倉時代の人物であり、『ぬらりひょんの孫』の泰忠との関連は特に見られない。
御門院 水蛭子(ごかどいん ひるこ)
御門院家九代目当主。在位期間は1853~67年。
ドレッドヘアのような長髪を後ろで束ねた少年。性格は短気かつ好戦的。壮絶な修行の結果、右腕が「水」、左腕が「火」に包まれ、右脚が「金」、左脚が「土」、頭部が「木」と、五行で構成された身体を手に入れた。相性の悪いもの同士の性質を組み合わせ、爆発的な破壊力を生み出す攻撃を放つ。自称「御門院家最強」で、江戸幕末期を生き抜いたその実力は他の当主たちからも認められている。
清浄では九州地方を担当し、九十九夜行をほぼ壊滅に追い込んだ。土蜘蛛を返り討ちにし、さらに九十九夜行の生き残りの抹殺を図るが、リクオらによって阻止される。死闘を繰り広げるものの、最後は「祢々切丸」によって延命の術を断ち切られてしまい、肉体が朽ち果てて崩れ落ちた。
「水蛭子」の名は『古事記』にあるイザナギとイザナミの第一子「ひるこ」に由来している。
御門院 有弘(ごかどいん ありひろ)
御門院家十代目当主。在位期間は1868~1926年。
口髭を蓄えた長髪の男性。多重式神使いで、鷹型の式神を無数に召喚することができる。式神は攻撃だけでなく探索にも使える。
水蛭子らと共に九州地方の清浄を担当。獺祭と対決するが、彼の炎に式神もろとも焼き尽くされ、死亡する。
※史実でも、安倍晴明から数えて十代目の子孫に「安倍有弘」がいたが、鎌倉時代の人物であり、『ぬらりひょんの孫』の有弘との関連は特に見られない。
御門院 長親(ごかどいん ながちか)
御門院家十一代目当主。在位期間は1927~45年。
長い髪を後ろで束ねた若い男。生まれながらに弱視で、周囲2.5メートル以内のものしか見えない。自らの周囲を妖刀「仏及羅(ぶぎゅら)」で薙ぎ払うことで結界を作り、そこに入り込んだもの全てを滅する「結界眼」を持つ。
水蛭子らと共に九州地方の清浄を担当。隠神刑部狸・玉章と対決するが、敗れて死亡。その後、死体が心結心結に操られ再び玉章を襲うが、獺祭によって焼き尽くされた。
有弘、長親の両名が他の当主に比べてあっけなく敗れた理由について、心結心結や玉章は「妖の闇が薄れた平穏な時代を治めていたため」と述べている。
※史実でも、安倍晴明から数えて十一代目の子孫に「安倍長親」(有弘の実子)がいたが、鎌倉時代の人物であり、『ぬらりひょんの孫』の長親との関連は特に見られない。
御門院 泰世(ごかどいん たいせい)
御門院家の一族。青森の恐山にいる修験者。妖刀作りの名手であり、八十秋房を指導していた。晴明に忠誠を誓う厳格な人物。頭髪の色がなぜかショッキングピンク。
恐山に侵入したリクオ一行を襲い、さらには秋房を「祢々切丸」もろとも始末しようとするが、完成した祢々切丸により敗北した。
※史実でも、安倍晴明から数えて十二代目の子孫に「安倍泰世」(やすよ 長親の実子で有世の祖父)がいたが、鎌倉時代の人物であり、『ぬらりひょんの孫』の泰世との関連は特に見られない。
※作中では、長親以降の当主(十二代目以降)については明言されておらず詳細は不明だが、名前のモデルとなった安倍氏系図から推測しても、この御門院泰世が十二代目当主(在位期間は1946~2012年?)に限りなく近い存在だった可能性が高い。
う~ん……よく完結したね、これ。いや、完結してはいないんだろうなぁ。
欲張りすぎなんですよ……なにはなくとも欲張りすぎなんですよ!!
そんなこんなで、詳しいつれづれは、まったじっかい~!