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『狐火』 俳句ポスト365:~沖縄への想いを~

2021-02-15 17:18:56 | 俳句
2021年2月15日(月)

先週、新年3回目の夏井いつき選「俳句ポスト365」結果発表。
今回は、とうとう投句数の多さに松山市職員も夏井いつきさんも悲鳴をあげられ、次年度からの工夫を示唆されてる。
やたら何十もの句を送る方もおられるみたいで、選句する側も大変なんだろうね。

毎回毎回書くけど、この俳句ポスト365。
ほぼ2週間に一度提示された兼題をもとに気楽にネット投句。
夏井さんに『天・地・人・並・没』と選句してもらえて、無料。

ひとえに愛媛県松山市行政と「俳句の種を捲く」ことに人生をかけた夏井さんの心意気のおかげ。
だから節度ある投句数にしないといけない気がするわ。

私も4句ほど送ったんだケド、次回からは2句程度に減らそうかな。

今回の兼題は『狐火』
投句人数1798名:投句数10912句

さて、狐火に出会ったこともなく、生物発光なのか、燐化合物の燃焼なのか
その正体もわからぬままは無理なので、沖縄での体験と重ねて俳句にすることに。
無邪気に遊ぶ俳句も良し、想いを伝える手段としての俳句も良しだ。

私は、原爆が投下された被爆地広島で育った。
反戦・平和・核廃絶など、学習も運動もそれなりに積み重ねてきたつもり。
ただ、広島でのことだけを学んでも広めても、なんかそれは一方的な気もして・・・
被爆地長崎へも出かけた。
捨て石同然に国内唯一の地上戦がくり広げられた沖縄でも反戦・平和・基地問題をかじってきた。
被爆でいえば、イラク戦争などで使用された劣化ウラン弾など、今も被爆の影響に晒されてる人たちもいる。

話がそれてるな。
沖縄では『狐火』という現象はないらしいのだが・・・

なお、画像は20年ほど前に沖縄へ行った時のや地元で似た景観を加工してる。

『人』入選句
語り部の背に狐火かガマに舞い


米軍に追われた住民や日本兵がガマ(自然にできた石灰岩の洞窟)へと逃げ隠れ
そこでくり広げられた悲惨な出来事を語り部さんに語ってもらった。
聴いてた若い娘さんの中には足の震えがとまらない人も火の玉らしいものが見えたと泣いてる人もいた。

落選句その1
狐火の雲一つ越ゆ久部良割


久部良割とは、まだ沖縄が琉球と呼ばれてた江戸時代に
薩摩藩からの年貢を納める際の「人頭税」というんだったかなあ?
住民の人数で納める額が決められる。
そのため、人減らしのための苦肉の策として妊婦さんを岩から岩へと跳ばせたという。
そっから先は調べてみてね。

落選句その2
いくさゆぬちむぐりさとまうきつねび


沖縄に「かわいそう」という表現は元々ない。
「かわいそう」は、つきつめれば上から目線で相手を見たときの感情だ。
そんなとき、「ちむぐりさ」と沖縄の人は言う。
「ちむぐりさ」とは「(私の)胸が苦しい・痛む」という意味だ。
想いを同じ目線で共有する優しさの表現が大好きだ。
「戦の世は胸が痛むと狐火が舞っているよ」という意味の俳句。

落選句その3
狐火や空気のような祖母がいて


1週間ほど世話になった民宿のオバアの年老いたお母さんを詠んだ句。
何を語るでもなくいつもうす暗い部屋の隅に佇んでた。
これは、もう半世紀近くも前の思い出だからね。
今はもう「ニライカナイ」へと逝かれているんだろうなあ。

なんてな真面目な話は、なかなか書きづらくて遅くなってしもたわあ。
『人』とか『並』とか『落選』とか、さしたることではないけど、真面目に書くのは疲れるなあ。


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2 コメント

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Blue Wing Oliveさんへ (私魚人)
2021-02-16 15:52:37
拙文を読んでいただき、ありがとうございます。
心から感謝です。
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こんばんは (Blue Wing Olive)
2021-02-15 19:16:47
意義深い記事を読ませていただきました。
有り難うございます。
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