私魚人(あいうおんちゅ)~定年親父の魚三昧:タナゴ仕掛けとガサで出会った魚たち~

50年続けた魚遊び。胴長ガサガサもしんどい。ならば釣りだ!野遊びだ!タナゴから珍魚・駄魚釣りへ!地元の生き物探しへ!

台灣石鮒(タイワンタナゴ)を釣ったどお!の巻  台湾釣(ガサ)行記⑰  釣査51種目

2017-01-10 06:55:48 | 台湾の魚たち
 2016年12月24日 土曜日

「釣りをしたらいけん池ならせんけんな。ルールは守らんといけん。」
「いや、大丈夫じゃ思うよ。」
道中の会話である。国内でも海外でも節操のないふるまいは許されんもんね。

出会いはあまりにも突然だった。
タイワンタナゴである。こいつは体高も低く、タビラ斑もはっきり出て縦線も長いタイプのオス。


図鑑と同じく婚姻色のしっかり出た美しいタナゴやねえ。
南国らしいはでな色あいに手も心も震えるがあ!



やったがな! やりましたがな! 台湾固有種である。
夢の一つがかなったんである。喜ばずにいられようか!
傷めぬよう針を外し、ビクがわりのタモ網へ。

話は少し遡る。
到着後、しばらくは近くの小川でようすを見ることにしたのである。
岸辺にクイナの仲間がおる。日本ならオイカワくらいは出そうな平瀬や小さなタマリもある。


まったくアタリなし。
池へもどりようすを見てみることにことになる。


数人の地元釣り師たちが2間ほどののべ竿を出し始めとるがな。
これで安心して釣れるがな。
友の長年の経験にもとづくヤマカン(ヤマカンかいっ!)でポイントを決定。

とはいえ、釣れるまでアタリはなかなかないわ、
テナガエビやクルター類幼魚やゴクラクハゼらしき魚を釣り落とすわ、
散々だったのである。
「こりゃあ釣れんわ。」と、何度も心がくじけていたんである。
いきなりウキが沈み込んだ! プルプルと弱い引きとともに釣り上げたんであった。

2尾目。今度は体高が高く、タビラ斑もなく縦線も短いバラタナゴのようなタイプのオス。




アタリは周期的にやってくる。
水は濁っていて見えないが、どうやら岸辺にそって移動しているらしい。
中国大陸某地域の湿地帯でのタナゴたちの動きに似とる気がするわ。

ここで友も釣り上げる。やったね! 自分が釣ったのと同じくらいうれしい。


不思議なことにこのオス、釣られたとたんに昇天しとる。


タモ網に移し回復を待てども待てども息を吹き返すことはなかったんである。

「メスを釣ってよお。メスの割合低いらしいし・・・・・・。」
友のこの願いは叶えられんかった。

3尾目。あつかいがすこし乱暴になったりする。


撮影中、地元の人たちが珍しそうにのぞきに来て下さる。
日本ではほとんどありえないステキな素直な好奇心だと思う。

さて「台湾全土に普通にいる」と図鑑に書かれていたことは確かかもしれん。
じゃが、遺伝子的にも地域的な変異はみられないという。
なんでじゃ?
ここは台湾東部にあたる。
平野部にすむこのタナゴが、いったいどのようにして南北に連なる山脈を越えて広がったというのか?

「遺伝子を調べるとミヤコタナゴに近い」とか
「ヤリタナゴ・アブラボテのTanakia属から分けられて新しくParatanakia属になった」とか・・・・・・
しかしじゃ。
ミヤコタナゴの分布はきわめて狭いし、
ヤリタナゴ・アブラボテ類は逆に多様な遺伝子を持ち、日本国内にも朝鮮半島にも広がっとるし、
タイワンタナゴだけが台湾国内に同一遺伝子で広がる理由が見当たらんのである。
やっぱ人による移動がかなり行われたんかねえ。
確からしいのは、日本のタナゴ類と同じように滅びの方向へと追いやられていることである。

ちなみに、日本のペットショップでも600~1000円程度で売られていたりする。
関東の小河川で見つかったとも書かれている。
「節操ないな~日本人」と私は思う。
ペット・観賞魚などの私物化するような輸入は禁止にしてほしいくらいである。
「地域に生きる物はその地域の宝物である」わけで、だからこそ「足を運んで会う感動がある」のである。
それができないときは水族館や動物園のような公的機関で補うこともできるんじゃないかな。

書き忘れとった。
タナゴ釣りのブログにはよく「ツ抜け」という言葉が出てくる。
「ツ抜け」とは10尾以上を釣ること(数えるときツを使わんようになる)らしい。
中には「一日1000尾に挑戦!」などというものまであったりする。
嫌われるのを覚悟であえて書かせていただくが、「数釣ってどうするん?」である。
釣りをしてるとムキになって私もときどき節操なくなる(スンマセン)から自省も込めて・・・・・・
タナゴ類など殆んどが絶滅危惧種である魚たちを数釣ることが誇らしいとはとても思えんのんである。
数尾釣れたら別の水系へと移動っちゅうのが「現代の粋・たしなみ」なんじゃなかろうか?
こう考えられれば「あんまり釣れんでも悔しくなくなる」じゃろ?

午前中やって納竿。
私が3尾、友が1尾。メスに会えんかっても十分すぎる数である。
(釣りだけは私の方がうまいかもしれんね)

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