私魚人(あいうおんちゅ)~定年親父の魚三昧:タナゴ仕掛けとガサで出会った魚たち~

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ミズイロオナガシジミ Anrigius attilia の羽化不全

2022-06-16 09:51:07 | チョウ・ガの仲間
2022年6月16日(木)

ミズイロオナガシジミ Anrigius attilia

20220610

ウツギの花に集まる生き物たちを観察しようと、渓流沿いの山道を歩いた。

と、イラクサの葉にポツンとシジミチョウがいて


近づいても逃げない。
どうやら羽化不全(羽化のときの発生異常)が後翅に生じてるみたいだ。


とりあえず数枚記録し、山道を進む。
後翅に突起があるから、よく見かけるツバメシジミとか
ウラナミシジミとか


最近増えてきたクロマダラソテツシジミとか

そんなとこだと、たかをくくっていたから。

進みながら、後翅の羽化不全のこと、裏翅の模様が気になってくる。
3000歩ほど歩いて引き返した。

まだいた。


表翅の色の濃い灰色、裏翅の黒帯・・・飛ばないからじっくりとみる。
やはり、たぶん意識したことのないシジミチョウだ。
なので、正常な側から1枚、丁寧に撮ったのが記事の最初の画像。

帰宅後、調べてみた。
やっぱりミズイロオナガシジミという初めて見聞きしたシジミチョウだった。
カシ・ナラ類、いわゆるドングリの木をホストとしている「よく見られるシジミチョウ」なんてなことらしい。
ミドリシジミ亜科、いわゆるあの美しく輝くゼフィルスの仲間だとも知った。
東アジアに広く分布してるなんてなことも書いてあった。
灰色なのになぜミズイロという名がついたのかはわからなかった。

2日後、他の山道を歩こうといきつけの駐車場に車を停めたら


いきなり眼の前にいた。

何のことはない。
今まで「見ているようで見ていない」だけのことだった。
つくづく人間って奴は、「見たいものしか見えない」自己都合のかたまりなのかもしれない。
「聞くは一時の恥」とよく言われるけど、今までこんな身近なシジミチョウを知らなかったというのは少し恥ずかしい。
ただ、「聞くことさえ気付かぬは一生の恥」と言われても仕方がないな。
「知ろう」と意識しなければ、自然界でも人間社会でも「弱者を置き去りにする」ことにつながるからね。

知らないまま駐車場として整備され、見ないままに車を何度も何度も停めていたんだわ。
後翅に障がいのあるこのシジミチョウが身をもって教えてくれたような気がした。

※追記:20240614 市内の他地点にて



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