私魚人(あいうおんちゅ)~定年親父の魚三昧:タナゴ仕掛けとガサで出会った魚たち~

50年続けた魚遊び。胴長ガサガサもしんどい。ならば釣りだ!野遊びだ!タナゴから珍魚・駄魚釣りへ!地元の生き物探しへ!

セラネクイハムシ&オグラコウホネ:せら夢公園湿原めぐり③

2020-08-25 16:51:57 | ハムシの仲間
2020年8月25日(火)

8月17日(月) せら夢公園の湿地めぐりのしめくくり。

オグラコウホネ


もはやチョウトンボも無警戒、人っ子一人いないため池に咲いていた。

樹名板で名前を知り、希少となってる水生植物だと知った。
広島県には、他にサイジョウコウホネとベニオグラコウホネとかも記載されてる(2001年)らしい。

それより、コウホネの樹名板の横にあったこのネームプレート!


「セラネクイハムシ」(説明は読んでね)

どっひゃ~っ!
わっちゃ~っ!
この驚きを何と表現していいのかわからんくらい驚いた!

小さなハムシのネームプレート、立てますか!

いくら地域で見つけた虫が模式標本となり、名に地名がつけられるという誇りがあるとしても
いつ飛んでいくか、池のどこの葉の裏や茎の中にかくれるか、見つからんだろう小さい虫というのに・・・

不確定要素いっぱいの怪しげなネームプレートを前にして
私は、すかさずコウホネの葉を一枚一枚じっくり眺めていくことにした。(探すんかいっ!)

「あっ!コウホネではないが、イネ科の葉の裏に!」


「何やアブの仲間かいな、きみは今日はいいからね」

汗がダラダラ流れる中、探すこと探すこと・・・

やっと岸から1.5mの葉の上に「見つけた~っ! セラネクイハムシや~っ!」


さ、みなさんはエアコン効いた部屋で、ゆっくり探してね。

何度も何度もマクロズームでシャッターを切る。
が、何せ遠いのである。


大きさは推定6~7mmくらいかな。
ネクイハムシの仲間としては大きい方だ。

手をいっぱいに伸ばして、やっとこの程度の画像。



さて、この辺でどこにいたのか赤丸で解答するね。


画像は、気に食わないがしょ~がない。

やたらと一眼レフだのズームだの連写だの、高度な機器・技術を操る気はないのだ。
釣り具だってそう、食い物だってそう。
今ある安物で勝負してりゃいいやん。

そんなのイタチごっこやん、腕が良くなったわけでもないし、贅沢になるだけやん。
贅沢や利便性を追求すれば経済が回るという概念は、今回のコロナ禍で痛烈なパンチくらったでしょ?

余裕な金があれば、コロナ以前から不況である出版業界へ、本を買うという心の栄養に。
地域やその周りの自然探検や保全に、募金に、海外への貧乏旅に。

さてさて、水生植物とともに生きてるネクイハムシの仲間
イネにはイネネクイハムシとか
ガガブタにはガガブタネクイハムシとか、一蓮托生だから
人の生活にとっては、やっかいな虫(いわゆる『害虫』)なんだろね。

ため池の減少やコンクリート化、農薬なんかで、今や絶滅危惧種も多いんだよねえ。

例えば、あれほど田んぼに生えてるイネ、それを喰うイネネクイハムシ。
ずっと見てまわってるケド見つからない。
いずれ絶滅危惧種なんてなるのかなあ。
んでもって、そんなことはどうでもいいと突き進んでいくんだろうなあ。
なんかちょっぴり不思議な世の中なのかもしれんなあ。


花・虫まとめて:せら夢公園湿原めぐり②

2020-08-24 14:54:21 | 植物
2020年8月24日(月)

8月17日(月) せら夢公園の湿地めぐりで出会った花や虫たち!

広大な敷地にさまざまな遊具とミスト噴水があり、訪れた方たちはそこに集まってる。

私たちは、湿地コースへ向かう途中のヒョウモンモドキのブランコへ。


そう、この地域は希少種ヒョウモンモドキの貴重な生息地であり、その保護に長年尽力されてるのだ。

ブランコだって、このチョウを広く知ってもらうためのアイテム。


乗り心地はとってもいいぞっ!

さて、オオシオカラトンボやアキアカネなどを見過ごして、湿地に向かうか。

トンボ池・ユウスゲ・サギソウ・ハッチョウトンボと緩やかに下ったら

土手にオミナエシ


その下の湿地帯にはサワギキョウ


山間にキクバヤマボクチ


どうしてこんなにすんなり植物の名前が出てくるのか?

その訳は、樹名板(ネームプレート)がそれぞれに刺してあるから。


その一段下の湿地帯には、ハンゲショウの群生


なぜ、こんなにきれいに群生地がわけられてるのかなあ?

この疑問は、翌日ここでたまたまアルバイトしてる福山大学の学生に教えてもらった。

やはり、ここはもともとの生息地でも湿地帯でもなく
棚田の休耕田にため池から水を落としつつ
湿地の植物たちを植えていってるのである。

ま、ビオトープというか、魚でいえば水族館のようなもんなのである。

湿地帯にかけられた板の通路もきれいで歩きやすく、案内板も丁寧で実に分かりやすく
とてもいいことなのである。

とてもいいことなのだが、これをそのまんま「自然」と認識してはいけんぞとも思うのである。

見物客の大半は、サギソウ・ハッチョウトンボに足を停め
一眼レフでシャッターチャンスをうかがっていた。

割と近いところに、芦田川の源流がある。

そこにも湿地帯があり、サギソウ・ハッチョウトンボ・モウセンゴケなどがいた。
足場も悪く、なかなか立ち入ることのできない湿地帯だった。

それが今やすっかり跡形もなく壊され、「鯉の養魚場」と「芦田川源流の地駐車場」になっちゃってる。

かたや、もともとある湿地帯を跡形もなく壊し
かたや、休耕田跡地に人工湿地帯を作り上げる。

何となく無駄な労力と費用をかけてるようでむなしくなった。
これが疑問その1。

さらに下ると、ヒョウモンモドキの食草やおそらく幼虫などの生育場としてるビニルハウスがある。
この施設をつくり、広く知ってもらうことが、このせら夢公園のコンセプトの1つなのだろう。
が、見物客はいないなあ。

水族館でも小さな地味な地域の希少種より、アマゾンの巨大魚なんてのやイルカショーにみんな集まるもんな。
ヒョウモンモドキ保護という地味な取り組みより、きれいで目立つサギソウに目が向くのも無理はない。

けど、なんかむなしい。
これが疑問その2。

さらにさらに下っていくと再びため池。

もはやチョウトンボも無警戒。


近距離での撮影に快く応じてくださる。

ここで、鮮烈な出会いが待ってたのだけど、その話はとばしといて・・・

私たちは、炎天下のもと、知らず知らずのうちに、もと棚田の湿地帯の最下部まで下ってる。

案内板を確かめて


帰りは、山道コースで軽く戻れるやろと、思ったのが大間違い。
ヒーコラヒーコラと休み休み、かみさんの愚痴を受け流しつつ、戻ることになる。

ガマズミかな? ヒーヒー


ウスチャコガネかな? ハーハー


いや、セマダラコガネの体色違いバージョンかもしれんけど・・・

あのカーブを曲がると・・・まだ先があるわ・・・

アオバハゴロモやん! フーフー


かみさんのペースにあわすから、撮影もできるよね。

案内板の所には咲いてなかったカワラナデシコを野草たちのすき間に見つけ


白花も見つけ


あらら、野生種ではないかもな?
園芸種ならば、さもありなんとね。


サギソウ&ハッチョウトンボ:せら夢公園湿原めぐり①

2020-08-22 07:11:53 | 植物
2020年8月22日(土)

サギソウ


NHKローカルニュースで
「せら夢公園のサギソウが見頃」とのこと。

8月17日(月)お盆明けの平日ならば迷惑もかけまいと
かみさんの俳句づくりのためになるならと、出かけた。

詳しいことはまた続きを書くとして、この日選んだのは「湿原めぐりコース」

どこかの国の大臣同様に、私も要らぬことを言って迷惑をかけたりする。
「湿原(失言)コース」がお似合いでしょ?」
「あ、そう?」という会話をかみさんとかわしたかどうかは定かではない。

これが、まあアチコチに咲いてるのである。


しっかり整備された通路で、撮影にいそしむ年配の方々もチラホラ。


遠くにハッチョウトンボのオス


何匹かいてなわばり争い中なのだが、近づいてこない。


私のデジカメではこれが限界。

大きさは1cmを少し超える程度の小さなトンボ。

と、一応ニュースをもとに、あっけなく見るものは見たのだが・・・う~ん、疑問だ。

ムカデメリベかな?:アマモ場ガサに誘われて③

2020-08-21 10:17:26 | 他の無脊椎動物
2020年8月21日(金)

ムカデメリベかな?


大きさは8cmくらい。

大きな口に触角2本、これ懐かしきウルトラQのカネゴンみたいや。(画像右をよく見てね)

この口を広げ、気付かぬ獲物をやさしく包み込みそっと体内へ・・・

想像すると恐ろしいような気もする。
けど、日頃の生活で知らぬ間にやさしさに包み込まれてることは大いにある。

今回の福山大学の阪本先生だってそうだよね?
研究生・学生とのアマモ場の定期生き物採集に加えてくれたこともそうだもの。

だとすると、いつのまにか包み込まれて消化されてくのかな?

話がそれた。

ムカデメリベ(?)の腹面


さておき、このムカデメリベ(?)、もちろんウミウシの仲間。
ウミウシは巻貝の仲間で、貝殻が退化していった連中と思えばいい。
ま、イメージとしては「海のナメクジ」ととらえればいいかもね?

で、さっそく、正確な名前を確かめんと、書庫の本棚から取り出したのが

ウミウシガイドブック2冊(1999年 2000年 TBSブリタニカ)


これらの本では、メリベウミウシとしか載ってないのよね。
多彩な形態と色彩と大きさのバリエーションを5つほど紹介してるけど、古い本だからなあ。

となれば、ネット検索しかないと調べてたら・・・

なんと、この時代の論文で、ムカデメリベ・ヒメメリベ・クロメリベの3種を同一種「メリベウミウシ」とされてたのよね。
正しかったんやわ、この本たち。

再び、3種に分けられたのが2003年のこと。

では、素人なりの判別をしていくことに。

まず、クロメリベは日本近海に生息していないとのことで消去。
続いて、ヤマトメリベは大きく、透明感があり、生息密度がかなり低いことから消去。

となれば、ヒメメリベかムカデメリベ。
この2種を区別する決定的な特徴は、内部構造らしく、そりゃ無理!
口の縁に生えてる触手の数が2列だとヒメメリベ、2~5列だとムカデメリベらしい。(2列ならどうする?)
それもこの画像では判別できん。

かくして、何となくムカデメリベかな?と見た目の感じで・・・

さてさて、このアマモ場周辺には
「アオウミウシもシロウミウシもミノウミウシもいますよ」と、福山大学阪本先生。

また、お世話にならんといけんなあ。
知りたいこと、知らないこと、山ほどあるもんなあ。

学生とほんのちょっぴり話してたら、「世羅夢公園」でアルバイトしてたヤツにも出くわした。

「えっ! 昨日(7月17日)行ってたんだよ!」
「気になったことがいくつかあるから教えてくれる?」と、海辺にいながら山奥の話。

なんかいろいろとつながっていくもんだなあ・・・

タツノオトシゴなど魚たち:アマモ場ガサに誘われて②

2020-08-20 09:13:27 | 海水魚
2020年8月20日(木)

タツノオトシゴかな?


褐色の濃いヤツと

薄いヤツと


皮弁のトゲトゲが少し出てるヤツ


撮影ケース内では、緊急時のためか意外と泳ぎは速く、じっとしてない。
アミメハギとええとこどっこいの速さだ。

前回紹介したクダヤガラとは、同じトゲウオ目。
ただ、クダヤガラ科は世界中で2属2種と極めて少数民族なのに対し
タツノオトシゴの所属するヨウジウオ科には、そこそこファミリーがいる。

とはいえ、どちらもコイ科魚類とかバラ科植物とかいった何千何百の種の大所帯とは違ってマイナーだよね。

自分たちの採集でタツノオトシゴを手に入れたのも初めての経験。

ハナタツなのかタツノオトシゴなのかは、少し不安ではあるが・・・


福山大学の阪本先生に誘われたアマモ場ガサ。

学生たちも先生たちも、詳しくは書かないが、それぞれの研究対象となる生き物のサンプリング。
のほほんと楽しんでるのは私だけ。
阪本先生は自らの研究対象魚採取に加え、私にその他の魚たちを分け与えてくれてるのである。

キジハタの初期の幼魚が採れたところで、撮影に入る。


動きまくるので、撮影は厳しい。


この時期のキジハタが採れたということは、放流ではなく自然繁殖が行われていて
幼魚期をアマモ場で過ごす場合があるということになるな。

これまた初体験だ。

他にもニジギンポ初期の幼魚とか


できれば、全種撮影したかったのだが、全行程1時間ほどでみんな採集を終え、サンプリングをテキパキと。

私の撮影待ちとなってしまった。

待たせるわけにはいかない。

ええいっ! 残りはあてにならん脳内メモだ!


「いい潮のときは、あの沖に見える小島まで潮がひくんですよ」
「一緒に歩いて渡りませんか? 次もまた来られますよね?」

「もちろん!」

水の生き物と長く関わってきて、保全や研究に前向きないろんな人たちと出会えて、つくづく良かったと思う瞬間だ。
素人の魚好きにすぎないのにね。

この日、仕事で参加できなかった友や知人へ、やさしい私はその夜のうちに画像付きメールを送ってあげた。
幸せのおすそ分けである。

ただし、2人とも口惜しがってたのは言うまでもなく、それがまた余計に楽しいのだ。