中興の祖・松平菖翁の 「鶴の毛衣」

白色三英の、その名の通り鶴の羽のように美しいハナショウブ、鶴の毛衣　
(つるのけごろも、江戸系)。

この花は江戸時代末期にハナショウブ育成の巨匠・松平菖翁によって作出
されました。
加茂荘・加茂花菖蒲園HP掲載　「現代に残る菖翁花」 によると、花菖蒲中興
の祖・松平左金吾定朝 (菖翁) は江戸時代末期に３００にせまる名花を作出し、
それらは江戸系の中でも特に 「菖翁花」 （しょうおうか） と呼ばれるそうです。
作出した品種のうちどれだけが今日に残っているかはっきりしませんが、よく
知られている 「宇宙」 や 「霓裳羽衣」 などとともに、「鶴の毛衣」 は現存が
確認される20品種の一つに挙げられるそうです。

松平左金吾定朝 （1773～1856） は、江戸末に麻布桜田町 （現在の港区
元麻布三丁目・中国大使館近辺） に居を構えた二千石の旗本で、花菖蒲
培養のすべてを語った自著 『花菖培養録』 は初め弘化四年 （1845） に
『花鏡』 と題して出版され、1848年に 『花菖培養録』 と改題されたそうです。

ハナショウブはこれまで詳しく見ていなかったのですが、世界に誇る日本の
園芸文化の一つですね。何気なく選んだこの花のおかげで松平菖翁を知ること
が出来ました。もう花は終わりかもしれませんが。


参考：加茂荘・加茂花菖蒲園HP掲載　「現代に残る菖翁花」
　　　　　　　（日本花菖蒲協会会報第24号より転載）　
　　　同じく　「松平菖翁著 『花菖培養録』 現代語訳」　
　　　　　　　(神奈川県鎌倉市　大船植物園　120614)


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
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