つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

時代の語り部。~ 昭和家電の向こう側。

2020年10月18日 12時29分47秒 | 日記
僕は、生まれた時から「電化製品」に囲まれてきた。
何しろ、誕生時の体重1,700gの未熟児。 
温度・湿度・酸素濃度を調節する電気動力機械「保育器」の世話になった。

子供時代を振り返ってみても、冷蔵庫、洗濯機、扇風機、
ラジオ、テレビ、照明器具、黒電話など、身の回りには「家電」がいっぱい。
その状況は今も変わらないが、家電は時の流れと共に流転し、淘汰されてきた。
無くなった形状や機能、役目を終え消えたものも沢山ある。
そんな「絶滅種」を改めて目にすると、やはり感慨を禁じ得ない。
家電は“時代の語り部”でもあるのだ。

拙ブログでは度々登場する施設「津幡ふるさと歴史館 れきしる(LINK有)」にて、
企画展『なつかしい家電~昭和時代を中心に~』がスタート。
きのう、お邪魔してきた。

<電化製品は明治時代の末期に登場しましたが、
 高価であったため家庭で使用されるものは少なかったようです。
 役所や商店・事業所などでは電話機の普及が早かったようですが、
 戦後になると一般家庭でも電話機やラジオ、電気アイロンなどが普及しました。
 今回の展示では、昭和30年代の高度経済成長期から
 昭和50年代の製品を中心に平成までの家庭用電化製品の一部を集めました。
 それぞれの時代を彩った家電をご覧いただくことにより、
 当時の人々の家電に寄せる気持ちに近づいていただければと思っています。>

(※企画展パンフレットの冒頭文より引用)

町の保管庫から持ち出した展示品もあるが、
館長さん自ら調査交渉し、一般のお宅から借り受けたものもあると聞いた。
一部をご紹介したい。

画像、向かって右の「オープンリール式テープレコーダー」。
懐かしさを感じる方は、60歳以上だろうか? 
一本のテープで録音できる時間は、せいぜい30分。
デジタル録音の現在からすれば随分短く、嵩張る(かさばる)代物だ。
--- 余談ながら、僕はコイツを扱える。 
つい10数年前まで仕事の相棒だった。
「マクセル(maxell)」や「アグファ(AGFA)」ら、
磁気テープで録音再生した音の奥深い味わいを思い起こした。

真空管ラジオとトランジスタラジオ。
時代の古い方が、デザインが洗練されているなと感じる。
画像手前のトランジスタ式は、木目調・家具調。
奥の真空管式は、近未来を連想させる。
機器それぞれの方針の違いはあるだろうが、両者共にメーカーは「東芝」。
製造年の差はたった2年。
昭和40年代は、消費者が家電に求める意識、
ニーズが変化したタイミングだったのかもしれない。

帯域バンドも、馴染みのあるAM(Amplitude Modulation/振幅変調)、
FM(Frequency Modulation/周波数変調)ではない。
MW(Medium Wave/中波)、SW(Short Wave/短波)表記なのも、何だか洒落てる。

♪ダイヤルゥ、回してぇ、手を停めたぁぁぁ~(LINK有)
昭和60年(1985年)のヒット曲で歌われた描写は、
今やおいそれとは見かけなくなった。
--- 黒電話正面の回転ダイヤルには「河合谷(07628)」とある。
津幡町・河合谷(かわいだに)は、お隣の富山県と境を接する山間の里。
僕の母親の出身地だ。
彼女の生家で、昔、手回しハンドルが付いた電話機を使った記憶がある。

電話をかける際はハンドルをグルグル回して電話交換所を呼び出し、
交換手さんに先方の番号を伝え、回線をつないでもらうのである。
実際に使用した時は、妙にキンチョーした事を思い出す。

--- これらはほんの一端。
他にも様々な品が並んでいる。
是非、足を運んでみてはいかがだろうか。
きっと、何かが心の琴線に触れ、甦る思いがあるはずだ。

れきしる企画展『なつかしい家電~昭和時代を中心に~』。
会期は、令和2年11月8日(日)まで。
毎週月曜日休館である。

お隣のスペースでは「灯りのいろいろ」も同時開催中。
常設展示と併せて楽しんで欲しい。
コメント (2)
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